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2012年7月29日 (日)

脱原発 嘘を整理したい

脱原発 嘘を整理したい


まず、大きな嘘

原発を止めればみんな健康になって、世の中バラ色

真実:
原発を止めても原発を推進するのと同じだけのリスクやデメリットがある。

それでも、すずめは脱原発を支持する。


---

それぞれに対して、
(近い将来は嘘 遠い将来は解決できるかも)
(近い将来は嘘 遠い将来も嘘)
というのを補足。近い将来は今年の夏、来年の夏あたりまで


嘘1:
原発の周りでは白血病が増えてる。原発のせいでみんな癌になって死ぬ。
(近い将来は嘘 遠い将来も嘘)

このようなデータがあるという論が多くあるが、実際に原文(論文)を読むと嘘。そんな事は結論づけていなかったりする。
http://d.hatena.ne.jp/buvery/20110608
(ここには何本ものペーパーの解説がある)

結論を言えば、
低線量放射線の健康への影響は証明されていない。「仮に」あったとしても、計算できないほどの小さなものであろう。

嘘2
電力は足りる。
(近い将来は嘘 遠い将来は解決できるかも)

足りるようになるかもしれない。しかし関西のこの夏は無理。関西はこの間まで原発依存率は5割。節電でまかなえる訳がない。(ただし来年は努力次第)


嘘3
電力は火力で代替すればハッピー
(近い将来は嘘 遠い将来も嘘)

これが、最大の嘘。
ざっと、今まで、火力3原発4水力その他3
その中の火力を7割にするということは、これまでの倍になる。

ただし、

http://livedoor.blogimg.jp/kazu_fujisawa/imgs/a/4/a40c81d4.png

一次エネルギーとして考えれば(要するに輸入量)として考えれば、石油は発電用は大きな割合ではない。(発電用の原料として、石油を減らせという合意のため)問題は天然ガスだ。見ての通り、上の表の一番左側の原子力の色をそのまま天然ガスと石炭に置き換えることになる。ざっと、天然ガスの量がそのまま倍になる。
こんなコトが簡単にできるというのは「嘘」だろう。
(近い将来は嘘 遠い将来は解決できるかも)


二酸化炭素諸悪の根源説は嘘だとすれば、温暖化に関して無視すれば良い?かもしれないが、本当だとすると、日本の原発による3割だと言われている。二酸化炭素を出さない火力プラントができるかもしれないのは、ずっとずっと先(近い将来は嘘 ものすごく遠い将来は解決できるかも)

天然ガスハッピーの嘘:(近い将来は嘘 遠い将来も嘘)
天然ガス産出国は、旧ソ連と中東諸国。
誰でも思い浮かべるまさにキナ臭い、国際紛争の火種となってる国々だ。こういう所から、日本はこれから、倍の天然ガスを買い付けしなければならない。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:世界の天然ガス地域別確認埋蔵量_2005.PNG

今まで、この手の国々での「戦争」に日本は矢面に立って来なかった。誰でも知るように、この手の国々での紛争の背景には資源争奪戦がある。日本は、これからも距離を置き、もし、排除されても、諦めて引き下がることができるか。もしくは積極的に参戦して資源を確保するつもりなのか。きれいごとでは済ませられない局面になる。


嘘4
代替エネルギーには簡単に移行できる
先ずは、これは遠い将来の「目標」として設定すべき。
明日に間に合うわけでなく、しかも、経済的負荷は大きい。そのためにも、我々は現在の日本の経済力を死守しなければならない。

嘘5
原子力ムラが諸悪の根源(近い将来は嘘 遠い将来も嘘)

確かにそうかもしれない。しかし、原子力を止めたら、それが単に「天然ガス石油争奪ムラ」に移行するだけだ。そのメンバーには武器商人すらいる。今までのように、「もしかして核兵器を作るかも」というような漠然としたものではない。天然ガス輸入過程で、原料を確保したり、海賊を撃退するため。。等という、ストレートで、現物が飛び交うリアリティのある局面になる。

さて、
じゃあ、本当の目標は何か。

原子力発電を火力に変えることじゃあない。
代替エネルギーに替えて行くことだ。

これが簡単にできるというのは大嘘だ。
推進派さんたちが主張するように、太陽光発電プラントの発電量は小さい。メタンハイドレートなどは技術的にも解決していない問題もある。実用化されて、実際の商業的発電ができるようになるまで、何年もかかる。地熱は技術的には解決しているかもしれないが、地域的にできるところは限られていて、プラント建設に至るまでに何年かかるか。。見通しさえ無い。
いずれにしても、その推進には経済的負担が大きくある。
突っ込む人はいないだろうけど、一応書いておくと、原発は確かにその建設コストから考えると高いけど、今に及んではランニングコストとしては、安いというのは事実。代替エネルギーには、今から、初期投資をしなければならないのだ。これは安く無い。推進のためには、個人の負担だけでなく、莫大な税金を使っての補助も必要だ。
たとえば、今でも(自治体によって違うが)太陽光には一家庭あたり100万円近い補助がされているわけだが、これでやっと個人の負担が100--300万になる。こういう負担を、「全員が」負う覚悟があるかということだ。
これが、簡単だと言える人間が、どれほどいるか?

