すずめ的妄想

2014年10月22日 (水)

The Tudors : ヘンリー8世のドラマ

HuluでThe Tudorsっていうドラマをやっている。
ものすごく、ゴージャスなシリーズだ。
映像だけでも、ほれぼれする。オープニングだけでも見る価値があるかもしれない。


主人公は、ヘンリー8世。
言わずと知れた、有名人。
なので、いろんな見解や分析があるんだろう。と、思いつつ、
ドラマからの個人的な解釈。

彼は、ローマからの支配を逃れて、イギリス国教会を創設した王として歴史年表に出てくるんだけど。。。ドラマや映画では、アン ブーリンのストーリーでも有名だ。

彼は結婚直後に急逝した兄の跡を継いで即位するんだけど、その時の王妃はスペイン出身で、神聖ローマ帝国の王の縁者でもあった。故に、兄の妻だったキャサリン オブ アラゴンを妻にする。しかし女の子しかできない。(その子は後にメアリー1世になる)で、男の子を持つために、若いアン ブーリンを妻にしたいと、離婚(兄の妻との結婚の無効)しようとするんだけど、カトリックの時代、それはローマ法王の許可を得なくてはならず、オッケーが出ない。。。。っていう所から、イギリス国教会を創設し、絶対王政っていうのの概念を作って行く。要するに、王様がいろんな意味で一番偉かったんだけど、宗教としてのよりどころとしては、ローマ法王だった。それを、現世的な意味でも、宗教的な意味でも、一番偉いってのを自分にしたんだった。

っていうハナシからのイロイロなんだけど、
すずめ的解釈。

なぜ、アン ブーリンを王妃にしなければならなかったのか。
いろんなストーリーでは、彼女が結婚を迫ったっていうのがあるんだけど、
何か、不自然。なぜ、絶対王制を構築しようとする程のヘンリー8世が、そんな小娘の言いなりになるか。。。

彼は、この結婚によって、ローマの権力からの脱却を企画したかったのでは。アンブーリンの逸話は、そのデモンストレーション。
もともと、ローマ法王庁が離婚を許可するワケが無い。それを知っててワザと願い出た。そして、そのローマ法王との決別の初仕事としての、自分の結婚。
ヘンリー8世の推進したイギリス国教会のこの時代のイデオロギーは、どちらかと言うとカソリック的。(対局には当時の宗教改革で台頭したルターのプロテスタントがある)それほど、カソリックの教義を脱却しなければならない理由は無い。だが、当時の大陸(神聖ローマ帝国とフランス、スペイン。。。)の勢力図から政治的に独立するためにコレが必要だった。(こういう解釈はもちろん、一般にも言われてる)
だが、アンブーリンは結果的に女の子(後のエリザベス1世)しか作れず、次が必要になる。で、いろいろでっち上げて、処刑。
イギリス国教会はカソリック風だったので、離婚は出来ず処刑して、次。
庶子ではなく、正統な男子の後継者を欲しかったワケだ。

ドラマでは「恋」多き王として描かれるが、アンブーリンは美女ではなかったらしい。他の女性達もそれほどではなさそうだ。それより、賢さが目立つ。ヘンリーは恋ではなく、頭の良い女性を求めたのではないだろうか。その賢さを次の王に遺伝させたいために。ドラマではキャサリンハワードはおバカな女の子として描かれるが、これはどうだったのか。この手の歴史の元になる資料って、当時の「当局」が作ってるんだし。

ところで、一番、すずめ的に興味深かった点。
ヘンリー8世は、イギリス国内にあった、修道院を皆、潰していく。
なぜだったのか、もちろん、クロムウェルによって、これらの財産が皆没収されて、イギリス国王の金庫に入る。それが大きい。
だけど、このドラマには時々出て来る台詞がある。
「迷信などを払拭したい」
当時、中世の闇から脱却しつつあり、ヘンリーの世はルネッサンスとしても分類される。
中世と言えば、そう、魔女狩り。
魔女は箒に乗るとか、どっかに痣があるとか、イロイロ、非科学的な迷信がある。
魔女関連じゃなくても、いっぱいいろいろあったんじゃないだろうか。ヘンリーは自分で薬を調合しちゃう位の頭の良さもある。

彼が行いたかった改革は、
本当は、宗教ではなく、
宗教から、科学への脱却だったのでは。

だから、ローマ法王庁から独立し、
同じような政治的装置であるイギリス国教会を作った。
だけど、形はミニチュアでも、理念は違う。
本当に狙ったのは、「科学」だったのでは。
まだ、この時代、科学という概念の萌芽はあまりに小さく不明瞭だったけれど。
でも、この100年後に、イギリスは、アイザックニュートンらを生む国になっていく。
この基盤を作ったのが、彼だったのではと。


って、思ったんだった。
Hulu おもしろっ。

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2014年8月31日 (日)

数学のエッセンスのカリキュラム

昔、中学の時代、連立方程式の問題をやってて、思いついたことがある。
とにかく、あまり深く考えず、全部を記号にしてしまうのだ。そうすると、眠くてもできる。。。

例えばこんな例題があったとする。




一郎くんは、A駅から谷を越えてB駅までのハイキングをすることにした。
計画ではA駅から山の頂上まで毎時4㎞の速さ、頂上からB駅まで毎時5㎞の速さで歩いて、
5時間歩けばよいはずであった。
しかし実際にはA駅から頂上まで毎時3㎞、頂上からB駅まで毎時4㎞の速さでしか歩けなかっため、
6時間28分歩いたことになりました。
A駅から頂上までの道のりをx㎞、頂上からB駅までの道のりをy㎞として連立方程式を立て、
A駅から頂上を経てB駅までの道のりを求めよ。


----

普通に考えれば、XとYを二つ使う。。。というのが学校で習うことなんだけれど、
それでは、眠い時にできない。
実際、当時はこんな単純な問題だけではなく、もっとトリッキーで複雑なのもあった。

で、当時、私が編み出した方法、



これを、いろいろ複雑に考えず、すべてまず、?と思ったものは全部記号にしてしまう。

A駅から山の頂上まで計画では a分 時速 bkm 分速ckm
頂上からB駅まで計画では  d分 時速 ekm 分速fkm

実際は
A駅から山の頂上まで g分 時速 hkm 分速ickm
頂上からB駅まで j分 時速 kkm 分速lkm

A駅から山の頂上まで  Xkm
頂上からB駅まで  Ykm
全部の道のり Zkm

たとえば、一発で書けるのは、

X+Y=Z
c÷60=b



上の記号は必要なのも必要じゃないのもあるんだけど、無くてもとりあえず設定してしまう。そこから式を解いていく。


当時の問題は、式を解答に書かなければならないので、その時はこのa--iっていうのは、書かない。。。ように書き直すのが、当時は眠いとできなかったので、結構、減点になってしまったんだけど。
(でも今考えれば、こうやって連立10項目あってもバツじゃないはずだと。。でも当時はそうは、思わなかった)


で、こういうのをやってれば、中学生でも思いつく。

上の文字の設定は問題用紙の言葉の上にマルで囲んで a とかbとかって書いていくわけだけど、それって、当時の中学生レベルの英文和訳の方法と似てるのだ。

連立方程式って、英語の文法と同じじゃないか?

