« 割り箸事件/子供を知らない大人たち | トップページ | 蒟蒻ゼリー 日記まとめて »

2011年11月23日 (水)

ネットで暴走する医師たち/大野病院事件

ネットで暴走する医師たち 


http://www.amazon.co.jp/ネットで暴走する医師たち-鳥集徹/dp/4872903838

ネットで暴走する医師たち 感想文/大野病院事件


さて、その、ネトボー。
これ、別に、医療がどうのっていうのじゃなくて、平たい意味で、とっても面白く読める本だった。テーマは、昨今、問題になってるインターネットの掲示板の問題。
これを、世間が大騒ぎとなった、いくつかの事件をネタに書いてある。

おもしろいのは、
12月20日だっけ?に出ますから、ってお聞きして,アマゾンをみたら、
まだ売り出す前から、アマゾンのレビューが燃え始めてんの。
なんかすごいじゃん。

あんたたち、自分のコト、書かれてるって思ってんでしょ。

さて、その本に取り上げられてる事件を順に言うと、

奈良、大淀病院事件
杏林割り箸事件
大野病院事件
陣痛促進剤系市民団体バッシング

っていうカンジなんだけど。

でも、すずめは、勝手に、福島の大野病院事件から


っていうのは。。
ちょっと前の日記で、すずめもこの事件屁の疑問を書いてたんだけど、
それがこの本の中できちんと取材されて、明らかになっていたからだ。

本を書いた鳥集氏は、タミフルの問題を世間にすっぱ抜いちゃった、すずめ的には今最もイケてるジャーナリストの一人だと思う。だから、ここではお酉様と尊敬をこめてお呼びしちゃおう。
お酉様はジャーナリストでも結構、マガッたっていうか、性格とか素行がアレな人もいる中で、かなりバランスが取れてて、冷静なタイプだと思う。(あ、カラオケでテーブルの上で歌っちゃうなんてコトは内緒)

なので、お酉様がここで取材をもとに書かれていることは、概ね事実だと断言出来ると思う。

ってワケで、
いろいろ疑問だった大野病院の件、もう一度、事実を整理してみたいので、ここから。

あ、前もってお断りしとくと、
これはすずめの感想文で、お酉様の本の主旨とはずれるかもしんない。
特にこの大野病院の件は、テーマは「ネットの書き込み」であって、事件そのものじゃないので。


で、先ず、大野病院の事実を列挙してみた。

あ、その前に、とりあえず、大野病院ってコンなのねってウィキから抜粋 引用。


福島県立大野病院産科医逮捕事件は、2004年12月17日に福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた産婦が死亡したことにつき、手術を執刀した同院産婦人科の医師1人が業務上過失致死と医師法違反の容疑で2006年2月18日に逮捕、翌月に起訴された事件である。
2008年8月20日、福島地方裁判所は、被告人の医師を無罪とする判決を言い渡し、検察側が控訴を断念したため確定した。医師は休職中であったが同病院に復職した。


このウィキのことも、本では問題になってるんだけど、とりあえず。
亡くなったお母さん、Mさんは29歳。二人目の妊娠だった。

まず、最初の疑問。

(以下は本の内容からの抜粋)
1

Mさんには、大野病院しか選択肢が無かったのか。

Mさんが住んでいたのは、福島県楢葉町。
ここから最も近い地域周産期母子医療センターは、車でおよそ1時間。
そして、大野病院も、同じ1時間程の場所なのだ。

言うまでもなく、地域周産期母子医療センターはこういったハイリスクの妊婦さんに対応するためにこそある。なぜ、それが生かされなかったのか。

----

以下すずめの感想

もし、彼女の住んでいた所が条件が悪く、ここが一番大きな病院であったなら、他の大きな病院にしろと言われても、大変だろうけれど。。。


この問題の周辺にはいつも、
「田舎では一人医長もしかたがない」
「都会 VS 田舎」
という議論がつきまとっていた。

選択肢が無い所で、都会の概念を押し付けても仕方が無い。
でも、少なくとも、Mさんには、選択の余地があった。
最初から前置胎盤で、ハイリスクだというのは分かっていた。

しかし、よりリスクを減らす方を選択しなかった。
その選択を変えるような働きかけはされなかったのだろうか?