だから、
死守すべきは、今の経済力だ。これ以上のばすことは難しいだろう。だとしたら、今より下げてはならない。国民がバタバタ失業してったら、100万の太陽光発電なんて買えないし、税金すら払えない。

だから、
どう、上手に、原発から脱していくかということだ。単に止めさえすれば解決じゃない。
経済的負荷を、最小限にして、ソフトランディングさせていくことが最重要だ。

それには、まず、
原発停止至上主義 がやってるような、
短絡的二項対立を止めることだ。
何が本当に重要なのかを、まず、見極めること。
再び間違いをおかさないために。

私たちは、
これから先、自分の目先としては、
環境負荷を減らして、
自宅に太陽光発電が付けられて、
税金をしっかり払っていけるような、
仕事をしていかなくてはならない。
そういう生き方の選択を迫られているということだ。


原発を止めさえすればバラ色じゃない。
それでも、
私は 脱原発を支持する。

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コメント

太陽光発電をした電力を電力会社の電気料金よりも高い価格で電力会社に売電することができる。
その差額は電力会社が電気料金に上乗せする。
従って、太陽光発電をしていない人々が負担しなければならない。
その結果、普及すればするほど、貧しい人々はますます貧しくなる。
その上、国や自治体が税金を使って太陽光発電設備の設置に補助金を出している。
太陽光発電をしない人々はその税負担もしなければならない。
このような、貧乏人にしわ寄せがいくような制度は廃止してもらいたい。

投稿: どじょう | 2012年7月29日 (日) 13時33分

どじょうさん、コメントありがとうございます。

おっしゃると通りの論点が存在すると思います。
そして、おっしゃるような論が今は少数派になってしまい、「悪」とすら言われてしまうことに、懸念を感じます。今の原発イコール悪という短絡思考は、かつて小泉内閣時代に国民が90%支持率で犯した間違いと似ているようにも思えます。

それと同時に、
それでも良いとする論点も存在します。

この二つのうち、どちらを選択するか。

結局は、私たちが社会に何を望むかということだと思います。これを多数決で決めてしまうのは、本当は間違っていると思いますが、
もし、

これを多数決で決める事
おっしゃるような犠牲を払ってでも脱原発する

という事が決まれば、
それは一つの民意としての結論です。

とにもかくにも、
意見を言う場が作られたということです。
イコール、言わない主張が通らないというのは、
言わない人間の責任でもあります。

それぞれが、自分の論を主張すべきだと思います。

投稿: | 2012年7月31日 (火) 12時01分

「死守すべきは、今の経済力だ。」全く同感です。ですから、当面は原発に依存せざるをえないわけですね。

そして、代替エネルギーは核融合しかありませんよ。もっとも、その核融合が実用化できるのは、早くても50年後でしょう。

つまりは、今後50年とか100年とかは、原発に依存し続けなければならないし、脱原発はその後ということになります。

投稿: αβ | 2012年8月16日 (木) 00時21分

はじめまして(*^_^*)
[人は「近い将来の嘘」を好み、「遠い将来の真実」好む]とう言う言葉をどこかで目にしたので、確かめようと検索したら、すずめさんの日記にヒットしました。

「原発を止めさえすればバラ色じゃない。
それでも、
私は 脱原発を支持する。」
わたしもです。
リスクはどちらにも存在するなら、脱原発を支持したいです。

おじゃましました。
それから、もう一人のすずめさんを知っています。
だからなんとなく親近感があって(*^^)v

投稿: えっちゃん | 2014年5月14日 (水) 19時04分

えっちゃんさん、
コメントありがとうございます。

この日記を書いてから、もう、2年近くになります。

最近は、この日記で書いた「近い将来」「嘘」は、多くの人にも認識されはじめたようで。。。
たとえば、「美味しんぼ」の騒動でも、多くの人が「鼻血は嘘」っていうのを理解していますね。

脱原発派は「嘘をつくな」「本当のことを言え」を主張していました。
癌になるから反対だと。それが非科学的だと言われてしまったら、主張の論拠を失います。
それが一番の脱原発論の弱さであるということを、2年前、主張したかったのでした。


原発推進 脱原発。
両方とも、価値としてイーブンです。
だけど、私は脱原発を望みます。

投稿: | 2014年5月15日 (木) 00時01分

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