と。

そう、当時は空想にすら無かったけれど
こういうのが、コンピュータ言語になってったワケだ。
(コレに気づく中学生はきっとジョブズのような天才だったんだろうけど、凡人にはたんなる裏技とでしかなかった)


でも、凡人でも、
連立方程式って英語文法と同じ「かも」?

という程度には思いつく。
なぜ、ココでちょっと、後押ししてくれなかったのか。
裏沢なので、解答用紙から消しゴムで消さなければならないと思わせず、
それこそが、数学のエッセンスだったのだと。


で、
まあ、凡人は、
その後、退屈な数学や物理よりも。。。まだ、ロマンを感じることのできる、
文系に流れていく。
小学校1年生からずっと、授業中は黒板ではなく、机の下をみてきた(要するに隠れて本ばかり読んでた)筋金入り文学少女のワタシは文系妄想一直線で、迷う事無く文系を選んだ。


小学校では、代数を使わず、ロジックでこういう問題を解かされていた。
それを中学で代数を使えば、いとも簡単に解けてしまうことは発見だった。
だけど、本当はここに、重要な数学のエッセンスが隠されてたはず。
代数とは何だったのか。

なぜ、こういうことに、1項目、費やさなかったのか。

代数だけでなく、数学全般に、こういう本当の意味を伝える項目が無い気がする。
そういうのがあれば、
この時点で、日本国民全員が、文系 理系 に分かれてしまうことなく、
もっと、融合したものとして、捉えていくことができたかもしれないのに。

------

補足:
もう一つ、学生時代、数学のエッセンスについて、
記憶してることがある。

ボイジャーのメッセージだ。
これには、人類の姿と、
物理や数学の公式なんかが書いてあるということだった。

数学の記号は、
宇宙の法則だから、
宇宙人でも理解できるからというもの。
なるほどと思った。
この時も、数学って言語なのだと思ったのだった。
英語じゃなくても、数字じゃなくても、
(宇宙人が英語を読めるのかっ!という突っ込みは子どもでも当然ある)
伝えられるのが、数学のロジックなのかと。
(これもまた、おぼろだけど、二進法だったというような記憶もある。。)


この人類の絵というのは、おぼろに記憶している。

で、今、調べてみたら、もしかして、1972年のパイオニア10?号の話かもしれない。
ボイジャーには、この人類の絵は載せなかったとある。
いずれにしても、こういう論というか、イメージは、
子どもでも思いつく。。。というか、子どもは思いついているけれど、
その思いつきが、案外重要なものであったという事は、知らず、
そのうち、忘れてしまう。。。
本当はこういうのを、カリキュラムに入れていれば、
もっと違ったかもしれない。


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2014年5月14日 (水)

自由が丘のこのごろ

最近、また、面白いお店が自由が丘にできた。

ドーナッツプラントの跡

AEONLIQUOR

http://www.aeonliquor.jp/jiyugaoka/

イオングループのリカーショップの旗艦店。

そんなに派手な作りではない。そもそも、AEONLIQUOR ってネーミングそのものが、気負いが無いっていうか、控えめ。ただスペルを ION ではなく AEON にしてるのが、唯一のヒネリ。
なるほど、各地に展開してるらしい。他のお店は、皆、ちょっとしゃれた程度の酒屋。

だけど、自由が丘のはちょっと違う。
もともと、ドーナッツプラントのオープンテラスを使ってるので、店の構え自体が個性的。この場所でこれだけのオープンスペースは貴重だ。
ところが。。まだ、できたばかりだからか、テラスをそれほど利用していないのが気になる。。やり手のディレクターがいれば、最初から何か、企画すると思うんだが、。。。ただ、レジカウンターがあるだけ。(それが セブン&I ホールディングズとのマーケティング力の差かな。。。でも、なあ。。ボケーっとした顔

でも、まあ、
そこそこのものはある。ワインのベンディングマシーン。これはよくできている(ようだ)。1000円のカードをレジで買い、自分のグラスにつぐ。コーヒーのセルフサービスもある。料理はなさそうだが、いくつかある椅子で店内のおつまみを買って食べられるんだろう。自由が丘の散歩の途中で、ふらりとワイン。良いかも。

価格的には安い。
お酒の値段はよく知らないが、まあ、安い方なのではないだろうか。自由が丘にはカルディもあるので、そことの競合もあるだろうが、他の店舗展開を見ると、都心ばかりではなく、生活圏なので、価格レンジ的に気取ってばかりではお客がつかないだろう。

興味深いのは、地下もあることだ。ディスプレイもミョーに凝っている。凝っているが。。何か、企画力の弱さを感じる凝りようだ。
この地下への入り口など、内緒にしてんの??
って思う位、地味で分からない。
案の定、連休の最終日なのに、地下の素敵なソファにはカップルが1組。

そう、地下も、良いコンセプトになってる。ワイン、日本酒、そのほかいろんなお酒がならべられている。ソファがあって、おつまみも売っていて、ここでは、買ったお酒をそのまま飲めるのだろう。1組のカップルがワインを飲んでいた。

うーん。
これは、ナカナカ良い。
ワインを1本買えば、2人でナッツかチーズを食べながら、ソファでまったり過ごせる。客単価、1500円で2時間。。。。自由が丘の真ん中で、連休終日に2人。

利用者としては良いが、経営としてはハンパすぎないだろうか。


自由が丘の歩行者天国のそば、
おしゃれな広いオープンスペース。
新しい業態が作れるはず。

イオングループだから潰れることは無いだろう。
だけど、そのうち、誰かがこのマーケティングのお粗末さには気づく。そして、誰だって、もうちょっとマシな展開を思いつくだろう。


----

たとえば、こんなの。
毎週週末は、各地から、いろんなフードのワゴンを呼んでくる。
ピザや、ケバブ、クレープ、チーズでもいい。
そうすれば厨房設備などの投資が不要だ。
これだけの場所だ。出店したい人はいっぱいいるだろう。

お客さんは、チケットを買って、ワインのベンディングマシーンで買って飲む。混んでいるときは、チケットを1人1枚とかって、制限すれば良い。チケットを会員カードのようにして、多少の特典をつければ、尚、良いかもしれない。


...

