着衣泳研究大会、うおっちんグ~レポート
着衣泳研究大会、うおっちんグ~レポート
前にも書いた着衣泳の研究大会、この土曜日にあった。
駅を降りたら...なんだか屈強なおにーさんがゾロゾロ。。。チキンじゃなくてすずめだけど、会う場所によっては、目を反らしたい一団?
しゃべってる言語、東北系?関西系?っと、全国から来てる模様。
ってのは、ともかく。会場は、大入り満員。立ち見席もあって、
熱気に溢れてました。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=782608140&owner_id=12848274
ってのが前の日記。
さて、本題。
先ずは、着衣泳の歴史と現状って基調講演。
奈良の小川の夕暮れはみそぎそ夏の印なりける
って、昔の人もすなる水泳。
でも、日本では救助などの体制ができたのは、昭和10年。
あまり、水難を減らすことには関心が無かったのかもしれない。
海外の研究でも、第二次世界大戦一年目の戦死者は弾丸に当たるかその他の死んだ者より、溺れて死んだ者が多かったという。
日本でも、壇ノ浦の戦いでは多くが入水して死んでいる。
講演では昭和53年の新聞が紹介されていた。
「何かが欠ける日本の水泳教育」
この頃の水の事故の犠牲者の数(年間)。
ニュージーランド 3人
オーストラリア 16人
ところが日本は 1?00人。
正確な数字は忘れたけど、千何百人。って、コレ、いくら、文化だの地理的差、人口なんかあっても大きすぎない?
昭和40年の半ば、日本は文部省が音頭を取り、すべての小学校にプールを設置した。しかし、そこで教えられてきたのは、「競泳」。バタ足で始め、クロールを習う。クロールは泳げて進まないと、溺れてしまう。海外では平泳ぎから習う。平泳ぎは泳がなくても、止まっていることができるからだ。
その後、様々な指導が始まった。
っていうのが、これまでの歴史。
ーーーーー
さて、着衣泳、近代?っていうか、まあ、ここ何年かはどうなのか。
何年か前の水泳連盟の調査
小学校での着衣泳の指導状況。
およそ、10.5時間の(年間)水泳指導がある。
89.6%の学校がその指導の必要性を感じているが、実施されているのは73.5%
実施期間は水泳指導が始まる前の7月と終わる9月に集中している。
この数字、そこそこ良いセン行ってるようには思える。
けど、昨今の水の事故。さっきまで元気だった、どこも悪く無い子が突然亡くなる事を思うと、何とかして防げないものかとは思う。
実施していない理由としては、衛生面(服のまま水に入る)の問題や指導者の不足がある。
ってコトだけど。。。その他の研究発表にあった。
地方の、農村部の試み。
消防が地域の学校に直接働きかけても、長続きしない。なぜなら、熱心な先生はでてくれるけれど、その人が転勤などでいなくなったらやらなくなる。そこで、教育委員会の働きかけ、指導のシステムを作った。非常に公表で、地域の自治体から表彰されたとのこと
こういう話、現場の人たちの、全くの情熱と善意で行われている。
この日記、二つ前のの続きです。
前の日記でも紹介した記事に加えて、水の事故にはいろんなケースがある。
去年の7月の事故。
小学校6年生(11歳)と5年生(10歳)が川で流された。水深1mの穏やかな流れの中。
目撃者の話では、浮き沈みしながら、流されて行ったとか。
うーん。
もし、この子たち、
背中で浮く
を知っていたら、できたのかもしれない。
たった1mの深さが、健康で元気な子供たちの命を奪う。
ほんの、何分間かの酸素の不足が、
不可逆の不幸をもたらす。
その将来とともに、奪い去る。
こういう、不幸な事故、いったい、今、どのくらいあるのだろうか。
ネットをパタパタしてみると
平成18年中における水難の概況
警察庁のデータだ
概要
平成18年中の水難事故は
○ 発生件数 1,448件 (前年対比+85件)
