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2011年11月17日 (木)

医療安全 情熱の伝播

2008年の日記の転載

さて、今日は医療安全全国共同行動 キックオフフォーラムのレポート。

実はすずめ、ずっとこれに関わってきたので、っていうか、つい、一昨日までいろいろ作業やってて丸投げ。今日は高見の見物(^^;

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昨今、医療過誤が新聞をにぎわしている。
すずめ日記にもそれ絡みのことを多少書いているが。。。
それを、どう、変えていくか。
批判ばかりしていても、何のタシにはならない。

具体的に、どう、防いでいくか。それを考え、実行する全国共同行動プロジェクト、本日発進!

ってな、コトで、そのキックオフフォーラム。
実はすずめ、その中の一つの隅っこをかじっていたので、全体がこんな大規模なものだとは思っていなかった。
今日、経団連ホールで行われたフォーラム。大きな会場に、何百人もの医療界の重鎮、メディア、関係者。。すごい規模だ。

何人かの顔見知りも、別の部分をかじっていたらしく、やはり、全体像の大きさを見て、驚いたと言っていた。意外に、いろんな端っこを、いろんな知り合いがかじっていて、世の中、狭いモノだと、改めて思ったけど。


医療安全全国共同行動。
全国の医療現場、(要するに病院)で、いっしょに、医療事故を防ぐプロジェクトに参画しようというものだ。
事故を防ぐには、医療者だけが、一生懸命神経を使うことによって、できるものではない。具体的な方法論を共有し、いっしょに、具体的なアクションを起こしていく。そうやって、減らして行こうというのが、プロジェクトの趣旨。


さて、これはそのレポートだが、記者会見も行い、オープンにされたので、中に入れた人名は本物。
詳細は、

http://qsh.jp/kyodokodo/

でも、登録関係のページは月曜日から。

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フォーラム中で、すずめが興味を持った部分をレポート。


先ず、このプロジェクトの立役者、上原医師の講演。


先ず出て来たのは、医療訴訟数と、医療報道数のグラフ。
おもしろい。
あっと思ったら、もう、次の画面だった。(あとでもらっておこう。またレポートしますね)

なので、グラフの画像的印象。
医療訴訟数はここ何年か正比例のように、斜めに一直線に伸びている。
ところが医療報道は1998から2000年にびよ~んと、何倍にも劇的に増加。医療訴訟数イコール医療事故数とは思えないが、訴訟数が増えているのは確かのようだ。しかし、一般市民の感覚で、ここ何年か、医療事故が多発しているという勘違いの原因はここら辺だろう。一般市民の視点からは、医療事故数イコール、報道数なのだ。

家へ帰ってから、ネットでちょっと調べてみた。

1997年は597件であったが,2004年には1110件にまで増加。2005年,2006年ともに1000件を下回っているが,ここ10年で訴訟数がほぼ倍増

だそうだ。倍増とは、500件増えているということだ。年間、50件ずつ増えた勘定。
報道数に関する統計は見当たらなかったが、(確か、朝日メディカル?の資料だった??)こちらの量的な伸びはたった2年で何倍もになっていた。

というメディアの問題はあると思うが、これをどう、解決していくか。。。
それを具現化したアメリカのプロジェクトがある。

IHI 100K Lives Campaign

この医療安全全国共同行動はこのアメリカの100Kキャンペーン日本版ということなのだ。

ーーーーー


フォーラムでは、上原医師と長年の友人であるという米国医療の質改善研究所CEO、バーウイック氏のビデオメッセージが上演された。

IHI 100K Lives Campaign

18ヶ月で10万人が救える。(100Kって、100キロのことで、10万って意味ね♪)

結果を目に見えているものにしたい。そういう決意のもとに発案されたプロジェクトだった。
キャンペーンは18ヶ月という時限の中で行われた。最初は、初めてのこの試みに、どれだけの人の賛同が得られるのか、不安だったそうだ。しかし、結果は大成功。全米で大反響があり、驚く量の医療施設が参加した。
ちなみにアメリカの病院数は日本の半分(人口は倍)。
そのうち、3100の病院が自主的に参加。これは全病院の78%にあたる。