ところで、もうひとつ、
今更ながら、行ってみた。
小龍包のお店。
このイオンリカーの隣。
前から、時々行列ができてるのを横目でみてたんだった。

行ってみて、わかった。
300円で小龍包3個。
ここで立ったまま食べられる。
なるほど、おいしい。
焼き上がるのが、20分おき?ぐらいで、焼き上がったタイミングで通りがかった人が並ぶのだろう。なるほどね。これもイイ。
散歩の立寄りスポット。


っという場所。
これから、ブレイクするかもしれない。この地域。


かつて、自由が丘の人の流れは、北口に向かっていた。
ところが、遊歩道がきれいになり、南口にも向かうようになり、スイーツフォレストがその範囲を更に広げた。
このイオンリカーのある地域も、少し前まではそれほどの人が歩かない地域だった。だからか、ドーナツプラントの前、何だったか忘れたが、(忘れるぐらいの店だったような、、)潰れて、その後のドーナツプラントも撤退。
この少し先にはヤマダ電機があるが、休日には渋滞するほどだ。
歩行者天国がこのイオンリカーのすぐそばから始まっているが、この行列のできる小龍包屋さんはこのすぐ外にあり、休日のこの辺りの人の流れの密度は高い。自転車なんて乗れないほどだ。
なので、頑張れば、自由が丘の人の流れは変えられるはず。
特に。。。この裏には遊歩道が続いていて散策にも良い。

多くの都心の街が、ショッピングモール化していく中、自由が丘は、生活圏の街としてこぢんまりと、でも、高い質を維持してきた。都心のデパートに入っているようなブランドショップが路面店を持っている。面として広く(高層化せず)、ハイソサエティのイメージを維持できれば、ショッピングモールのバーゲンシーズンの競争に巻き込まれないだろう。
そういうモデルになる力が自由が丘にはあると思うのだが。

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    2014年5月13日 (火)

    世界一美味しいフード 4位が寿司 近江牛 そしてあと一つランクインしてるのは?

    CNNがやったっていう、美味しい食べ物ランキング。

    一位がタイカレー

    2 ピザ

    3 チョコレート

    で、4位が寿司。

    で、この後、

    5 北京ダック

    6 ハンバーガー 

    7 マレーシアのPenang assam laksa

    8 タイのトムヤンクン

    で、9位が

    アイスクリーム。

    ちなみに、このハンバーガーってのは、ドイツ料理になってるけど、マクドナルドも視野に入れてのランキングであるもよう。

    ってのはともかく。

    アイスクリームが9位だなんて、すずめ的にはとっても異議有り。でもって、それがアメリカ料理になってるなんて、もう、とっても失礼。だって、22位のブラウニーとバニラアイスっていうのが、「グローバル」になってんのよ。ヘンでしょう。

    アップルパイとアイスとかいろいろ妄想を巡らしつつ、怒りを抑えて、他を見ると。。。

    日本は他に、近江牛がランクイン。他にビーフステーキとか無いとこみると、これが牛系の代表?誇らしいかも。

    他にこれもまた、すずめ的には怒りを感じるんだけど

    寿司、近江牛ってのが、ランクインするのはイイとして、もう一つ、ランクインしてる食べ物何だか当ててみて。

    アンキモ

    ??

    32. Ankimo, Japan

    あんきもですか?

    なぜ、ガイジンさんがそんなのを選ぶ??

    桜餅とか、

    ぜんざいとか、お好み焼き、やきそば、たこやき

    とんかつ、ラーメン、日本風カレー

    きつねうどん、蕎麦、天ぷら、照り焼き。。。。

    何でもあるでしょーに。

    っと、怒りを覚えたすずめでございました。

    ---------

    http://travel.cnn.com/explorations/eat/worlds-50-most-delicious-foods-067535 

    50. Buttered popcorn, United States

    49. Masala dosa, India

    48. Potato chips, United States

    47. Seafood paella, Spain

    46. Som tam, Thailand

    45. Chicken rice, Singapore

    44. Poutine, Canada

    43. Tacos, Mexico

    42. Buttered toast with Marmite, Britain

    41. Stinky tofu, Southeast Asia

    40. Marzipan, Germany

    39. Ketchup, United States

    38. French toast, Hong Kong

    37. Chicken parm, Australia

    36. Texas barbecue pork, United States

    35. Chili crab, Singapore

    34. Maple syrup, Canada

    33. Fish ‘n’ chips, Britain

    32. Ankimo, Japan

    31. Parma ham, Italy

    30. Goi cuon (summer roll), Vietnam

    29. Ohmi-gyu beef steak, Japan

    28. Pho, Vietnam

    27. Montreal-style smoked meat, Canada

    26. Fajitas, Mexico

    25. Butter garlic crab, India

    24. Champ, Ireland

    23. Lasagna, Italy

    22. Brownie and vanilla ice cream, global

    21. Croissant, France

    20. Arepas, Venezuela

    19. Nam tok moo, Thailand

    18. Kebab, Iran

    17. Lobster, global

    16. Egg tart, Hong Kong

    15. Kalua pig, United States

    14. Donuts, United States

    13. Corn on the cob, global

    12. Shepherd’s pie, Britain

    11. Rendang, Indonesia

    10. Chicken muamba, Gabon

    9. Ice cream, United States

    8. Tom yum goong, Thailand

    7. Penang assam laksa, Malaysia

    6. Hamburger, Germany

    5. Peking duck, China

    4. Sushi, Japan

    3. Chocolate, Mexico

    2. Neapolitan pizza, Italy

    1. Massaman curry, Thailand

    デニーズに世界一おいしい料理、米サイト選ランキング1位の味を提供。

    http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=84&from=diary&id=2879644

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    2014年3月11日 (火)