何か,長いので、続きは明日。


------


さて続き。
ネットで暴走する医師たち

の、感想文ってゆーっか、すずめの勝手なメモ。


そうそう、参考までにすずめは前にもこのテーマで日記書いてたんだけど、
ここね

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=932509526&owner_id=12848274&org_id=941766389

長ーい続きモノです。


大野病院の事故、

「ものすごく稀な症例なのだから、誰だって予見不可能」

ということだった。
ある意味、それは仕方が無いのだろう。
数千例に一例って言われていたし。

でも。。。
お酉様のネトボーイの119ページには、これがもうちょっと、具体的に詳しく書いてあった。

全分娩に対する、癒着胎盤の頻度 : 数千例に一例

でも、これが、前置胎盤の妊婦さんを分母にすると、全然違う。
20~25人に一人となるのだ。
更には、帝王切開の経験のある妊婦では、

引用

胎盤が子宮の後壁から内子宮口をふさいで前壁に達している場合には、以前の帝王切開の傷痕に胎盤組織が潜り込みやすいため、癒着胎盤となる頻度が高くなると言われている。帝王切開経験が1回の場合には24%、2回以上だと、47%、4回以上では67%にもなるという報告がある。

-----

であるとすれば、
この、Mさんの場合は、
前回帝王切開であり、且つ、
前置胎盤であったわけだから、
(これは、前もって分かりきっていたこと)

24%の確率で、癒着胎盤になるはずだったのだ。

数千例に一例の確率とは大きく違う。

もし、これを、Mさんが前もって聞かされていたら、どうしただろう。
夫だったら、どうしただろう。
同じ1時間、車に乗るなら、
大きな病院にしたのではないだろうか。


さて、本には、更に書いてある。


前置胎盤だけでもハイリスクだが、これに癒着があると更に危険。無理に剥がすと大出血になってしまい、最悪の場合、母体死亡を招く。
なので、産科学の本にはこう書かれているそうだ。

(引用)

術中癒着胎盤を確認したら、決して胎盤を剥離することなく(中略)胎児を晩出後、直ちに子宮摘出を行う

-----

このケースの場合,確率で言えば、4分の1のケースでこうなってしまうということなのだろう。


数千例に一例なら、きっと、多くの人は無視する。
だけど、4分の1の確率は、どれほどの人が無視できるだろうか。
ましてや、命と、その後の人生のすべてがかかっていたとしたら。

さて、本には、まだまだ書かれている。
この当時の、福島県、楢葉町の環境。

福島県では2002年から周産期医療システムが稼働していた。
これは重症のお母さんも赤ちゃんもみんな面倒見ちゃう、全部そろった大きな病院(総合周産期母子医療センター)を中心に、各地の地域周産期母子医療センターが連携してハイリスク妊娠、出産に対応する仕組み。

でもって、この地域周産期母子医療センター(いわき市立総合磐城共立病院)が、彼女の家から大野病院とほぼ同じ位置にあったワケだ。

大野病院の事件では、輸血用血液の準備不足が指摘されていたが、もし、ここだったら市内に「いわき赤十字血液センター」があってここは救命救急センターにも指定されてるので、すぐに対応できていたはずだった。。。。なーんて、書かれてる。


いろんなウワサが飛び交っていた中、上記は事実であり(嘘じゃなさそうだ)それが前提だとすると、どうなんだろう。
この事件における、医師の過失議論とは無関係に考えてみる。

もし、
あなたの身近な人が、
地方に住んでいて、一人目が帝王切開で、
二人目の時、前置胎盤だと言われたら、

遠くても大きな病院に行く選択をするべきだと思う。
そう、思う人が多いとすずめ的には思う。

大野病院は避けられなかった事故だから、
あなたの身近な人も、
避けられないから運命って覚悟を決めちゃうんじゃなくて、

遠くても大きな病院に行く選択をする方がリスクを低くできるということを、知って欲しい。
もちろん、それでもリスクは決してゼロにはならないけれど。

もうひとつ、
そうすることによって、産科医療を崩壊させちゃったりなんかしないし、
逆に言って,
たった一人の医師に全責任がかかるような結果を招くこともないだろう。


Wさん(Mさんのお父様)
ちょっとご挨拶させていただいただけだけれど、
本当に、普通の、素朴な方だった。
本当だったら、今頃、二人の子育てしてる娘の愚痴を目を細めて聞きながら、
きっと逆にやりこめられたりしてたんだろうなって。


-----

|

« 割り箸事件/子供を知らない大人たち | トップページ | 蒟蒻ゼリー 日記まとめて »

医療」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1210811/43113297

この記事へのトラックバック一覧です: ネットで暴走する医師たち/大野病院事件:

« 割り箸事件/子供を知らない大人たち | トップページ | 蒟蒻ゼリー 日記まとめて »