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2011年11月10日 (木)

トイレでお役所の世論調査

数年以上前のことだが、ちょっとした実験をやった。

視覚障害の人の一番困っていることの一つに、公共施設のトイレの男女の識別というのがある。
当たり前なのだが、これだけは男性も女性も間違えたくない。
だから、よほど分かっている所でない限り行かないというが、大体分かっていても、最終確認をしたいのだそうだ。
だけど、トイレの周りをそんなにべたべた触りたくない。(当時は点字表記などあまり無かった)

女性は、「匂い」で区別するのだという。女性用トイレは、なんとなく、ふんわりお化粧の匂いがするのだそうだ。
で、それがあれば、最終確認オッケーとする。

そこで、日本全国の「都道府県」のホームページに、こんなメールを送った。

「.....というワケで、視覚障害者へのトイレの男女別の識別の方法として、使用している洗剤か
、芳香剤を男女で変えるというのはいかがでしょうか。女性用はフローラル、男性用はミントか、無香料。特別に告知しなくても、ある程度連想で分かるのではないでしょうか。関係者に告知するだけで、全くコストはかからず、明日からでもできるはずです。」

そこそこ良いアイデア?
でも、私の狙いはこれをやって欲しいという所にあったわけではない。
すべての県に同文で送り、その県の反応の差を知りたかったのだ。

当時、まだ、ユニバーサルデザインというのは浸透していなかった。いくつかの県にようやくその手の担当部署ができたばかり。
そんなのが無い県もあった。
上のアイデアは、全くお金がかからない。しかも明日からでもできる。効き目があろうと無かろうと、シノゴノ言わず、やってみてもいいはず。そういう行動力のある県は無いだろうか...

それぞれの県の反応には、以下の種類があった。

1. そもそも、そういう意見をメールで受け付ける部署がない。(あったのかもしれないが、分かり難くて見つからなかった)
2. 全く無視。無反応。
3. しばらくたってから、「ご意見受け付けました。」メールが来て、後で考えますと書いてあるがその後は無反応。
4. すぐに「ご意見受け付けました。」メールが来て、後で考えますと書いてあるがその後は無反応。
5. しばらくして「イロイロ考えてみましたが...後述」
6. 忘れた頃に「イロイロ考えてみましたが...後述」

ちなみに、当時N県はマスコミでも人気の知事だったが、無反応。東京都も。
S県とS県には知り合いがいて、私が送ったコトがバレた。多少色よい反応はあったが、これは除外。
さて、「後述」とは。

ウチの県は、今、県をあげて、すべての施設のバリアフリー化に取り組んでいます。
トイレの男女別識別は、音声ガイドで対応します。

というものだった。
その理由は、「匂いでは不確実だから」

でも、普通に考えて,トイレに入るたびに、「男性用トイレです」とアナウンスされたら、恥ずかしいし不快だ。混んでいる所等、ずっとアナウンスされっぱなしになる。しかもトイレは、りっぱな公共施設にもあるが、街の公園にもあるのだ。これを全部音声ガイドでかばーする?いつになるのだろう。芳香剤なら、明日からでもできるのに。

思った通り、あれから何年も経つが、まだ、音声ガイドの付いたトイレなんて、殆ど見ない。(1、2度ある)

もうひとつ、
「有識者に聞いたが、匂いは不確実だと言われた」というのがあった。
後で知ったのだが、その有識者とは友人だった。
「え~っ!?アレ、すずめだったの?知らなかったから、そう言っちゃったよ(^^;」

さて、あれから6.7年?
今、同じ調査をすると、どういう反応が来るだろうか。

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