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2011年11月10日 (木)

乳児の視覚障害、寒い現実


2007年の日記から


先週の視覚系?の研究会、T大のO研では、
視覚障害の乳児教育のコアなメンバーが集まった。


結論から言うと、乳児の視覚障害の対応は日本ではゼロ。
まず第一に、プログラムができていない。
専門家がいない。
なのに、当事者がその必要性を訴えない。

赤ちゃんは耳が聞こえないと言葉の習得ができないということで、早くから対応が取られる。しかし、視覚障害に関しては、そういうシステムが無いのだ。
視覚から得る情報は大きい。特に乳幼児の場合、様々なものを模倣で習得する。まだ寝たきりの赤ちゃんがしげしげと自分の手を見ていることがある。親が立っているのをみて、自分も立ってみようとする。高い所に何かがあるのが分かって、取ろうとする。スプーンの持ち方、人の表情の見分け方。。。様々な視覚情報から学んでゆく。そういう情報が無いと、いろんなことの習得にはサポートが必要なのにかかわらず。

唯一、日本でいるとすれば、今年のロービジョン学会で講演されたO大のY先生。

その対応ができる施設も。。。神奈川が北限?という悲惨さ。K大のFさんが言う。
「確かにニーズはあって、みんな本当に切実。だから、誰かが来ると、そこから、芋づる式に何人も来たりするんだけど。。。でも、もう、うちでもパンク。」
何でこんなにお粗末なのだろう。
一つには当事者が声を上げないことにある。
自分の子供が「乳児」であるのはわずか3、4年だ。3歳からは盲学校に入れる。そこから先は或る程度プログラムが用意されているので、とりあえず、めでたしとなる。
だから、運動をしようと思える期間はわずか。患者同士の結束も、子供が小さく、まだできていない。

本当の所は、2004年?(この年度は違うかもしれない)から、盲学校でも3歳以下の子供たちをサポートしなければならないという法律が制定されているが、しかし、肝心の専門家がいない。

研究会のメンバーのU大のKさんはおっしゃる。せめてはプログラムを作らなくては。
まずは、訓練とサポートのプログラムさえあれば、いろんな所で対応していける。ところが今、講演会などで語られているのは、ウン十年前にK先生が学んだ旧態然とした内容で、実践からはほど遠いのだそうだ。

高知からいらしたK大のY先生は、重複障害の子供たちの60%に視覚障害があるという問題をおっしゃっていた。視覚だけでなく、トータルに考えていかなくてはいけない。親たちのニーズは切実だ。


こんな寒い、日本の現状。
どうやっていけばいいのか。

私もミクシーの中でまさに、こんな問題を目の当たりにした。
一般のお母さんたちは、視覚障害についてなんて知らない。自分の赤ちゃんが当事者になって初めて、どうしたら良いのか悩むのだ。ネットの時代、様々な情報が手に入る。しかし多くの人はどうやってアクセスすれば良いのか分からないのだ。ミクシーの中で出会った言葉。
「どうやって聞けばいいか分からない」
重要なキーワードだと思う。ニーズが無いわけではないのだ。当事者もどこへ訴えればいいのか分からないのだ。そして、最も関係者が知っておかなければならないこと。素人は、キーワードを知っていないのだ。だから、専門家につながらない。「どういう言葉で聞けば良いのか分からない」。
ニーズはある。しかし、整備されていないので、もし、ニーズのある人たちがみんな来たら、パンク。
そしてそのニーズとは、その子の人生を左右するような重要な要望でもあるのだ。
これから、K先生たちが変えていってくれることを望むしかない。そのころには、今赤ちゃんの子たちはうんと大きくなってしまっているのだろうけれど。


新潟のA医師、すずめに、
「眼科医さんって無力じゃん(笑)。」なんて言われてしまいながら。。。(実際はA先生は無力じゃないのだが)
そういう議論を聞いて、早速、K先生に、
「4月9日は空いていますか?」っと、講演の約束を取り付け、盲学校の見学から夜の懇親会までスケジュールを組んでしまった。
「これで新潟は変わるかもしれませんね。」
こうやって、少しずつ変えていけないだろうか。

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