○ 水難者数 1,674人 (前年対比+11人)
うち死者・行方不明者(以下、「水死者」という。)
823人 (前年対比-2人)
であった。
このうち、中学生以下の子供(以下「子供」という。)は、
○ 発生件数 264件 (前年対比+16件)
○ 水難者数 337人 (前年対比+25人)
うち、水死者77人(前年対比- 8人)
残念。増えているのか。。。
と、思いきや、
過去10年間の水難発生状況
過去10年間の水難発生状況をみると、多少の変動はあるものの、減少傾向にある。
平成9年と比較すると
○ 発生件数 -569件
○ 水死者数 -420人
となっており、特に、子供の水死者は約半数に減少している。
講演でもあったが、本格的な着衣泳の本が出されたのは、1997年。
ちょうど、10年前。着衣泳の成果があったのかもしれない。なぜなら、子供の事故が減っているからだ。
場所別水死者数
水死者を発生場所別にみると
○ 海 444人(前年対比-12人)
○ 河川 251人(前年対比+17人)
○ 用水路 68人(前年対比± 0人)
の順となっている(表3のとおり)。
このうち、子供は、
○ 河川 28人(前年対比-5人)
○ 海 21人(前年対比+4人)
○ 湖沼地 15人(前年対比+7人)
行為別水死者数
水死者を行為別に見ると、
○ 魚とり・釣り 272人(前年対比- 9人)
○ 水泳中 136人(前年対比- 5人)
○ 通行中 105人(前年対比+22人)
の順であった(表5のとおり)。
このうち、子供は、
○ 水遊び 25人(前年対比-4人)
○ 水泳中 18人(前年対比±0人)
○ 魚とり・釣り 12人(前年対比+5人)
子供には、大人に多い、「通行中」というのが無い。
この通行中の水死というのの具体的なシチュエーションはどういったものなのだろう。
高齢者や視覚障害の人など、リスクが高いのではあるまいか。
5 年齢層別水死者数
年齢層別での水死者は、
○ 未就学児童 30人 (前年対比- 3人)
○ 小学生 32人 (前年対比-10人)
○ 中学生 15人 (前年対比+ 5人)
○ 高校生又はこれに相当する年齢の者
27人 (前年対比± 0人)
○ 高校卒業以上に相当する年齢以上65歳未満の者
441人(前年対比-12人)
○ 65歳以上の者 278人(前年対比+18人)
となっている。
ここの部分、後で(18日夜)に漏れちゃってたので補足したけど。
65歳以上、33%もいるのだ!
これは、由々しき問題かも。
その理由、何なのだろう。
海や川での水泳とは考え辛い気がする。
つり?
もしかして、通行中?
http://www.npa.go.jp/safetylife/chiiki3/20070705.pdf
ってコトで、助かるスキルについて。
また明日。
すずめ的には、
そりゃ、すべての子供たちが競泳選手になれるような指導も良いかもしれない。
でも、それ以前に、自分の命を守ること、それができる技術の指導って、大切じゃないだろーっか。
そこから、命の大切さ、身にしみて、よりリアルなものとして、学べると思うんだけどな。
命って、こうやって、具体的に救うんだって。その大変さ、そして、儚さ。これは決してバーチャルなものじゃないんだよね。
子供たちに、生きる力と、命の大切さを訴えるには格好のネタだと思うけど。
そして、何よりも、具体的なスキルの習得は、力と自信になるはず。
すずめ日記 新聞に載る
って、ウソです。
のっけから
あ、でも、本当はすずめ日記を読んだお友達が着衣泳を記事にしてくださって,昨日送ってくれました。
すずめの寝言も捨てたモンじゃないね。
知りたい人、着衣泳関係者さんとかでいらしたら、メッセージください。
着衣泳、こうやって広まることがとても力になると思います。
みんなで有名にしてあげよーよ!
