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2011年11月10日 (木)

お役所仕事でバリアフリー

ひとつ前に、三角マークのJIS化の話を書いたが...
昨日も、話していて、JISの話が出て来た。
高齢者に見やすい文字の大きさの基準。
薬のパッケージなんかに、文字を表示する時の目安。
ナ、ナント、24ポイント!
薬の瓶は小さい物が多い。こんな大きさも文字で表記しろと言われたら、商品名も表示できないことになる。
というか、商品名しか入れるスペースは無い。その他、禁忌などは書けない。メーカー名も内容表示も無しでオッケーということか。

JIS化に当たっては、きちんとしたリサーチと研究の裏付けがあってこそなのだが...どこがこんな結果を出した?(自粛)
その実験の方法を聞いてまた驚いた。かなり大勢の高齢者を被験者にした大規模な実験。だが...(自粛)
自粛部分は省略して、結果で考えても分かる。確かに高齢になると小さな文字は見難い。たとえば、新聞なんか、グレイの紙に小さい文字だ。しかし多くの高齢者が、何らかの方法で読んでいるのだ。その事実を考えると、このサイズが最小可読とは言えないだろう。

「科学的」なはずの研究結果が、こんなもので良いのだろうか。

じゃあ、どういう大きさがベストなのか。

すべての物に関してというと、イロイロ条件が違うので、たとえば、ここでは薬(市販薬の風邪薬など)のパッケージをイメージして書いてみる。

デザイナの立場から考えると、見えなければならないもの、見せたいものを大きくするのは、デザインの基本だ。
誰も、パッケージデザインの商品名を小さくしようとするデザイナはいない。小さくする時は、それはそれなりの理由と戦略があってのことだ。だから、高齢者に読んで欲しいもの、特にパッケージの商品名は目立つように工夫するのが当たり前だ。
だから、そんなの基準を示されなくたって、大きくしようとする。だけど、レイアウトの中で、どうしても、できないものがあるのだ。限られたスペースの中で、他の商品との差別化(識別の役にも立つ)の為に、ラインを太くしたり、色で表現する場所を確保したり...バーコードや製品のレギュレーションや、情報を入れなければならない。そういうものに食われながら、商品名の大きさを確保するのだ。
だから、ある程度この大きさは仕方が無いと思えるものが多い。(というより、マーケティング戦略まで考えると殆どかもしれない)
その上で...
高齢者であっても、ロービジョンであっても、アクセス可能なら、許容範囲ではないだろうか。
たとえば、ロービジョンであっても、ルーペで見えるなら、良いとする。高齢者であっても、老眼鏡で近づけて見えるならオッケーではないだろうか。常識的な大きさで書いてあれば。

ところが、常識的じゃない大きさで書いてあるもの。8ポイントとか(要するにルビよりちょっと大きなサイズ)の文字なんかは、どんなに近寄っても読めな人は多いはずだ。そんなのは止めようよ。少なくとも、高齢者向けは。

止めようよと言っても、全てに使ってはいけないわけではない。
デザインの中には、誰も必要としないけれど、入れなければならないものもある。私はそういう物は小さく見難くしてやるようにしている。全部が見やすく無くても良いのだ。要らないものは、見えないようにすれば、必要なものは目立って見易くなるのだ。
じゃあ、最初からそんな、誰も見ないようなものは、表示しなければいい。それはそうだが、滅多に使われないけれど、必要なものもある。また、絶対に不要だけれど、デザイナには変えられないオキテがあったりするのだ。

余談だが...
この、誰も見えないような大きさの文字で一応表示するというテクニック。
詐欺師様ご一行もお使いになるようなのでご用心。

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