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2011年11月17日 (木)

エラーとユニバーサルデザインでお遊び

ものすごく古いネタになるが、ユニバーサルデザインというと、ロナルド メイスの7原則というのがある。

ユニバーサルデザインの7原則
The Center for Universal Design, NC State Universityによる
? どんな人でも公平に使えること(Equitable use)
? 使う上で自由度が高いこと(Flexibility in use)
? 使い方が簡単で、すぐに分かること(Simple and intuitive)
? 必要な情報がすぐに分かること(Perceptible information)
? うっかりミスが危険につながらないこと(Tolerance for error)
? 身体への負担(弱い力でも使えること)(Low physical effort)
? 接近や利用するための十分な大きさと空間を確保すること(Size and space for approach and use)

これはどれも、エラーを防ぐための設計を考える上で、ちょっとしたヒントになるのではないだろうか。

っていうことで、ちょっと、お遊びにおつきあいいただきたい。

先ず何か、自分の目の前にあるツールを考えて欲しい。
私は医療は素人なので、分からないのだが、注射器を頭に描いて考えてみる。括弧内がすずめの独断的解答。

注射器
どんな人でも公平に使えること(× 子供には使えない)♪
使う上で自由度が高いこと(? 分からない)
使い方が簡単で、すぐに分かること(○ たぶんそうだろうなあ)♪
必要な情報がすぐに分かること(× 何が入っているのか分からないし)♪
うっかりミスが危険につながらないこと(× 改善の余地があるのでは?)♪
身体への負担(弱い力でも使えること)(△ 自分で自分に使う場合はどうだろう)♪
接近や利用するための十分な大きさと空間を確保すること(× 薬剤を入れる難しさという意味とすると容易ではないだろう)♪

♪マークをつけた項目は、設計的に改善の余地があるのではないだろうか。
そして、それを改善したら、
「子供でも、安全に、自分自身にさえ、使うことができる注射器」になるはずだ。
そう、たとえば、エピペン(アレルギーの子供がもしもの時に自分自身に打つことができる注射)のような。

普通の医療者が使うものは危なくて子供には触らせられないが、子供でもできるのがあるわけだ。
これは、エラーを回避できる大きな機能だと言えるだろう。

もうひとつやってみよう。
たとえば、
どんな人でも公平に使えること(Equitable use)
の方法論には、「複数の感覚によって情報を把握できる」というのがある。具体的に言うと、文字だけでなく、触れたら音声が出るとか、点字表記をつければ「複数の感覚」に対応しているということになる。

これを「危険な薬」でチェックしてみよう。

たとえば、危険な薬であることが、複数の感覚器官によって把握できるか?ということになる。「危険」という言葉や薬剤名が書いてあるだろう。これは視覚情報だ。では複数の感覚によって「危険」が認知されるようにするにはどうしたら良いかという発想にならないだろうか。薬剤に音声ガイドを入れるのは不可能だろう。では。。。
これは素人の個人的なアイデアだが、危ない薬、間違ってはいけないものには、サージカルテープを貼っておいたらどうか。テープはもちろん、簡単にはがせるわけだが、「あれ?」っという触覚の刺激と「剥がす」という指先の行為の感覚が、注意の喚起にならないだろうか。(無いよりマシっていうだけでもいいかもしれない)


こんな空想?は素人でもできるが、プロフェッショナルだったら、もっとおもしろいアイデアが浮かぶのではないだろうか。

もちろん、メイスの原則をそのまま使うのは無理があるだろう。これを各々の現場で同じような発想で仕立て直すのはどうだろう。
たとえばすずめが即興で作ってみた。

新人でも使える
危険な物は複数の感覚に訴えた表記がある
厳選された情報が簡単に得られる
うっかりミスが重大な事故につながらない
エラーをしてもやり直せる
接近が容易
接近できなくすることができる(セキュリティ)

素人がチョイっと作ったらこんな感じだが、専門家だったらもっと良いものができるだろう。こうやって、メーカーが作ったモノをチェックしたらどうだろう。メーカーの不備/改善の余地を見つける鍵にならないだろうか。

あくまで、お遊びで、ヒントということでしかないが。


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今、ユニバーサルデザインは人気だ。
各自治体に専門部署があったりする。交通バリアフリー法のからみで、駅などにはエレベータなどを付けなくてはならず、予算もついているはずだ。しかし、モノとしてのユニバーサル化というのは、研究ベースではもうほぼ、完成されつうあると言っていいと思う。これから作られる施設は、どのようにすれば良いか、方法論が或る程度でそろってきた。(っと言うと、まだまだと、SEIJIさんに怒られるかもしれないが。。。。素地としてという意味で)
いずれ、その役割を終える日がくるだろうというのは、誰でも賛同されるだろう。流行の終わりはいつも、こんな形でやってくる。
1 立ち消え。
2 バッシング
二つ目の場合はちょっと怖い。前にも書いたユニバーサルデザインのインチキな側面が浮上してきてしまう。
しかし、せっかくできたこの「素地」何とか、持続させられないものか。
新しい着地点を見つけられたら。。。。
それが「危機管理」だと思うのだ。

駅のスロープ。車いすや高齢者には優しい。しかし、これは災害時にも役に立つはずだ。人が群れになって逃げる時、段差があったらどうだろう。救急隊がストレッチャーを運ぶのにも便利なはずだ。エレベータやエスカレータもそうだ。
そして、もっと広げて、医療現場の危機管理にも使えたらどうだろう。
ユニバーサルデザインの次世代とならないだろうか。

ユニバーサルデザインという言葉、英語圏の人に言わせると、あまりにジェネラルでピンとこないそうだ。
だからこそ、広くつかえるかもしれない。
せっかく多くの人の力で作ることができた「流行」これをソフトランディングさせられたらいい。

医療に対して、これはもうひとつ「おいしい」意味合いがある。
ユニバーサルデザインを統括する「おやかたヒノマル」は国交省、経産省なんかだ。
医療系の皆様がイロイロ悩ましく思っていらっしゃるコーローショーとは違う。今までも、コーローショーでラチが明かないモノをそっちで時限立法のように通したっていう例は多いと聞く。ドサクサにまぎれて、イロイロに使える風穴にできるかもしれない。ちょっとおいしいのではないだろうか。

ユニバーサルデザインの次世代:危機管理
すずめの3つ目位の(^^)メインテーマ。


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手前味噌ですが。
すずめのホームページにはその一つの形として、
ユニバーサルデザインと「心肺蘇生法/命を守る技」を掲載しています。
子供でも分かる。5秒で分かる心臓マッサージ。
(って、記事の中身は、ちゃんとプロフェッショナルの方々にお書きいただいてますので、ご安心くださいませ)

http://home.r05.itscom.net/bfree/NewFiles/smiles.html

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