って、さて、本題。
助かるスキルについてのすずめ的レポート。
着衣泳。
何冊か本が出ていて、指導するインストラクターを育てる仕組みもできている。
しかし。。。
その方法論、なんか、今ひとつ、分からない。
もちろん、水に入るといっても、いろんなケースがあり、一言で言えないのは分かる。しかし、もしもの時にそんな複雑なコト、かんがえてはいられないんだし、一番メジャーなケースをターゲットにして、分かりやすくまとめられるんじゃないかなって思うんだけど。
------
さて、着衣泳、素人のすずめが、ディープなオタクの研究大会で拾ってみた、
一般人、着衣泳、ミニ知識。
先ず、着衣泳の基本。
水に落ちたら、背中で浮いて、救助を待つ。
言われても、そんなに簡単にできるワケないって思う。だからこそ、学ぶ価値がある。
まず、私たち、水に落ちる時って、どういう状態なのか。
二つに分かれるかな。
落ちる瞬間が意識できて、そのポーズもある程度制御できる場合と、
気がついたら落ちてたっての。
先ず、その前者。
落ちる瞬間に、
あ~あ~あ~っ!っと落ちそーっておもって、落ちる。
この時、一瞬だけど、どう、落ちればいいのか、考える余地がある。この一瞬に、どう落ちるべきか、あらかじめある程度決めていれば、それを実行しやすいけど、複雑なケースバイケースの選択はできそうもない。
だから、心の中に、決めておくことができれば、とっさに行動しやすいはず。
じゃ、
どこから落ちるべきか。
選択肢としては3つ。
足から
お尻から
手から。
(さすがに頭から落ちようとは思わないだろーな)
研究大会では、入水時、どこから入るかによって、その後の体制の立て方に違いがあるという発表があった。
なぜか、お尻から入っているのが一番スムーズなのだ。次に、水平状態でのドボン。
一番難しいのは、足。
って所から、考察。
足から入ると、かなり深く沈み、そこから手で水をかいて上昇し、背中で浮かなくてはならない。
水平に入ると、最初から背中浮き状態だが、実験によると、被験者はみんな両手で水をかいていた。
しかし、「くの字」状態で水に入った場合、なぜか、だれも手で水をかくことなく、背浮き状態になれた。
っていうことは、くの字状態で入るのが一番、体勢を取りやすい。しかも手を使わなくても良いとしたら、入水時に、鼻や口に水が入ってパニックになるのを防げるかもしれない。
ただし、ここで、一つ条件があるなとすずめ的には思った。
水の深さ。もし、浅かったら、大けがだ。
それを見極める事も大切だろうな。
頭や頸椎を痛めないようにするなら、足からってことになる。うーん。
ってことで、次のケース。
あっと気がついたら、ドボンしてた。
このケースについては、明日。
さて、すずめみたく、ぼーっとしてる皆様。
あっと気がついたら、溺れてたって。
その場合の対策。
先ず、手を上げてはいけない。
これがマスト。
手を上げると沈んでいってしまう。
あわてないこと。(なーんてアドバイスは無駄よね)
でも、信じる事はできそう。
人間は浮く。
これを信じていれば、ちょっとは安心できるかも。
人間は比重0.98
ということは、2%は浮くのだ。
だから、その浮く部分を「口」にすれば良いのだ。手ではなく。
こうすれば良いって知っていれば、ちょっとはパニックを防げそうだ。
そして、背中で浮く
これも言うは易し。
でも、コツがあるそうだ。
背筋をのばす。
意識して。
特に、水面に登ってくる途中で、とにかくのばす。
そして、両手と両足。
もし、そこに、波があったら、波によって、回され、うつぶせになってしまう。
なので、両手と両足を軽く開く。両手はその体勢を維持できるよう、バランスを取りながら。
もうひとつ、重要なポイント。
「肺で浮く」
肺の中の空気は、人を浮かせる。
なので、声を出すと、沈んでしまう。
できるだけ、息を溜める。
そして、
バイスタンダー(そばに居る人)の心得。
絶対!一緒に水に入って助けようとしてはいけない。
助けられるような技量を持っている人は、相当限られる。あなたが、オリンピック選手でないなら、助けを呼びに行こう。
先ず、119番。
そして、何かつかまるものを投げてあげよう。
たとえば、ペットボトル。
スーパーの袋に空気を入れて、これがあるだけで、浮力がつく。
それから昨今の靴。これは空気を含んでくれる。大きな味方だ。
もうひとつ、コツ。
「返事を求めない声かけ」
声を出すと、肺から空気を漏らすことになる。
だから、声を上げるのは危険だ。
もし、あなたが、バイスタンダー(そばにいた人)なら、
相手に声を出させない。
「大丈夫か?」は「うん」って言わなきゃいけない。
「大丈夫だから、頑張れ。もうすぐ消防が来る!」
さて、明日はそろそろ、まとめ。
さて、ってコトで、もう一度、まとめると。
大切なことを先ず、列挙
すずめ的に大切だと思う事から順に。
もし、水に落ちたら
命を守る着衣泳
背中で浮く
119番
一緒に水に入って助けない
両手、両足を開いてバランスを取る