    アカデミック詐欺のお誘い

    ちょっと前に話題になった、割烹着美少女研究者の論文が話題だ。
    信憑性?に問題があるらしい。
    どういうことなのか。先ず、こちらのサイトが分かり易い。
    http://blog.goo.ne.jp/netsuzou/e/67fc8a02d866f8e8f77180229f877594
    専門的な内容は分からないが、要するに、実験データを示す画像が証拠となっている。
    そりゃそうだろう。数字は簡単に変えられるのは、どこぞの問題で誰もが知っている通り。
    .
    だから、実際の画像が証拠写真ってコトなのだろうが、
    その証拠を改竄するっていうコトが起こりえるという事が前提で、調査されるわけだ。
    .
    だけどね。こんな画像。すずめのような画像処理の達人だったら(いえいえ、初心者でも)改竄は簡単だ。上の記事の突っ込みどころの通り、描き変えるのは朝飯前。
    保存日時だって、クロックを変えれば改竄できる。計器の数字だってなんだって。動画だってできる。
    もっともっともらしく。
    .
    こういうのの作法が「証拠」となることに、どれだけ意味があるのか。
    今回の場合、全否定になる可能性もあるわけだけど、ホントにこんな証拠写真が意味があるのか。すずめだったら、完璧な証拠、作ってあげられたのにね。
    .
    .
    さてさて、表題の「お誘い」
    こういうのができる。
    .
    誰か、有能な研究者さんと組んで、査読で突っ込まれる所をクリアした画像を作る。
    実際の実験なんてしないんだから、手間も時間もかからない。
    .
    さて、ここに突っ込みたいヒトいるよね。
    そう、こういうアカデミックな場所に出すってことは、他の研究者も検証実験やるワケだ。だから、そこで反証されたらおしまい。
    .
    おほほ。
    そこがすずめ詐欺のミソ。
    .
    だれか、頭の良い研究者さん。
    机上の仮説を片っ端から捏造論文にしましょう。
    実験、しなくったってオッケー。
    思いついたコト、全部、出そうじゃないの。
    .
    あなたは実験しないんだから、じゃんじゃん、書ける。
    とにかく、或る分野の考えうる実験デザインだけ、全部、ありったけ、
    もっともらしい実験にしてしまう。
    証拠写真は画像処理で作っちゃう。
    実験著作権、全部、乗っ取り。
    そして、反証は、ヨソのお人好しにやってもらう。
    ダメだったらダメでオッケー。
    成功したら、ラッキー。
    でもね、そのお人好しさんの成功は、最初に発表した、詐欺師研究者さんのもの。
    ノーベル賞もメじゃない。
    .
    やりたいヒト、いる?
    ソーカル系アカデミックテロ。

    コレは犯行声明文
    .
    .
    ■STAP論文、「撤回すべき理由ない」 共著者の米教授
    (朝日新聞デジタル - 03月11日 11:07)
    http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=2797427
     論文の共著者の一人で小保方さんの留学時代の指導教官だったハーバード大のチャールズ・バカンティ教授は10日、米紙ウォールストリート・ジャーナルの取材に「いくつかの間違いはあっても結論には影響しない。自分の持ちあわせている情報に基づけば、論文を撤回すべきだという理由は見当たらない」と語った。
     同紙によれば、バカンティ教授が10日に小保方さんと連絡を取り合ったところ、同じ意見だったという。バカンティ教授は「データや結論にはうそはなく確かなもの」とした。

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    2014年2月25日 (火)

    これからの日本の人口 

    これからの日本の人口に関して、3つのモデル。

    考えてみた。

    先ず、

    ■日本の人口「移民で1億人維持可能」 政府、本格議論へ

    .

    この記事で触れているように、移民を1億人入れた場合。

    移民を入れないで少子化が進んだ場合は100年後に4000万人になる事を考えると、

    100年後、2~3人に1人が移民で、5人に1人位がハーフということになるのかもしれない。

    .

    こういう風に進んでいく国の形、どんなものなのか。

    彼らは今、日本人がやりたがらない低賃金の仕事を担うためにやってくる。彼らの子供達は低賃金の親に育てられ、一部の奨学金をもらえる、本当に天才のように優れた子以外は、高学歴には育たない。少なくとも30年後までは、それが強く、その後もそれが続く。

    今現在、日本の状況でも、高学歴、高収入の親の学歴、収入ともに高い。なので、このスパイラルはそのまま踏襲されるだろう。(もっと強固に)

    そうすると、国の中に、階層ができていく。

    昔の言葉で言えば「身分」

    この「身分」制度は、自分が下の階層にならなければ、非常に都合の良いものになる。どんなに出来の悪い大学生も、大学に行かない階層が2~3人に1人いるなら、底辺にはならない。どんなに出来の悪い30歳も部下が持てる。しかもその部下は決して、上司を追い抜かない。企業も安い労働者を国内に抱えられて、その利潤を安く無い労働者に回せる。

    .

    きっと、その間に法改正もいろいろ行われるだろう。まず第一に、最低賃金がドンと下げられ、年金や保険制度など、日本人と外国人の区別ができるような仕組みを「体裁良く」作ってしまうだろう。何年もたってからやると、彼らの世論ができてしまうので、最初にそういう方向性ができる仕組みを作るのでは無いか?移民して来る方も納得の上ってコトなので、まあ、いいか。

    オリジナル日本人は、家を持ち、学歴を持ち、移民はその両方とも持てない。日本人の所有する家に住み、会社で養われる。

    という、快適な封建的身分制度が始まる。

    .

    で、次のモデル。

    少子化が解決したモデル。

    これは結構、理想だろう。

    今、高齢化が進んでるんだから、これからドカンと出生率が高くなるってグラフだ。

    団塊の世代の死亡人口が赤ちゃんで置き換わる。その10年後はかなり、社会の生産力、消費力とともに高くなる。バラ色のイケイケ時代。

    とまでは言わなくても、今までの失敗を経験してるんだから、昔よりはうまくやるだろう。むやみな自然破壊はせず、穏やかに、伸びる社会。

    .

    .

    さて、最後のモデル。

    少子化がそのまま進むモデル

    100年後には人口が半分以下になる。

    それって、悪いことだろうか?

    私たちは北欧のような高福祉国家を理想だと思ってる。日本と北欧の国々の違いは何だろう。一番大きな違いは、人口規模なのではないか。

    人口が大きな国で福祉国家を実現してる所があるだろうか。

    無い。(油田が出る所は別として)

    なので、もし、福祉国家を実現するなら、1億人規模は無理。

    だったらダウンサイズも良い。

    とは言うものの、どう、減らすかが問題なわけだ。

    急激な高齢化は怖い。(コレに関しては説明不要)

    これに関しての対策を

    中庸で手前勝手に考えるとすると、

    「移民」ではなく、季節労働者として、一時受け入れて補い、

    徐々に返し、100年後に6000万人位の国にするっていうのが、良い感じなのかもしれない。

    .

    さて、どれにしようか。。

    .

    .

    .

    ■日本の人口「移民で1億人維持可能」 政府、本格議論へ

    (朝日新聞デジタル - 02月25日 00:39)

    http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=2777974 

     外国からの移民を毎年20万人受け入れ、出生率も回復すれば100年後も人口は1億人超を保つことができる――。こんな試算を内閣府が24日示した。何もしなければ、2110年には4286万人に減る。移民が、働き手の減少や社会保障の負担増に直面する日本を救うのか。政府は議論を本格化させる。

     政府の経済財政諮問会議の下で50年先を見すえた課題を話しあう専門調査会「選択する未来委員会」の第3回会合で示された。

     国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計では、日本の人口は2012年の1億2752万人から、100年後は3分の1程度に減る。内閣府は、移民を15年以降に年20万人受け入れ、1人の女性が一生に産む子供の平均数にあたる「合計特殊出生率」も人口が維持できる水準とされる2・07に上がるケースを想定して人口を推計した。

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    2013年11月13日 (水)

    小さな南の島の物語

    小さな南の島の物語

    すずめストーリー

    .