プロジェクトは、基本的に医療組織(病院)全体での取り組みが必要だとした。部門だけだと、徹底もできないし、齟齬も起きる。なので、病院長の了解とリーダーシップが必要になる。そんな病院が78%。これはすごい。

100K Lives Campaignでは、6つの行動目標を掲げた。この行動目標とは、抽象的なものではなく、非常に具体的な、アクション、作業の標準化などである。


この後、このキャンペーンの成功をうけて、5ミリオンLivesキャンペーンが開始された。100Kとは、死亡者数を示し、それを減らす目標というものだったが、こちらは 年間500万件ある有害事象を対象にしている。死亡には至らなくても、様々な形での有害な事故を減らそうという意味だ。

そして、この日本版100K Lives Campaignである、共同行動も、この有害事象を減らすことを目標としている。
その方法としてあげている8つの行動目標は、非常に具体的だ。抽象論や批判ではなく、具体的な事例こそが命を救う。

達成目標としてあげるのは、まず、
有害事象を最低で30万件減らすこと。
一万人以上の入院死亡者数を軽減すること。
そのためには、参加登録病院3000以上が目標。
拠点病院は30カ所。

ちなみに、この目標は、
有害事象が全国で86万件起きているという試算があるので、その3分の1へらせたら。。という所から。


さて、次のセッションは、

河野龍太郎氏
この間まで、東京電力にいらしたが、去年から自治医大に移られた。すずめもいろいろお手伝いさせていただいたことがあって、そっち系では有名な研究者。もともと原発の危機管理をされていたのだ。
彼のポリシーの中心は、エラーを防ぐには、できるだけ、人を介在させないこと。

彼のパワポはこの言葉で始まる。

安全などというものはない。

絶対に安全な航空機
絶対に安全な車
絶対に安全な。。。は絶対に無い。

あるのは、「リスク」だけ。


ヒューマンエラーは。。。
なぜ起こるか。
医療者が真面目すぎる。
ミスを許さない。
環境を変え無ければならない。
エラーそのものを防ぐ発想。物理的にエラーが起こらないようにする発想に頭を切り替えなければならない。
そのためには、方法論を共有していこう。

フォーラムでは、上原医師と長年の友人であるという米国医療の質改善研究所CEO、バーウイック氏のビデオメッセージが上演された。

IHI 100K Lives Campaign

18ヶ月で10万人が救える。(100Kって、100キロのことで、10万って意味ね♪)

結果を目に見えているものにしたい。そういう決意のもとに発案されたプロジェクトだった。
キャンペーンは18ヶ月という時限の中で行われた。最初は、初めてのこの試みに、どれだけの人の賛同が得られるのか、不安だったそうだ。しかし、結果は大成功。全米で大反響があり、驚く量の医療施設が参加した。
ちなみにアメリカの病院数は日本の半分(人口は倍)。
そのうち、3100の病院が自主的に参加。これは全病院の78%にあたる。

プロジェクトは、基本的に医療組織(病院)全体での取り組みが必要だとした。部門だけだと、徹底もできないし、齟齬も起きる。なので、病院長の了解とリーダーシップが必要になる。そんな病院が78%。これはすごい。

100K Lives Campaignでは、6つの行動目標を掲げた。この行動目標とは、抽象的なものではなく、非常に具体的な、アクション、作業の標準化などである。


この後、このキャンペーンの成功をうけて、5ミリオンLivesキャンペーンが開始された。100Kとは、死亡者数を示し、それを減らす目標というものだったが、こちらは 年間500万件ある有害事象を対象にしている。死亡には至らなくても、様々な形での有害な事故を減らそうという意味だ。

そして、この日本版100K Lives Campaignである、共同行動も、この有害事象を減らすことを目標としている。
その方法としてあげている8つの行動目標は、非常に具体的だ。抽象論や批判ではなく、具体的な事例こそが命を救う。