背筋をのばす
肺に空気をためる
ペットボトルや膨らませたビニール袋を投げてあげよう
声を出すと空気が漏れる。
水の深さによって、落ちる体勢を考えよう
お尻からが有為
-----
三つ訴えるなら、
もし、水に落ちたら
背中で浮く
119番
------
こういう事を考えて、きっちり、コピーを作りたい。
うん、ここはちょっと、すずめの出番かも。
-----
この活動、世界中で始まっている。
会場にも、アメリカ人のヒトが来ていて、
海外でも、いろいろやられてるけど、日本に来て、こんな風にきちんと考えてされてるのにはびっくりしたって。で、これ、日本から英語でも発進して、世界中にひろげられたらいいねって、盛り上がっちゃいました。
いいじゃん。
すずめ、がんばっちゃおっかな。
泳げないし、体育苦手だったけどね。
オマケは今、考え中のアイデア。
イラストは、国交省が使ってる標準サインから。
ってコトで、この日、夕刻から、みのりカフェに行くんだったんだけど、随分遅刻しそーだったので、
ぴゅんって、飛び去ったすずめでした。
余談だけど。。。何日か前に、大阪消防で、自分たちでも作れる硫化水素除去装置を開発した。。。。。なーんてニュースがあった。費用は一万円ほどだから、みんなも作るといいヨっていう情報だ。記事を良く読むと、その組織の消防団員、12人で費用を出し合って作ったとか。一人、1000円?その情熱がイイ。
この着衣泳研究大会もそうだろう。全国各地から来ているが、おそらく交通費、宿泊費用など自腹が多いはず。着衣泳の指導も、みんなボランティアでやっているのだ。何の見返りも求めず、何のキャリアにもならない。
ただ、市民のために。
みんなの熱い思い、ちゃんと形になるといいね。
って、ラストっぽいんだけど、
明日は、すずめデザインの着衣泳マーク案、
ちょっとやってみたのをのせちゃいます。
しつこかったんですが、
ラストです。
おまけ付き。
着衣泳のマーク、考えました。
これ、どうにかしていきたいね。ってコトで、
研究会のヒトとやってたものです。
まだ、ちょっと検討中。
これ、実は、もともと研究会の人が荒く作っていたものが、手を万歳させてたんです。で、今回の大会で、素人のすずめが知ったコト。
手は揚げてはいけない。手を上げると、沈んでしまう。
だから、このヒトも最初、ばんざいしてたんですが、
やめました。
手は、左右に開いて、バランスを取る。
足も開く。
そうすることによって、波によって身体がひっくり返されてしまうのを防ぐ。
もう一度整理すると。
マークが伝えたいこと。
背中で浮く
両手両足を軽く開く
ということだから、これを形に入れる。
で、もひとつ、
言われてはいたけど、昨日のJJ2さんの日記へのコメントで、
「あごをあげて口を出す」
というの、やっぱり重要だと思い、
横向きの図にも追加しました。
(もとの顔は横向きもマルでした)
-------
こういうの、ご存知だと思いますが、ピクトといいます。
「説明図」では無くて、「記号」なんです。
だから、こういうのを見せると、オタク系の人たちは、結構びっくりなことをおっしゃったりするんです。
たとえば。。。水の線の位置が違う。こんなに浮いてるようにならない。
ハイ、もっと正確には、水なんて、こんな形してないんですけどね。
水の位置は、頭との関係で、適正に見える位置があって、いろんな位置関係が、鋭角をつくらないよう決めています。いろいろ切って描いてこその、このシンプルな形ができるわけなんです。
もし、これを「正確な」複雑な絵にしたら、もしくは絵よりももっと正確な写真にしたら。。。これほどの訴求力はありません。
ピクトは、伝えたい事のみを残した記号です。
だから、伝えたい事のみを伝えることができるのです。
それがピクトの力。
このピクト、
見るのに、何秒かかるでしょうか?
大きい方でも20秒以下だと思います。
小さい方だと、7秒ぐらい?
でも、これ、これだけの内容、文章でつたえようとしたら、結構長くなります。だって、1時間かけて教えることですから。
さて、
どうでしょうか?
前の日記で、
すずめが、
着衣泳で重要なこと、
と、列挙したもの、伝わってるでしょうか?
もひとつちなみに。。。
このピクト、
国交省が採用している標準案内用図記号に準じた形を持たせています。
シンプルで無機的な形。
だから、海外でも使えます。
日本から、こういうの、発信できたらいいな。
もひとつ、
これ、シンプルなので、
ラッコちゃんとか、いろんな味付けのキャラクターと併用しても喧嘩しないんです。
ちゃんと形に出来たらいいな。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=849171154&owner_id=12848274&org_id=846893116
-------
ご意見、お聞かせ下さいませ。
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