    何隻かの船が難破した。

    .

    何日かの漂流の後、一隻の船は大きな無人島に流れ着いた。

    船には30人乗っていた。何日待っても、助けは来なかった。幸運な事に、島には水も食料になる果物なども豊富にあったので人々はこれで生き延びることができた。

    島にはヤシの木が50本生えていた。人々は、1本ずつ分けて、1人1軒ずつ家を建てた。残りのヤシの木を使って、公民館や病院も建てた。

    人々は助けが来るまでの何年かの間、そうやってしのいだ。

    .

    もう1隻の船はもっと小さな島に流れついた。同じような島だったけれど、ヤシの木は20本しか無かった。船には30人。そのうち何人かの者が自分の家を作るようになった。だけどヤシの木は足りない。人々は争って確保しようとした。結局20人の強い者が取り、残りの弱い者の中には、傷ついて死ぬ者もいた。家が作れなかった者は洞窟で雨風をしのいだが、衛生状態が悪く、死んでいった。そこから病原体が発生し、やがてヤシの木の家に住む強い者たちにも感染して、全員、死んでしまった。

    .

    もう一隻の船も同じような小さな島に流れ着いた。やはりそこにはヤシの木が20本しか無かった。船には30人。人々はみんなで相談して、大きな家を建てる事にした。小さな家だと1人1軒必要だが、大きな家なら何人か住める。5本のヤシの木では、12人住める家ができるはずだ。3本で作れば7人位住めるだろう。人々は5本のヤシの木で作る大きな家2軒と、3本のヤシの木で作る家を2軒、2本で作る家を1軒、1本で作る1人用の2軒の家を建てることにした。そして強い者は一生懸命働き、弱い者も手伝って完成させた。みんなで相談して配分を決めたが、それでもスペースには余裕があったので、いろいろやりくりして住むことができた。相談している間に、愛を育んで結婚する者もいた。そのうち、子供も生まれた。

    何年か後、助けが来た時には、島の人口は35人になっていた。

    .

    .

    さて、日本の国。

    何本のヤシの木があるのか分からない。

    もし、ヤシの木が50本あるなら、みんなで勝手に豊かに暮らせば良い。

    高度成長期。たしかにヤシの木は50本あった気がする。

    だけど、これからの時代、ヤシの木はずっと50本あるだろうか。

    もしかして、20本しか無くなるかもしれない。そうなった時、「福祉」は単なるオプションではなく、生存のための方法になってくるかもしれない。

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    2013年8月30日 (金)

    すずめ仮説:マクロジャーナリズムとエントロピージャーナリズム

    世の中では「マスゴミ」などという言葉が頻繁に言われる。
    .
    なるほど、すずめ的にも、マスコミが世の中をどんどん悪くしてるように思える。
    政治家の細かい失言を重箱の隅をつつくように流して、あげくの果ては、総選挙に追い込む。まあね、選挙になると新聞売れるもんね。っと、すずめみたいなのは勘ぐってしまう。
    それだけじゃない。
    お相撲の不祥事が流れると、毎日毎日ワイドショーはお相撲一色。そんなにお相撲のコトって重大ニュース??何か、おかしいと思うものの、何かよく分かんない。

    .
    ところで、最近、ジョシ大生(ウソ)をしてるすずめは、ちょい、思いついた。
    経済のゼミででてきたこと。(中学や高校でも習うけど)
    .
    経済にはマクロ経済学とミクロ経済学がある。マクロ経済学って、そうアレ、需要と供給の曲線とか。ああいう風にマクロ的に見る視点と、それぞれの細部がどうなってるか。こうやったら会社が倒産したみたいなミクロ視点と両方持つ。。。みたいな。
    あと、最近の流行?としてエントロピー経済学とかってのもあるらしい。
    部屋は散らかすのは簡単だけど、片付けるのは大変。。みたいな。

    .
    経済の先生、浅はかなすずめ解釈をお許し下さい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
    .

    ってのはともかく。
    .

    これ、ジャーナリズムでも言えることではないだろうか。
    そう、「マクロジャーナリズム」
    ってコトで、「マクロジャーナリズム」ってコトバ、ググってみた。
    無い。
    ってことは、すずめオリジナルかもね。
    .

    って、話を元にもどすと。
    .
    記者の友だちに言うと、
    「じゃあ、ウチの記事のどこが悪いのか、指摘してよ。」
    と言われる。そうなのだ。
    たとえば、朝日新聞、読売毎日新聞、それぞれの記事は正しい。
    もちろん、それぞれ突っ込みどころはあるかもしれないし、いろんな見解もあるだろうけど、でも、そんなに大間違いしてない。少なくとも、日本がこんなに何度も総理を変えてしまって、何度も選挙資金を使ってるっていうトンでもない大間違いはお前のせいだ!と言える程の間違いは無い。
    「いや、だってつまんないニュースも掲載してる。」と言うかもしれない。でも、それだって新聞社はちゃんと考えてる。(と記者の友人は言ってるしそうだと思う)
    一面のトップになるのは、本当の大事件。何を今日の大事件とみなすかは、ちゃんと考えてるんだろう。各社見解が違うのもあるべき姿だ。その記事の量についても、ちゃんと考えられてる。たとえば、選挙の次の日の報道、組閣なんかは、一面トップで大きな記事。
    だけど、それほどでも無いのは、その日に何も無ければトップになっても、大きくしないなど、いろいろ分かる。
    .
    もちろん突っ込みどころはあるけど、それを改善したからと言って、このメディアが日本社会にもたらしてる災いは改善されることは無いだろう。
    .