達成目標としてあげるのは、まず、
有害事象を最低で30万件減らすこと。
一万人以上の入院死亡者数を軽減すること。
そのためには、参加登録病院3000以上が目標。
拠点病院は30カ所。

ちなみに、この目標は、
有害事象が全国で86万件起きているという試算があるので、その3分の1へらせたら。。という所から。


さて、次のセッションは、

河野龍太郎氏
この間まで、東京電力にいらしたが、去年から自治医大に移られた。すずめもいろいろお手伝いさせていただいたことがあって、そっち系では有名な研究者。もともと原発の危機管理をされていたのだ。
彼のポリシーの中心は、エラーを防ぐには、できるだけ、人を介在させないこと。

彼のパワポはこの言葉で始まる。

安全などというものはない。

絶対に安全な航空機
絶対に安全な車
絶対に安全な。。。は絶対に無い。

あるのは、「リスク」だけ。


ヒューマンエラーは。。。
なぜ起こるか。
医療者が真面目すぎる。
ミスを許さない。
環境を変え無ければならない。
エラーそのものを防ぐ発想。物理的にエラーが起こらないようにする発想に頭を切り替えなければならない。
そのためには、方法論を共有していこう。


さて、すずめの視点による補足。

これ、非常にすばらしい試みだと思う。すずめレポート、そう読んでいただけたと。

でも、ちょっと、あれっ?って思われなかっただろうか。

有害事象とは、死亡に至るもの、死亡に至らないまでも、例えばMRSAとか、後遺症を残すなどいろいろなケースまで含むのだが、その三分の一を2年間で減らすとして、30万件だというのだ。一年で、45万件発生しているということになる。死亡例に関しては1万件。1年で5000人。
これが、減らそうと思えば減らせたかもしれない人数だというのだ。
前の日記で書いた、現在の日本での医療訴訟件数は、1000件。(もちろん和解も含む)
その5倍は、訴えようと思えば、訴えられるものなのだ。(もちろん勝つかどうかは別)

なぜなら、それが防げるというのは、ヒューマンエラーによって起きているから。


たとえば、行動目標の中には、「手指衛生」というのがある。
医療者は手を洗っていると、患者は誰でも思っている。しかし、違うのだ。
もちろん、その手の洗い方というのも、我々一般人がするのとは、全く違った専門的な洗い方ではあるが、それは当たり前ではなく、こうして、キャンペーンをしなければ徹底できない。しかし、もちろん、それは彼等が怠慢であるからというのではない。そういう余裕も無いのかもしれないし、作業の流れがそれを許さないのかもしれない。では、どうやって、それを徹底させるか。批判や文化論、抽象論は何の役にもたたないのはお分かりいただけると思う。ちなみに、これを行動目標のタイトルで言うと、「医療関連感染症の防止」ということになる。
他にも、「周術期肺塞栓症の防止」。
手術のあと、どこかに血の塊ができてしまって、どこか重要な部分の血管をつまらせると、死に至る。そう、エコノミー症候群と同じだが、これが起こる確率。エコノミー症候群の100倍なのだ。手術の後、これで亡くなるのは、実は管理である程度防げる。具体的な方法によって。

これを聞いて、誰でも思うだろう。
縁者の死。あれは回避できたものだったのではあるまいか。訴えればよかった?

