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2014年11月 5日 (水)

市場とはそういうもの

確かに、国の放射能の基準で、癌になったりしない。住んだって食べたってそうだ。
鼻血が出ただの、甲状腺異状だのが放射線のせいだって、嘘だ。少なくとも因果関係は立証できない。そして、福島の事故で国の基準以内で暮らし、食べている人たちの90年後の平均寿命、発ガン率には、全く差が無いだろう。

しかし、コレと市場の原理とは違う。
私たちが食べてきたものは、そんな理屈じゃ無いのだ。
身体に良く無いと思っても食べるし(喫煙だってするし)
身体に良いなんて、分からなくても高額を払って食べる。

普通のトマトは1こ100円。
でも、有機肥料のトマトは300円。でも、皆、ありがたく購入する。
どの街にも、こういう自然食品を売りにして、高額の野菜を売る店はあるし、(ウチの近所になんて何軒もある)多くのスーパーが、そういうコーナーを設けている。

でも、有機肥料のトマトの栄養価やその他、糖度や栄養価官能テスト。。。きっと比較しても差は無いはず。たしかにおいしいだろう。だけど、そのおいしさは、300円という付加価値のおいしさだ。100円で売るトマトは、98円のトマトに負ける。70円のトマトには惨敗してしまう。価格で競争すれば利潤はどんどん小さくなる。
だけど、300円のトマトは価格が大きい分、純利益は大きい。同じ市場状態であれば、1個売って3倍(3個分)の儲けになる。手もかけられるワケだ。手をかければ、おいしいものができる。コレ、多くの人が知ってる通り、農家さんは、お米なんて、市場に出すのと別に、自分の家用にとびきりおいしいのを作ってるんだよね。時々、いただくとその差にびっくりする。手のかけかたでおいしさが違うって、そりゃそうだ。
って、ハナシがそれたけど、農作物のおいしさって、そういうものだ。

記事の農家は、こういう特別なお米を作って、
契約農家に売ってるってコトだ。
こういう農家は全国にいっぱいある。ネットでちょっとググっても分かるよね。

で、もちろん、高い。
お米って例えば生協では、5キロ1800円ほどだ。
聞くと、5キロ、1000円でもあるらしい。

ところが、契約販売されるお米は、1万円とかザラにある。
たしかに、おいしいんだろう。だけど、一番安いものとの差が10倍!

この価格差の価値観は想像できるだろうか。
桃なんかもっとすごい。
スーパーで買うと1個100円
高いのは、桐の箱に入って1個2000円
メロンも、マンゴーも。。。。
こういう付加価値で勝負した農業はいっぱいある。

っていうか、それがこれからの日本の農業の命綱だ。
TPPがどうのって、関係なくても、海外から安いものがたくさん入ってくる時代、
私たちは、日本の安全な食品を食べたいと思う。

ところが、おいしさは知覚できるからともかく、
「安全な」なんて本当は形が無いものだ。別に中国製野菜を食べた人が、死んだり、他の人よりも病気になる確率が高かったり、平均寿命が低かったりしない。だけど、我々は国産の方が安全だと信じている(事故率は少ないからというのは分かるが、事故率の割合って、個人としては無視できるほどでしかない)
だけど、私たちは日本の野菜を選ぶ。すずめもそうだ。

なぜなら、理由はシンプル。
気持ちが良いからだ。
気持ちが良ければおいしいと感じる。
そこには、大きな価値が有る。
100円のトマトに300円出してもいい
1000円のお米を1万円で買っても良い。

福島が東電によって受けた被害はそういうものだ。

今、水俣の海は、改善されて、
日本の海100選に選ばれるほどだ。
だけど、私たちは、水俣の刺身なんて、買うだろうか。
日本の海100選の魚だったら、さぞ、高く売れると思うけど、
水俣の刺身は、もう、「水俣」という名前を冠したら、付加価値は付けられない。

同様に、スーパーで1000円で買えるお米に、
数倍以上の値段を出して、気持ち良いお米を買っていた消費者にとって、
福島のブランドはもう、通用しない。
5000円出すなら、新潟産か、高知産の最高級を買う方が気持ちがいいと思われても仕方ない。食べて応援というなら、こういう付加価値の商品、高額商品を買ってあげれば良い。
あなたは、本当に、お米に何万円も出すか。
1個2000円の桃を買うか。本当の問題はそこだ。
2000円の桃は、ギフトだろうけど、それを赤ちゃんのいる家にプレゼントできるか。2000円のギフトだったら、宮崎のマンゴーの方が喜ばれるだろう。

これが、市場というものだ。
これを払拭しようとしたら、
莫大な広告費を、何十年投資して、人の観念を変えていかなくてはならない。
(この場合の広告費は何もホントに広告を作るっていうんじゃなく、パブリシティのようないろんな目に見えない活動にも、広告会社に依頼してお金を払うってコトだけどね)