    じゃあ、何がまずいのか。
    何か、マズいと思う。
    個別にメディアを見ると、正しい。朝日も毎日も。。みんな。
    だけど、マクロでみると、間違ってるんじゃないだろうか。

    これに関して一つのヒントがある。
    .
    お父さんの為のワイドショー講座

    http://ja.wikipedia.org/wiki/お父さんのためのワイドショー講座

    お父さんのためのワイドショー講座(おとうさんのためのワイドショーこうざ)は、1991年 - 2008年までTBS系列で放送されていた報道・情報番組『ブロードキャスター』の1コーナー[1]である。通称および略称は「ワイドショー講座」。
    同番組終了後も、同局の別番組でタイトルを変えながら同様の企画が復活している。
    .
    ってモノだけど。
    要するに、一つのニュースに対して、ワイドショーが何秒扱ったかを合計して発表するのだ。当然、一位となるのが、その週の話題をかっさらったニュースというワケで、これにはもちろん、地震や政治などのニュースもランクインするが、芸能やスポーツのスキャンダルも並ぶ。
    .
    もう一つ、似たようなのがあった。今は廃刊になってしまったので、タイトルは忘れたけど、雑誌、ダカーポの連載。これでも、それぞれのニュースに関して、それぞれの新聞がどれほど文字を割いたかをデータにしていた。加えて、それぞれの新聞の社説の違いなども書かれていた。
    .
    これらは流し手側からの量的な。。。何て言うか、単位。

    .
    更にもう一つ、ミクシーの日記なんかもある。
    アクセスランキング 話題ランキングなどがあり、これは逆に、受け手側からの量的な指針であろう。twitterのいたずら写真投稿騒ぎなんかもこの類かな。
    .
    .

    結局は、
    メディアの質を云々する時、
    こういった「総量」について、言及しなければ意味が無い。
    総量について、もう一度言えば、
    流す側の流した総量と
    受けた側のアクセスした総量。
    いわばトラフィックの和。

    .
    この記事は正しいと言っても、
    一日中、頭がヘンになるぐらい流されていたら、
    記事は正しくても、ジャーナリズムの質としてはサイテーだ。
    .
    煽り記事にしてもそうだ。
    つまんない重箱の隅のゴミでも、煽動的なヘッドラインにすればニュースバリュー以上のアクセス数が稼げてしまう。イコール、重要なニュースは相対的に目立たないということになってしまう。
    もちろん、どのニュースが目立つべきかというのは、いろいろあるはずで、そんなコトに手心をくわえたら、言論統制になっちゃうわけだけどね。
    .
    でも、こういう、メディアのフレアを見ていると、
    突然、勃発するんじゃなく、小さな火がくすぶり始め、どんどん大きくなって。。。そこにはトンでもないデマも混じることになる。。。っという、過程も見えて来る。
    そう、要するにエントロピーが増大してってしまうワケだ。
    .
    このエントロピーの増大と、受け手と流してのトラフィックの総量は相関してるんじゃないだろうか。
    .
    .

    もうひとつ、
    このマクロ的な視点では、別の要素もあるのが見えてくる。
    それは、受け手からの需要だ。このニュースは興味がある。。というのだけじゃない。
    震災以来、なぜか、放射能漏れ、みんなガンになるよ系ではトラフィックが高くなる。その前も「他人の不幸は蜜の味」的なものは人気があった。
    こういう情緒的な「需要」がトラフィックを増大させてるように見える。
    .
    トラフィック(エントロピー)の増大は、単に流し手の流す量じゃない。ブログやら、日記やら、コメント。。。鼠算的に増大して行く。その一つ一つが新たな情報となっていく。このどこからどこまでが、「ジャーナリズム」であるか、本当は切れ目が無い。
    なぜなら、あえてこういう反応を狙って書いてる記事も多くあるのだ。これにぶら下がったブログ類もその一部だと思って良いだろう。
    .
    .
    ジャーナリズムを評価するときは、
    こういう視点も持たなければならないのではと思う。
    そして、これこそが、国を動かしてしまう元凶になってるんじゃないだろうか。
    .

    ジャーナリズムと経済。
    ちょっと、似てて面白い。

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    2013年6月 2日 (日)

    すずめ経済:リンゴノミクス

    世の中の経済、誰が決めてるか、ご存知だろうか。

    実は経済の神様ってのがおわしマシて、彼が決めてるのだ。とは言うものの、昨今の経済はフクザツなので、一人じゃ大変。なので手下の魔女に手伝わせてる。

    さて、これはその魔女のハナシ。

    .

    魔女の名前はモイラ。そう、運命の女神だ。何しろお金がすべてって時代、運命の女神が経済の神様の下請けをしてるってのは分かるハナシだろう。

    モイラは言うまでも無く、絶世の美女。でもって、永遠に25歳。お肌の曲がり角の手前に右足、向こうに左足を突っ込んでる。彼女の家は、モーニングバレーっていうちょいおしゃれなネーミングの街にある。商店街の中程にある細い階段を上っていくと、大きなテーブルがあって。。。いわゆるカフェのような営業形態だ。ここで日本中のニンゲンの命より大切なお金にまつわる運命を全部決めちゃってるんだから、恐ろしい話だ。

    .

    さて、今日もモイラは仕事に励んでる。せっかくなので、彼女の仕事の内容を紹介しよう。

    彼女の家の棚にはたくさんのリンゴが並べられてる。色とりどり。これが彼女の商売道具。

    このリンゴで彼女はニンゲンの運命を決めて行くのだ。

    .

    今やってるのは、中下家。

    4人家族 夫婦と女の子と男の子の家族。

    ここんちのリンゴ経済。

    リンゴ経済って言うのは、神様用語で、人がどれだけお買い物をしちゃう運命にあるか、その予算をリンゴっていう単位で決めようってもの。

    .

    「そうね、先ず、車。」

    中下夫妻は1990年に結婚、1年後に男の子、その2年後に女の子が生まれる。二人ともそれほど出来がいいわけじゃないけど、大学全入時代、私立4年大学に行く。この家族の25年間の車の代金。

    二人は最初の男の子が生まれた時点で、中古のマーチを購入 100万、これに2年乗る。。。けど、車検が大変なのと、子供が二人ってことで、カローラの新車を購入。300万。これには5年乗って、その後、子供達も大きくなったし、アウトドアでも。。っと、セレナを購入。カローラを下取りしてもらって300万。これには10年乗って、また、プリウス300万を購入。

    ってコトで、中下家は25年の間に1000万を使ってる。ってコトは、1年で40万。

    モイラは中下家の籠にリンゴ4個を入れる。

    .

    あ、何で25年かというと、魔女のモイラが永遠の25歳の魔女だってコトに起因する。偶然、これは、夫婦が子供を育てて、大学を卒業させるっていう年数と同じだ。よくワンジェネレーション30年って言うけど、子供が大学を出ると、そこから先の消費生活は変わってしまう。それまでの買い物は、家も車も、家電も、みんな必要性があったはず。だけど、子供達が巣だってしまうと、消費の要因にはそういう必要性以外からの要素が浮上してくる。全くロジックが違うってコトで、お肌の曲がり角、じゃなく、消費の曲がり角25年。それを目安にする。

    .