このフォーラムの内容、もし、一般市民が聞いたら、本当は仰天してしまう。
医療者には当たり前の誠実さでも、市民には、とんでもない粗雑さに聞こえてしまう。
彼等は、こんなこと、隠して?いたのか。。。


河野氏は言う。「安全など無い」「あるのはリスクだけ」であり、すべての医療行為の「生存率」は100%であるはずがない。これはよく分かる。飛行機に乗る時も、自分の乗る機は絶対落ちっこ無いと思う。だが、御巣鷹山でも520人亡くなっているのだ。日本の飛行機の全搭乗者数で割ると、100%ではない。99.999999...%。だから、その小さな、0.00...1%にだって当たるのだ。
だけど、たとえば、盲腸で入院して死ぬなんて、思わない。

だけど、いざ、事故が起こってみると、事故とは言わず、ネガティヴな結果が起こった時、我々は、結果論的に考えてしまう。
あれが無ければ、こんな結果にならなかった。そして、その『あれ』とは、誰でもできる些細な事だったりする。。。。

そういうの、どう、考えれば良いのだろう。


だけどそういう理由について、抽象的に分かるけれど、「手を洗わない」というような具体的な事柄について了承できるものじゃない。(もちろん、彼等の言う、『手を洗う』は我々のそれとは違う)
こういう事柄について、抽象論で批判し、議論につなげることの危険性が分かる。これを『文化論』や『倫理観』ということで論じれば、こういうことがごまかせてしまうのだ。それが、専門家が素人をごまかす、一番の武器でもある。「文化を育てましょう」「みんな肝に銘じて気をつけましょうね。」でチャラになる。

では、手を洗わない事は、どう解決できるのか。。。

手を洗わない医療者なんて信じられない。そんなのは基本だと言うのかもしれない。しかし、考えてみると、我々が信じられないというのは、確実に洗っていない事態が、0.000....1%でも無いという事を要求しているのだ。完全な100%。

でも、私たちも、長い時間、過ごしていてどうだろうか?何かについて、確実に100%というものが、あるだろうか?
それがどんなに、容易い、基本であっても。

よく、居酒屋などで、男性の靴が無くなったという話を聞く。履き間違えた話も。自分の靴を履くなどというのは基本中の基本。他人の靴を履いたら窃盗だ。だけど、何万回の中では間違えることもある。
それが人間。市民だって、すべての人が完璧な職業人ではないのに、医療者は100%完璧な人間である事を求め。彼等もそれが使命だと誠実に信じている。だからこそ、エラーを回避し、もし、エラーが起こったら、やり直す。それでも不幸な事態が起こったら、誠実な対処。口で言うのは優しいが、一つ一つのアクションは難しい。

生きとし生けるもの、すべて、間違いはあるのだ。全員がパーフェクトを遂行することを目指している。しかし、その上でも、尚、間違いは起こる。それが、ヒューマンエラー。
それを誰が批判できるのだろう。河野氏が言うように、間違いをするはずの人間が、間違いをしないことに賭けている。我々が医療に対して大博打をしている。


。。。。。っていう、理屈は分かっている。
しかし、手を洗わない医療者って、問答無用、トンデモ以外の何モノでも無く感じる。。。。だから、医療者もそういうこと、表沙汰にできなかった。自分の病院がそんな事、目くじらたてて徹底指導なんてしてたら、それがされてなかったことが バレてしまうから。この活動を推進する医療者の勇気が分かる。

こういう医療者と、市民との意識の差は埋められない。

すずめは、これを解消すべきだとは思わない。
市民へ知らせる形は、慎重を期さなければならないと思う。
今回、記者会見も開き、メディアも多く来ていた。何人かはすずめもよく知っている医療に詳しい人たちだが
、医療に疎い人もいる。そういう人たちが、フォーラム主催者の発言を、そのまま流したりしなければ良いが。。。。と思う。

せっかくの活動、つまらない誤解でつぶされたく無い。

さて、次の日は、実労部隊の具体的会合があった。
上原軍団。

こういう活動、部外者から、どう、見られるか。
その具体的懸念をどう、払拭するか。

キーワードは

「情熱の伝播」

マイミクの誰かさんも、ピンときそうな言葉だ。


実は活動にあたって、予算をどう、捻出するかという問題があった。
コアなメンバーの活動費。
一番大きいのは、「交通費」だ。
今回のキックオフでも、たくさんの人々が地方から駆けつけている。研究費として、勤務先の組織が出してくれている人もいるが、ホテル代も含めて自腹の人も多い。
しかし、このプロジェクトのキモは、全国にいかに広げられるか。
地方の力が欠かせない。というより、メインでもある。今まで中央集権で行われてきて、大きな地方格差を作ってしまったものをどう、解決していくか。

