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2013年2月12日 (火)

デッサンの方法論/視覚と脳でつくる錯視  その3

続きの3つめ

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次は、

いかに騙すかというテクニック。

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先ず、

円柱

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右から光が当たっているので、右が明るい

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と、こんな感じ。

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Dench1

モンクある?

無いよね。円柱になってる。

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わざと、一緒に目に入らないように、空けてみる。

(スクロールしてください)

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もう一点、下に画像をいれています。

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さて、普通の子供は円柱の陰というと、ここまでかな。

しかし、もうちょっと上のランクになると、最初に習うテクニックがある。

反射光

円柱の一番暗い部分の向こうも向こう側に回り込んでいる。

向こう側の反車光を描く。

具体的には暗い部分の一番端がちょっとだけ明るくなる。

また、右の端には、本当は向こうへ回り込んでいる部分がある。ここは光が弱くなっているので、ほんの少し陰になる。

こんな感じ。

ね、全然、リアルになったでしょ。

 

Dench2

(上の説明は正確には『反射』では無い。なぜなら、ここでは円柱の後ろに何も無いので、単なる回り込みの光。しかし、円柱は普通は床に置いてあったり、円柱の後ろには壁があったりする。回り込みの光はそれを反映したものであり、後ろからの光などは、反射と呼ばれることが多い)

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光の鉄則。

一番暗い場所の向こうには、

少しだけ明るい光の部分がある

一番明るい所の続きにはちょっとだけ暗い部分がある。

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実はコレ、いつも本当にあるとは限らない。だけどコレを描くと、グンとリアルになる。ウソで脳がごまかされてくれる。

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ここがデッサンと写真との差。

写真だとそれほど、この回り込みの光は出て来なかったりする。(もちろん出ることもあるが、いつもこんなに強いとは限らない)

だから、プロカメラマンが写真を撮る時には、後ろや下にいろんな色の板を入れてこのような光を作って、輪郭を出そうとしたりする。

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だから、この回り込みの光は、

本来、非常に微細であるか、無い、もしくは無くてもよいもの。

それを強調するということはウソになる。

だけど、こっちの方がリアル。

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上の二つの円柱も、

現実界では同等に存在する。リアリティに差は無い。

だけど、下の方がリアルに感じるということに、誰も異論は無いだろう。

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嘘の方がリアルなのかもしれない。

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もう一度、比較してみよう

Dench1_2  。Dench2_2

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すずめ的にこの反射光のテクニックは、

3次元の2次元上への表現だと思っている。

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3Dの映画は右目と左目のちょっとしたズレを感じる事によって「立体」に勘違いさせてくれる。前に飛び込んできた鳥を、あたかも手で捕まえられるかのように錯覚させる。右目と左目のズレが私たちの脳に鳥の位置を特定させ、それによって、「ここ」に「有る」感じを表現する。

右目と左目の情報の差は何だろう。

もし、こういう円柱だったら、右目で見た方が左目で見るより、少しだけ右側の後ろの回り込んだ部分が多く見える。

この情報量の差が、見る人と物体との距離関係を特定させてくれる。

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円柱の暗い部分の後ろの反射光はまさに、このズレを表現してるんじゃないだろうか。もちろん3Dにできないので、反射として強調させることによって、フェイクの3Dにして。

.Demo1_2

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モリエールの鼻の下。

本当は真っ暗なはず。

Dmo2

だけど、石膏は白く、白い石膏が作る「反射光」がある。

鼻の下が鼻に反射して白っぽい。

ちょうど鼻は輪郭を描いたような影になっている。

これが反射。

こうすることによって、鼻がより高く、立体感がリアルになる。

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補足ですが。

二つの円柱は側面のグラデーション以外、天面の色も形もすべて同じです。

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さて、これは、石膏像でも言える。

たとえば、このデッサン。

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