    さて、次。

    携帯電話。

    中下夫婦が結婚した90年代には携帯電話、無かったので、これは15年で計算する。

    子供がいない間は、二人とも一ヶ月5000円、年間10000円 子供が大きくなってからの10年は、家族4人がスマホ。月々5000円x4 年間25万 15年で1年平均、ざっと20万

    リンゴ2個分。

    .

    っと、そこまで計算した時、細い階段をのぼる足音がして。。。。経済の神様がやってきた。

    この神様、神様なのに、なぜか魔女に頭が上がらない。何か弱みでも握られてるのかもしれない。

    「あら、いらっしゃい。」

    きわめてラフなモイラの口調に対して、

    「あ、どうも。」

    と、緊張感を漂わせたトーンで答える神様。

    「す、座って良いでしょうか?」

    経済の神様って、意外に謙虚である。

    その問いに答える代わりに、モイラは言う。

    「ちょうど良かったわ。ねえ、これ、計算しといて。」

    「な、何で僕が。。。」

    「だって、私、忙しいんですもん。」

    この会話にどういうロジックがあるか不明だが、神様はしぶしぶテーブルにつき、電卓を出した。

    .

    「えーっと、食費は、リンゴ6個。」

    さすが、経済の神様は計算が速い。だけど魔女は疑い深い。

    「本当?ちゃんと計算してる?」

    「えーっと、子供のいない頃は4万。年間50万。大きくなると60万ちょっと。だからリンゴ6個だよ。」

    「意外に奥さん、しっかりしてるのね。」

    「教育費がかさむからね。」

    いつのまにか、魔女の注意はリンゴにはなく、テレビでやってる韓流ドラマに釘付けになっている。

    「じゃ、次、教育費もお願い。」

    「な、何で僕が。。。」

    「だって、私、忙しいんですもん。」

    またしてもこのロジックがすんなり通ってしまったというのはともかく、神様はネット検索を始める。

    .

    生命保険会社だの、いろんな所が公開してるが、高校まで公立だと、約500万。大学が私立だと4年間で530万。これを二人分、25年で割ると、82万。

    「はい、リンゴ8個分」

    モイラはもう、テレビの韓流ドラマに釘付けになっている。かなり上の空。

    「住宅費も出した?」

    神様はまた素直に電卓に向かう。

    中下家は賃貸派。子供が生まれる前から5年間、家賃7万のアパートに住み、その後、3LDK、家賃12万に引っ越す。これを25年で割る。

    「うわあ。リンゴ13個。」

    「次、家電は?」

    韓流ドラマもクライマックス。モイラの注意はほとんどリンゴには向けられていない。もちろん、神様なんて眼中には無い。

    25年間に中下家はエアコン5台。冷蔵庫2台、テレビ4台、洗濯機3台。。。。っと、ざっと120万円分購入している。これに家具。全部入れて250万

    「りんご1個かな」

    「ありがとう。さすが神様」

    韓流ドラマが終わり、余韻にひたりながらモイラは答える。実は上の空なんだが、神様は気を良くして、つけくわえる。

    「レジャー費とか洋服とか、計算する?」

    「めんどくさいからいいわ。どうせ中下さんちだとリンゴ1個もいらないでしょ。」

    たしかに中下家はそんなにおしゃれじゃないので、衣服費はいつもユニクロ。どっちみち、こういうのは、余裕のある家はゴージャスだし、余裕が泣けりゃ質素。家計への脅迫的な圧迫は無い。

    なので、まあ、無視でも良いんだろう。

    ところで、ついでにもうちょっと、このお仕事について補足しておこう。リンゴ経済、おされ〜な言い方で言えば、リンゴノミクスにはたとえば税金とか細かい予算は入ってこない。もともと多くの人間が出さざるをえないようなものの個人差に関する指標なのだ。経済の神様は、これを最後の審判の時に上司に提出しなきゃいけない。この時、リンゴノミクスがどんな風に使われるかは分からないが、とにかく、これが経済の神様の仕事なのである。

    .

    ざっとまとめると

    .

    食費 6

    携帯電話 2

    車 4

    住居 13

    教育 8

    家電 家具 1

    .

    合計34個のリンゴ。

    これが、中下家の欲望の資金。

    .

    「コーヒー入れましょうか?」

    モイラは25歳の見事なプロポーションを誇示しながら、優雅な身のこなしでキッチンに向かう。

    「さすが、経済の神様って計算が速いわ〜」

    神様はすっかり気を良くして鼻の下をのばしている。

    「じゃあ、次の中田さん、お願いね。」

    神様って、褒められると何でもやるモノだ。だからお賽銭挙げる時とかも、一応褒めてからお願いすると良いかもしれない。

    .

    ってワケで経済の神様、中田家のデータについて電卓をはじき始めた。

    中下さんよりか、ちょい年収は高いかな。でも家族構成は同じ。

    .

    食費 6

    携帯電話 2

    車 4

    住居 16

    教育 9

    家電 家具 2

    リンゴ39個

    .

    ざっと、こんな感じ。

    まず、ちょい、違うのが、ここんちの子たちは高校から私立。でも、それは大した違いじゃない。

    大きく違うのが、家だ。中田夫婦は結婚当時は2LDKの賃貸マンション。家賃は10万。子供が1歳の時、マンションを購入した。3000万だが、頭金、1000万。ここに5年住み、この間に30年ローンで組んだ返済額が年、100万で150万支払った。でも元金はほとんど減っていない。結局2000万で売却し、5000万の一戸建てを購入。3000万のローンを組んだ。(これはローンなので、完済するとなると利子がついて倍額になる)これを25年で計算するのはアンフェアなので、神様の外見的年齢、50歳 ーー 50年で計算することにする。一戸建て購入当時35歳の中田夫婦にとっては、85歳までの住処ということだし。

    ざっと計算すると、50年リンゴ16個分。

    で、家具や家電は、この引っ越しと住居水準に伴って購入するんで、ちょい、高くなる。

    .