抽象論は否定したが、コアメンバーには、やはり、これしかない。「情熱」。
見返りを求めず、評価や賞賛も眼中に無い。

おそらく
批判する人たちは、関わっているのが、医師会であることから、裏で大きなお金が動くことを想像しているのかもしれない。
でも、違う。そういう組織の仕組みにはなっていない。これから、カンパをつのりたいとしているが。。。
アメリカの100Kも講習費など費用を取らないで行われた。
だけど、向こうはドーンて寄付があるからねえ。と上原医師。

いろんな議論があった。参加者から、少しずつでも講習費を取るとか。
しかし、ほんのわずかな費用でも彼等がそれを所属病院から稟議書を書いて捻出するのは大変。それによって参加病院が減るということも考えられる。それだけじゃなく、そんなもの、ちょっと取るだけで「お金儲けでやってるんだろう」と、すぐ言われる。
だから、今のところ、予算は上原の財布しか無いんだよ。と。

もう一つ言うと、上原医師は、これを名誉のためにさえやっていない。プロジェクトの長、その他看板には、高久 史麿東大名誉教授他、ここには出て来ない人たちの名が連ねられている。


でも、費用の問題は大きい。中心人物たちは、手弁当覚悟だとしても、馬鹿にならない金額だ。
なぜなら、これから、地方での開催に向けて、様々な地域に自腹で行かなければならない。ホテル代他何万にもなる。所属によっては研究費の名目で出してもらえるかもしれないが、枠が決まっている中、そうとばかりも限らないだろう。
それでも、そういう人たちは行ってくれる。
しかし、その地方で、講習会に参加してくれる現地の人たちはどうなのか。
交通費、会場費、開催告知宣伝などの費用、通信費だってばかにならない。
目標の3000病院を勧誘するために、これから、どう、捻出していくか。。。
企業や団体の寄付を募るとしても、今年度は難しいかもしれない。

もう一つ、この活動への大きな懸念がある。
今、検察が興味を示してきているとのこと。
要するに、何か事故があった場合、このプロジェクトが標準化として推進しようとしている事を論拠に使いたいのだろう。だからと言って、プロジェクトのレベルを下げるわけにはいかない。
しかし、他の訴訟のネタにされるようなことは、何としても避けなければいけない。

会では、何月何日、どこで。。と、陳腐なまでに具体的な方策が詰めらてて行った。
こういう中身の積み重ねが、力になるのだろう。


共同行動の続きです。
しつこすぎてすみません


さて、ここですずめが関わったこと。
そろそろ公開なので、ちょっとだけ紹介。


すずめコンセプトは、「デザイナ視点で中から外をみる」

今まで、こういう場にデザイナが関わるのは、医療者から、こういうのを作ってね。っと丸投げされたもの。
それをアレンジして、ひな形を作り、同じひな形でいろんな病院に行商?するようなものばかりだった。
デザイナが中に入り、中の一員で関わって来たものは殆どないはず。
今回、それを試みた。

たぶん、この方法は知ってる人には、すごく当たり前のプロセスであり、多くのデザインは、レベルこそ違え、こういう風に作られている。すずめがエバって言うほど、すごいことじゃない。


すずめたちが関わってるのは、「患者・市民の医療参加」というプロジェクト。ここで、最初の企画。
「安全は名まえから」

最近、すずめ、近所の大学病院に行って気がついた。
レントゲンやら、何やら。。。いろんな部署へ行くたびに、
「水無月すずめさんですね。」
「水無月すずめさん、カードです」「ちゅんっ」
ってなカンジに、しつこい位に確認されるのだ。

