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2011年11月17日 (木)

点字ブロックのオキテ

点字ブロックは黄色くなければならない。
そういうオキテがある。
黄色が目立つかどうかというより、これがシンボルだからという理由からだ。シンボルであるからということだと、議論の余地は無い。どんな事情があろうと、黄色であることに価値があるということなのだ。


景観デザイナにはさぞ、ウザいことだろう。もちろん、景観のデザイン的な美しさの為にこの「黄色」を蔑ろにするとは、何たること!っというご意見は正しい。もし、黄色に根拠があれば...だが。

「健常者には私達のことは分からない」
私は、この問答無用ロジックが、「黄色」のオキテにも通じる気がしている。

では、「黄色」がどういう根拠があるのか、考えてみよう。

確かに、私達の目には、グレイの地面に引かれた黄色は目立つ。
だから、視覚障害の人にも目立つはずだと思う。
しかし、点字ブロックを鍵に道を歩く人の多くは、かなり視力の低いロービジョンなのだ。

視覚障害の形はいろいろだ。私たちと同じ色の世界を見ている人も多いだろうが、見ていない人も多い。見ていない人は別の色世界で見ている。
試しに、グレイの歩道に鮮やかに目立つ黄色い点字ブロックを、白黒写真で撮影してみて欲しい。ほとんど目立たないのが分かるだろう。「黄色」の明度と、明るい歩道のグレイの明度は近いのだ。


もちろん、あのでこぼこの質感は靴で踏むと分かるので、利用はできている。視野が狭いと、5円玉の穴からのぞいているような人もいる。そういう人には黄色は見つけやすいかもしれない。だが、「黄色」を鍵に探している人ばかりではないのだ。色を識別できない人には、「黄色」というオキテは、全く役に立たない。

では、どういう「色」が良いのだろうか。
専門家の間では「輝度差」という言葉が使われるが、平たく言うと「明度の差」だと思う。
明るいグレイの歩道には、黒っぽいグレイのものが、明度差は大きくなる。
黒っぽい道路では白っぽい,グレイ。
最近多いタイルっぽい明るいピンク系やベージュ系の地には、濃いめの茶色等...


そういう色合いなら、景観的にも美しいはずだ。
もちろん、こうした景観は、その地の色と点字ブロックの色だけを考えていても間違う。ロービジョン者には正確な色を識別できていて、視野が狭い人もいるわけで、そういう人たちには、また違った事情がある。場所によっては黄色も有効だろう。そこが人ごみなのか、車道脇なのか、歩道の上なのかによっても違うはずだ。周囲の明るさや、質感など様々な問題を考えて、総合的に決めるのが良い。だから、「問答無用」じゃなく、きちんと、個別に対話すべきではないだろうか。それによって、障害者の方の新しい参画の形もできていくのではと思うのだが...

ここでまた、ネックになるのは、川内さんの話にも出て来た、「自分だけの経験で言う」人たち。いろんな経験が集まって折り合いがつけられれば良いのだが、つい、声の大きな人、説明が上手な人の意見が優先される。健常者も、自分たちの勝手に作り上げたイメージでいろんなものを判断してしまう。

こういう世界、データや論理的な根拠は本当に大切だと思う。それが無いと、「問答無用」に斬りかかっていけないのだ。


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すみません。ちょっと言葉が足りませんでした。
下にコメントをいただいて、気がつきました。
以下、補足です。


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点字ブロックは、本当は何色でも良いんです。
なので、床面の色と全く同じのもありますし、鋲を打ったのもあります。


点字ブロックっていうのは、本当は商標で、正確には
視覚障害者誘導用ブロックって言って、JIS にも規定されてるんですが、ジスでは色まで言っていません。


オキテっていうのは。。。
「シンボル」という意味で一部で主張されていて、そのために、多くの所で黄色い色に変えられ始めているので、使った言葉でした。
ちょっと、過激なコトバの方がウケるかなって、お調子モノの芸風が出てしまいました( _ _ )

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