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2012年3月 1日 (木)

都市化

都市化について
具体的な事例を入れて書きなさいって小論文、
やってみた。


現代は、都市化が進んでいるといわれる。これはどういう事を意味するのか。逆に考えてみた。都市化が進んでいるというのは、過疎の場もできているということでもある。

過疎によって、どのような事が起きていくか。
何週間か前、地方の離島で救命士が気管挿管に失敗したのに届けなかったというニュースがあった。なぜ、こんな問題をこんなに大きなニュースにしてしまうのか。地域の中で穏便に片付けることはできなかったのか。
この問題には大きな背景がある。地方と都市との救急に対する意識の違いだ。
都市部では8分で到着する救急車も、地方では、数時間も待たなければならないことすらある。雪で道路が封鎖されることもある。ドクターヘリも台風では飛べない。
そんな場所での救急に対するニーズは都市とは全く違うはずだ。にも関わらず、救急のルールは都市である中央で作られ、都市と同じルールを地方でも適用させられている。
都市化によって、日本中すべての場所が、都市スタンダードでの運用を迫られる。

もちろん、政治の仕組みは、地方の要望をすくいあげるべく、いろいろな方策を立ててはいる。地方でも、誰か声を上げる人がいるかもしれないが、その声も中央とのパイプがあってこそ。しかしこうした法律は全国一律だ。そうなると、人口の多い場所が強者となり、その論理ですべてが決められることになる。
都市化の持つ問題、それは、強者である都市のスタンダードに地方が飲み込まれて行く事でもある。

さて、更に考えてみる。
都市化とは、都市になっていく過程でのことだ。もともと都市であった場所には、都市化の問題はあり得ない。
それまで「田舎」だった場所が都市となっていく時、どのような問題があるだろうか。

阪神淡路大地震をめぐる生活保護受給者に関する興味深い話を聞いた。
被災した場所に住んでいた彼らの一つのモデル:
朝、起きると、街の喫茶店へ行く。そこでモーニングセットを食べ、新聞を読む。ひがな一日、そこで過ごし、帰りに銭湯へ行き、住まいの古い県営住宅へ帰る。そんな毎日。何とも極楽である。彼らはこうした費用をみんなツケで買う。月に一度、生活保護費が入ると、それをそれぞれに支払うのだ。彼らはマネジメントができない。その代行を地域の人々がしていたのだった。地域の人々は、少し足りないと思えば加減してやるなどという配慮もしていただろう。そういうアバウトさが彼らを支えていた。
震災後、古い県営住宅の変わりに、新しい県営マンションが建てられた。しかし、彼らは帰って来なかった*。彼らが住んでいたのは、地域のコミュニティの中であり、マンションという建物ではなかったからだった。
結果的に新しい都市は、弱者である彼らを追い出してしまったわけだが、方策は無かったのか。あるのかもしれない。しかし、それを法律だの根拠のあるルールだのという形にできるだろうか。問題を文書にできるだろうか。できないだろう。できるぐらいだったら、とっくにやっていたはず。
本当の問題は、文書や法律にできない、もっとナラティヴな部分にある。たとえば、地域の人たちのアバウトな支援のような。

都市化による問題点をもう一度、まとめてみる。
一つは、力の偏在。都市と過疎地域を同じ都市スタンダードで支配してしまうこと。
そして、こうした中にある本当の問題は、文書にできないナラティヴな部分があり、強者である都市の視点からは見えてこない。
どのように解決していくべきか。問題や人を一律に概念的な存在と考えず、多様性を持つものとして考えるということが出発点ではないだろうか。

*なぜ、帰ってこれなかったのか:新しいマンションには、エアコンも風呂もある。古い県営住宅よりも、はるかに良い環境ではあったが、電気代、水道代など、生活費用も跳ね上がってしまった。その支払も自動振込で、銭湯へ行く必要さえ無くなった。地域の人々が行っていたマネジメントの余地が無くなってしまったとも言え、縁が不要になってしまった。

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すずめ的妄想」カテゴリの記事

コメント

mixiから来ました。


何件かの記事を興味深く拝読させていただきました。どれも大変面白いと感じたので是非コメントさせて下さい。


都市化ですが、力の偏在化という着眼点が面白いと思いました。
二極化が進めば強者と弱者が生まれ、強者の論理で弱者が泣きを見る。このように私は理解しました。
似た話で、グローバル化も全く同じ問題点を持っていると思います。
効率を追求すれば行き着く先は同じということでしょうか。
4月から金融業に携わる予定なのですが、色々と考えてしまいます。

投稿: とめ | 2012年3月28日 (水) 02時10分

とめさん、こんにちは。

>似た話で、グローバル化も全く同じ問題点を持っていると思います。

おっしゃる通りだと思います。

http://suzume6.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/vs-1ec3.html

(実はこの日記、何年も前のものなのですけど。。。今、これが形になりつつあると思っています)


グローバルスタンダードっていうのは、
まさに、強者の論理。

コンピュータは、
世界を瞬時につなぎ、世界を一元化させましたが、
でも、
本当は、この逆も得意であるはず。

人は本来、多様なものであるはず。
そして、そのひとりひとりに、寄り添うこともまた、
コンピュータが得意な事だと思っています。

金融でも、それができたらいいのにな。

(もしかして、インドのノーベル賞はその例?)

投稿: すずめ | 2012年3月28日 (水) 12時21分

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