水俣のイメージは、60年たった今も、
払拭できない。
福島が被った被害は、そういうものだ。


記事中の農家さんの主張は正しい。


原発ADR 農家3人を門前払い
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3126824 

◇審理で「東電が合意できないものは取り扱わない」

 東京電力福島第1原発事故で汚染された農地を事故前の状態に戻す「原状回復」を求める福島県内の農家3人が、裁判外で紛争を解決する手続き(原発ADR)を「原子力損害賠償紛争解決センター」に申し立てたところ、センター側が和解協議の対象外にしていたことが分かった。審理で「東電が合意できないものは取り扱わない」と説明したという。幅広い分野の賠償問題を対象にするはずの原発ADRが、和解協議に入る前に訴えを「門前払い」にしている実態が浮かんだ。【高島博之】

 センターの上部組織「原子力損害賠償紛争審査会」は、賠償対象となる項目を「指針」として示しているが、センターの発行する被災者向けの「手引」には「(指針にとどまらず)個別事情についても対応する」と記載。線引きせずに対応することになっている。

 3人は大玉村の鈴木博之さん(64)、二本松市の渡辺永治さん(65)、猪苗代町の武田利和さん(64)。いずれも専業農家で、9~40ヘクタールで稲作などを行う。農薬や化学肥料の量を厳しく制限した特別栽培米などを作り、全国の消費者と直接契約を結び販売。「日本一の米作りを目標にしてきた」(鈴木さん)

 原発から約60キロの鈴木さんの農地では、放射性セシウムを1キロ当たり1万6200ベクレル(2011年12月1日)検出。同じく約60キロの渡辺さんの農地は6090ベクレル(11年8月2日)、約80キロ離れた武田さんの農地は1450ベクレル(12年1月26日)だった。生産した米はすべて国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回るが「約300人の契約者から解約が相次ぎ一時は約100人に減った」(武田さん)。3人は12年4月、原発ADRを申し立てた。

 請求内容は風評被害による減収分の賠償と、農地の原状回復費用(約30億円)など。上下の土を入れ替える「反転耕」では空間線量は下がるが農地に放射性物質が残る。表土を削り取っても新しい土は追加されないため、土壌入れ替えを求めた。富山県の神通川流域で発生したイタイイタイ病で汚染された農地の土壌入れ替え費用が1ヘクタール約4670万円だったことを基に、費用を算定した。

 東電は12年5月、答弁書で原状回復費用の支払いを拒否。するとセンターは同10月の第1回口頭審理で、和解案を作成する仲介委員(弁護士)が「東電が合意できないものは触れない」と和解協議の対象外にしたという。

 13年5月に示された和解案には減収分などの金額だけが記されていた。3人は和解案を受け入れる一方、原状回復を求め裁判を起こすことを決めた。

 さらに5人の農家が加わり8人が今年10月14日、福島地裁郡山支部に提訴。請求額を「算定不能」とし、放射性セシウムを1キロ当たり50ベクレル以下にすることを求めている。鈴木さんは「減収分は過去の損害に対する賠償。原状回復してもらわないと、毎年賠償請求し続けるだけになり、未来が見えない。センターは農業を分かっていない」と批判。センターは「個別の案件については答えられない」としている。

 ◇手続きの限界示す

 原発ADRでセンター側が和解案を示し、それを東京電力が受け入れずに暗礁に乗り上げている事例は過去にも明らかになっている。しかし、和解協議の対象にさえせず門前払いにするのは異例だ。

 福島大の小山良太教授(農業経済学)は「『農地を元通りにしてほしい』との要求は当然であり、原発事故被害の根本的な問題だ。センター側が協議を拒んだのは、東京電力が受諾しないことが想定されたことに加え、同様に汚染された数多くの農地の賠償請求につながっていくことを懸念したのではないか」と指摘する。そのうえで、和解協議の俎上(そじょう)に載せなかった点について「東電の主張に関わらず時間をかけてでも協議すべきだった。切実な訴えにしっかりと耳を傾け、賠償の可能性を探るべきだ」と話す。

 原子力損害賠償制度に詳しい東京経済大の礒野弥生教授(行政法)は門前払いの理由が「東電が合意できない」ためだったことに注目し「原発ADRの限界を示す事案」と語る。東電が受け入れる姿勢を見せないと、ADRでは解決できなくなるからで、礒野教授は「東電に和解案の受諾義務を課すような方法を考えなければならない」と語る。そのうえで「原状回復費用についてはADRで協議しお互いの納得できるところを探る方が、裁判よりも早く解決するはずだ。このような問題こそADRで取り扱うべきだ」と指摘した。センターへの賠償請求手続きを数多く手がける弁護士からも「手続きの冒頭から和解の対象外とする審理は問題がある」と批判の声が上がっている。【高島博之】

 ◇農地の除染

 旧警戒区域と旧計画的避難区域および空間放射線量が毎時0.23マイクロシーベルト以上の地域が対象。環境省のガイドラインによると、放射性セシウムが土壌1キロ当たり5000ベクレル以下の場合、上下の土を入れ替え(反転耕)、5000ベクレル超は表土を削り取る。福島県では4万4808ヘクタールの農地の除染が計画され、9月末現在で約半分が終わった。福島県から出荷するコメは全袋検査され、放射線量が国の基準値を下回っていることが保証されている。

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