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2011年11月10日 (木)

脅迫するユニバーサルデザイン

バリアフリー住宅

高齢者を前期高齢者(65-75歳)と後期高齢者(75歳以上)とに分けてしらべると、
前期高齢者のうち「今までできていたことでできないものが増えた(が、それほど困っていない)」というので、30%しかいない。
75歳くらいまでは、それほど変らない生活を続けられる人が多いのだ。
そして、後期でも、「介助などが必要なことがある」という人で3分の1。
今の高齢者たちが元気な様子が分かる。

なるほど、高齢者が家をバリアフリーにする率も低いのが、何となく分かる。
最低のリフォームとして、トイレの洋式化があるが、
全体の居住者のうち、洋式トイレの家は96%だ。
しかし、高齢者世帯は夫婦で住んでいる場合で85%、単身だと75%。
若い世代では洋式が当たり前だが、バリアフリーが必要とされる年代ではむしろ少ないのだ。

これはもしかして、貧しさのせい?
最近貧しい高齢者のニュースが多い。

しかし、統計では,
二人以上の世帯のうち、高齢者世帯(世帯主が65歳以上の世帯)の貯蓄現在高階級別(標準級間隔200万円)の世帯分布をみると、1600万円未満の世帯が50.0%注)世帯全体を二分する貯蓄現在高の中位数は、ほぼ1600万円、世帯が最も多く分布している階級は、400~600万円未満
となっている。

確かに貧しい人も多いと思う。しかし、上のような70%、80%のマスとしての人口で考えると、どうだろう。
ある程度お金はありながら、リフォームしない家庭も多そうだ。深刻に欲していないのかもしれない。


高齢になると、家はバリアフリーにしなければ暮らせない。
そんな強迫観念を持つ人もいるかもしれない。

でも、本当にそうだろうか。
ちゃんと調べればもっと正確な数字があるかもしれないが、パタパタ出てくる範囲では(2005年の記事)

日本人の平均寿命は女性、84.8
、男性 74.9 そのうち健康寿命は、71.4(男性) 75.8(女性)
ということは、その不健康期間はそのまま「介護」になる?
そうでもなさそうだ。その不健康の理由は、たとえば、癌や糖尿病、血管心臓病。
即日入院ってワケでもなさそう。家でのんびり生きていくっていうのも可能のようだ。


高齢になった時の為にバリアフリー住宅を。
ショールームに行くと、豪華なのがいっぱいある。
しかし...
エレベータや車椅子用トイレなどは建築時からのプランニングが必要だが、手すりなどだったら、いつでも付けられる。

いつか来る日のために、ウン千万円かけて家をバリアフリーに?
男性なんて、コロリみたいだから、不健康期間は3年ちょっとだ。
もしかして、その場で考えた方がいいかもしれない?....かどうかは、
それぞれの意思で、決めるべき問題だが、自分の将来像として、「確率」は参考にしたいと思う。


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昨日の日記に自分で突っ込んでみる。

ユニバーサルデザインの脅迫。
高齢で住むなら、バリアフリーにしなければならない。
そんな風に思っている人もいるかもしれないが、
統計で考えると、そうとも言えない。

っと、一昨日は書いた。

しかし、ここに、もう一つの視点がある。

高齢者の家庭内での事故の統計。
国民生活センターの「危害情報からみた高齢者の家庭内事故」
20歳以上の事故は、1997年度~2002年度(5年間)に27,027件で、20歳以上65歳未満が20,193件、65歳以上が6,834件。このうちそれぞれの家庭内事故は9,280件(46.0%)、4,176件(61.1%)で、高齢者のほうが65歳未満に比べて約15ポイント高い。
また、4,176件のうち、女性2,726件、男性1,450件で、女性が男性の約2倍
前期高齢者が2,103件、後期高齢者が2,073件でほぼ同数。
危害程度でみると、軽症が3,208件(76.8%)、中等症822件(19.7%)、重症・重篤症100件(2.4%)、死亡46件(1.1%)。高齢者のうち前期高齢者より後期高齢者のほうが重い症状の割合が増加する。
原因となったものは、
階段486件
ドア・柱・敷居など318件
浴室282件
脚立・はしごなど238件
床237件だった。

なるほど、その多くは、住宅内の設備に起因している。
(ただし、バリアフリーになっていたからといって、すべてが起こらなかったというわけではないが、)

家の中のどこに段差があるか。
意外に気がつかない人も多いかもしれない。
以前、マンションに住んでいた時、思った。
そこは玄関から続く廊下は一段高くなっていて、トイレもリビングも居室もその廊下を通って行く所は、みんな一段下になる。
引っ越したばかりの頃、ちょっと戸惑った。しかし、1週間もしないうちに慣れた。夜中に寝ぼけマナコで寝室からトイレに行っても、段差を踏み外す事無く、無意識に歩いていた。
おそらく多くの人がそうではないだろうか。だから、自分は大丈夫だと思っている。
おそらく、上記の怪我をした高齢者さんたちも。

階段や敷居などの段差。
確かに無い方が良い。
もし、手すりやスロープで防げるものなら。
上記の階段、敷居、浴室を足して、大雑把に言って、年間220件の事故だ。
この数字を「大きい」とみるか無視できると見るか。
無視できると見た場合は、必要になってから付ければいい。
たとえば重篤な事故が増える70歳辺から?
しかし、そこにもちょっと落とし穴がありそうだ。
或る年齢になって、ある日突然、老いを自覚して、リフォーム屋さんを呼ぶ...
プライドとの折り合いが付け難そうだ。娘から言われたら、絶対了解しないだろう。

そこをどう、考えるか。
若い頃から使っていたら、抵抗は無いのかもしれない。

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