    「あら、意外ね。」

    モイラは胸にかけたゴージャスなペンダントをもてあそびながら、言う。このペンダントは、トロイア戦争の前、友達にリンゴを1個横流しするお礼に。。。というか交換条件として、もらったものだ。1個だから10万程度の品なのに、この後、リンゴを巡って戦争にまでなったらしい。ってのはともかく。

    「中下さんより、中田さんの方が断然リッチに見えてたけど、そうでも無いのね。」

    「そういえばそうだよなあ。」

    経済の神様の脳裏に色っぽい中田さんの妻の姿がよぎる。

    モイラはテーブルの脇に転がってる水晶玉に手を伸ばした。小指の先でちょん、っとつつく。水晶玉の色が変わって、中田さんの家が映し出された。

    「このソファ、良いわよねえ。うちも欲しいな。」

    そう言いながら、経済の神様の方に流し目を送る。神様の表情がなぜか恐怖に変わった。

    「あ、ああ、でも、センス悪くないかな。」

    「そうねえ、もうちょっと明るい色の方が良いかしらね。」

    神様の表情にほっとしたものが見える。

    水晶玉には、中田さんの家が映し出されていた。個人情報保護法だの何だの言ってるが、魔女なら誰でも水晶玉の一つや二つ持っている。他所の家を覗くぐらい朝飯前。こうやって見られても恥ずかしく無いように、家の中は常に整理整頓を心がけたいモノ。。。っというのはともかく、中田さんの一戸建ては4LDK。ちょっと郊外だが、二人の子供達もそれぞれの部屋を持ち、リビングも広い。中下さんの文化住宅的賃貸マンションとはかなりの差がある。

    「でも、まあ、いいわ。じゃあ、つぎ、中上さんの計算、やってくれるわよね。」

    「は、はい。」

    .

    雰囲気的に二人の関係性において、魔女が優位なのが見て取れる。この原因は何なのか分からないが、まあ、それはおいておくとして。中上家のリンゴノミクスを見てみよう。

    .

    食費 7

    携帯電話 2

    車 5

    住居 18

    教育 10

    家電 家具 2

    リンゴ44個

    .

    中上家も同じ家族構成。妻は近所でも評判の美人で、か〜なりリッチっていうイメージの家族である。妻の美人度を根拠に、自分たちは中流じゃなく上流だと思ってるフシもある。ただしこの根拠、夫の頭部の残念さが否定的な要素を加えていることを付記しておきたい。

    子供達は中高一貫私立に通い、車は外車(ただし低価格仕様車)。テーブルに並べられるメニューは他家族とそれほど差は無いが、購入場所が高級スーパーなので、かなり高い。

    さて、この家族に自分たちは上流と勘違いさせる大きな根拠になっているのが、住居である。

    二人は両家の支援のもと、結婚時に3000万のマンションを購入。5年後に2500万で売却して、5000万のマンションに引っ越す。ローンの年間支払額100万。また5年後に4500万で売却し、郊外に6000万の一戸建てを購入。ローンは1000万。損得で言えば50年で9000万。

    モイラの水晶玉には中上家のリビングが映っている。

    「やっぱり、このソファ、いいわあ。」

    神様の顔色が変わる。

    「でも、ここにソファ、置くと狭くなるよ。」

    っと、言ってしまってから、「しまった」という表情になった。

    「そうよねえ。ここ、狭いから。もっと広い所が良いわよねえ。」

    モイラは神様に流し目を送る。

    「さ、さてと。」

    神様は電卓を置いて、立ち上がった。

    「あら、もう、帰るの?」

    「あ、ちょっと用事を思い出した。今日のリンゴ、黒猫便に出しておこうか?」

    声が震えている。

    「いいわ。重いし。あとで取りに来てもらうわ。」

    モイラは平然と答えた。

    どの籠にも40個ほどのリンゴが入っている。3つ合わせると100個を超える。今日の3人はこういう量だったが、昨日の3人、下田さんたちのはもっと軽かった。だが、多くの家がおよそ40個弱。都会人は車が無いので、もっと少なかったりする。

    リッチかビンボーか、概ね住居費のリンゴで決まるが、でも、その差、実はそれほど大きく無い。中田さんと中上さんの差は2個。これは携帯電話のリンゴと同じ数だ。でもって、リッチそうに見える家とそうでない家との差は、たかだかリンゴ10個。元値は年間100万。もちろん、これは年収とは関係無い。12万の賃貸マンションの生活と郊外の一戸建てのゴージャス生活の維持費とでは大きく違うし。ただ人がリッチに見えるかビンボーに見えるかのちょっとした指標であり、本人達の欲望の係数でもある。ってワケで、これが最後の審判の時の参考資料になるワケだ。

    .

    細い階段を経済の神様が降りていく音がする。

    明日もまた、こんな風にヒトの運命は決められてゆく。かなり大雑把だが、人生なんてそんなモン。

    .

    モイラは傍らにあった、通販カタログのソファのページをめくる。

    さっきの中田さんちのリビングにあったソファが出てる。

    「なんだ。意外に安いじゃん。リンゴ2個は多かったんじゃないの?」

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    2013年4月16日 (火)

    お酒はお酒

    最近、ノンアルコールカクテルってあるけど。。。
    アレ、ネーミング、どうなんだろう。
    .
    .
    味としては、すごく好きだけど、
    でも、ノンアルコールだから、子供でも飲める。
    今はまだ、ノンアルコールでもお酒のカテゴリーで売ってるけど。。。
    あのおいしさが、コドモにバレたら、
    みんな飲みたくなっちゃうよね。
    大人だけって、絶対、ズルいじゃん。
    .
    ってコトになったら。。。
    子供のアルコールへのハードルが低くなってしまいそう。
    .
    もっと、ネーミングを検討すべきじゃないかな。
    .
    ノンアルコールじゃなくて、清く正しい清涼飲料水として販売して、
    ソフトドリンクとして、お酒の場でも飲めば良いのに。
    .
    たとえばさ、こういうの、あったら良いのに。
    .
    最近、居酒屋さんでは、
    ナントカサワーとかって、生のグレープフルーツとか、グラスの上にドンと載って、
    それに、絞り器とかが添えられて出てくる。
    一昨日行った所も、
    生絞りパイナップルサワーって頼むと、
    丸ごと半分のパイナップルがドン、っと出てきて、びっくりした。
    でも、丸ごと半分のパイナップルをその場で絞ったジュースって、
    おいしいよね。
    アルコールじゃなかったら、コドモでも喜びそう。
    でも、なぜか、そういうソフトドリンクのメニュー、見たコト無い。
    でも、炭酸水と割ってもおいしいはずよね。
    .
    もちろんさ、
    カシスマンゴーとか、ファジーネーブルとか。。。
    カルーアミルク。。。
    ジュースとして、おいしいに決まってる組み合わせじゃん。
    .
    .
    で、
    こういうチョーおいしい系のジュースを、
    ヘタに「ノンアルコール カクテル」じゃなくて、
    何か、おされ〜な、ネーミングにして、
    いつでも楽しめる、デザートドリンクみたいな位置づけで、出せば良いのにね。
    .
    でもって、居酒屋さんも、
    「ノンアルコール」なんてネーミングやめて、
    堂々と、
    ソフトドリンク
    っていう、メニューにすれば良いのに。
    .
    .
    やっぱし、お酒はお酒、
    ちゃんと、別モノっていうハードルを高くしなきゃ。
    子供たちからの抵抗感が緩くなってしまいそう。

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