« ロービジョンって | トップページ | グローバルvsユニバーサルそして »

2011年11月10日 (木)

ちゃんとあるちゃんとした評価

昨日、TOTOの開発関係者の講演を聞いた。
TOTOは障害者雇用に非常に積極的ということで、有名な企業でもある。
彼等は一般従業員として働くだけでなく、TOTOの擁するユニバーサルデザイン研究所のモニターでもある。
視覚聴覚、四肢障害、サリドマイド薬害被害者までいる。
彼等に、実際に子供を含む家族で、入浴してもらい、それをビデオに撮る。その細かな動きを分析し、手すりの有用性、位置など、具体的に製品を検証し、設計していく。
そこから、さまざまなヒット商品も生まれた。言うまでも無いが、ウォシュレットもその一つだ。
こうして細分化されたニーズが、製品となり、市場性も持っている。

何がすごいかと言うと、この、マイナーとも言われるようなニーズを取り入れた商品にきちんと市場性を持たせられていることだ。

我が家でも最近、2代目のウォシュレットを買った。
家電量販店に行くと、一番安いのは、2万円ちょっとである。
一方、高いものは、10万近い。
最低の機能をつけたもの。
それに、脱臭や省エネの機能をつけたもの。
操作パネルをリモコンにしたもの。
フタが自動で開くもの。。。というと、当然高くなる。

例えば...

操作パネルは、通常右側についている。右手で操作する所から来ている。しかし、左利きであったり、右パネルを操作する為に、姿勢を変えることが難しい人もいる。そういうニーズに応えるべく、操作板を無くし、リモコンにした。結果的に本体はシンプルになり、狭い中での掃除も楽になっているのではないだろうか。最低のものと比較して、2倍以上の価格に関わらず、売れている。(私が量販店で見た時の感覚では売れ筋の中心のようだった)

また、高齢者は腰をかがめて、便座のフタを開けるのが大変。昨今省エネが叫ばれる中、フタを占めてエネルギーカットすることは意味があるのだろう。人感センサーをつけて、人が近づくと、自動的にフタがあく。こんな機能、高齢者以外、欲しいと思わないかもしれない。しかし売れているようだ。(私が量販店で見た時もそういう印象があった。売れているかいないかというのは、データの入手が難しいが、判断基準としては多くの同様の商品が、継続的に良い場所に展示してある。ということになるだろう)

こんなあまりに細分化させてしまっても、市場性は小さくなるどころか、大きくなっている。

講師のT氏の言葉はエネルギッシュで、その後の懇親会でもとどまることはなかった。
製品開発のおもしろさ。
それは、ニーズをきちんと把握しているからこそ。ニーズは無限だ。
これも、ちゃんとした評価が出発点ではないだろうか。

もちろん、TOTOのような大規模な研究所、大掛かりな評価用実験装置など、おいそれと持てるわけがない。
だが、対照サンプルもやってみる。恣意的な要素が入らないように工夫するなど、公正な方法はいくらもあるはずだ。
論文にしようとしても、そういうのが無ければ落されるのではあるまいか。


でも、この評価は「ちゃんと」していますと言う、基準が無いのが問題だ。
ユニバーサルデザインには、「ちゃんと」した指針がある「はず」だが、どんなインチキでも肯定してしまうような力があってしまうのだ。だからこそ、ちゃんとした評価は大切だ。


判断する消費者としても、ちゃんと見なくちゃと思う。

|

« ロービジョンって | トップページ | グローバルvsユニバーサルそして »

ユニバーサルデザイン/ロービジョン」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1210811/42954671

この記事へのトラックバック一覧です: ちゃんとあるちゃんとした評価:

« ロービジョンって | トップページ | グローバルvsユニバーサルそして »