多くの方は覚えてらっしゃると思う。横浜での患者取り違え事故。
ああいうのをふまえての改善だと思う。ただ、こんなこと、やってる病院なんて、ほとんど無い。

なぜなら。。。もちろん、煩雑で煩わしい。患者さんが不快に思う。自分の顔を覚えてくれてないのか。。。
(実はその覚えているはずというのが、また事故の原因となるのに)


ちょっと脇にそれるが、横浜での取り違え事故。この時、いろんな偶然が重なった。本当なら、何段階かにストッパーがかけられているはずなのに、するりと抜けてしまった。関わっていたスタッフも、何度か、『あれ?」っと思ったそうだ。しかし、「偶然」なんとなく黙っていた。普段だったら、口にしていたかもしれないのに。
そういういろんな偶然がたくさん重なって、取り違えが起こってしまったのだ。


だから。。。
普通のやり方では同じ稀な偶然は起きてしまうかもしれない。
だから、
「口に出して言う」

二日目の会議ではこれを去年から実践している、東北地方の公立K病院(300床)の副院長がいらしていた。
(すずめたちの企画はこのK病院の例を参考にしている。早速、ツールを相談して作り、試用していただくことに)
「そりゃ、すごく反対は大きかったよ。特に患者さんの。どうして、いちいち確認するんだっていう。だけど、1年、続けたんだよ。そうしたら、みんなあきらめて言わなくなった。1年かかったけどね。」
確かにK病院では1年かかったかもしれない。しかし、K病院の実績/失敗と苦労をベースにすれば、それを10ヶ月にすることができ、仲間がいれば、8ヶ月にすることもできるかもしれない。


という背景でのこの企画。
デザイナ的方法論では。。。

-----
昨日のつづきですが。。。ハイ、もーシツコスギなので、
これでおしまいにします。


というように、「名まえを確認する」という、言葉にすればあまりに簡単なことでも、複雑な事情と難しさがある。

もっと言えば、「安全な医療」という抽象概念をどう、実効力のある形に落としていくか。
しかも、相手である患者さんには高齢者もいれば、赤ちゃんも、何でも批判したいひともいるし、何にでも難クセをつけたくなる状態の人もいる。。。

こういうのに、どう、対処すればいいか。
たくさんの切り口と、問題点、解決策、アイデアもある。


それを形にしていく方法。

先ず、何でもいいから、みんなに話してもらう。
で、その一つ一つを一つずつのセンテンスにしていく。

顔見知りに聞きにくい
無礼に聞こえる
地方では同じ名まえが多い
生年月日をいちいち言うと煩雑
親しみを感じない
etc etc...

ってなカンジに何個でも。

これらのうち似たものはひとつにして、「プライオリティ順に」並べ直す。

この、プライオリティというのが、デザインには最も大切だ。
すずめ的には、「プライオリティの低いものをいかに切るか」によってデザインが決まると考えている。

そして、その高いものから、これをどう、表現するか決めていく。

たとえば、
最終的に、この企画の患者向けメインコピーは

お名まえをどうぞ
ありがとうございます。

なのだが、
「無礼に聞こえる」
などというキーワードを形にしたものだ。
また、「親しみを感じない。」は、「キッコとユーゾウ」という、ほのぼの系キャラクターで対応している。

また、メインの下につくボディコピー(説明している文章)に、「なぜ」確認が必要かを盛り込んだ。

出来上がったものを見ると、こんなものだろうというようなものだ。しかし、その制作プロセスに医療者を噛ませることによって、より、理解も得やすくなる。使用後に改善のアイデアがもらえても、やりやすい。

また、デザイン的にも狙い加減が分かる。
たとえば、いろいろ接していると、感覚的にどういうものがあるのか、感じることもできる。
ものすごく、おしゃれな、先端のセンスを欲しているのか、それほどではないのか。

っていう、プロセスで作ったツール。
さて、どれだけ受け入れてもらえるか。また、その効果はどうか。。。

ってなカンジで、始動した、

医療安全全国共同行動

是非、ご愛顧のほど。  ちゅんっ。


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