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2011年11月10日 (木)

病院の建築、考えてみた。

さて、どうやれば、いろんな人、利用者にも、働く人にも使い勝手の良い病院ができるか。
考えてみたいと思う。

以前、中国地方の大きな病院の増築の際、相談を受けたことがあった。病院のドクターからのお話だった。工務店さんとの打ち合わせに行き、現地を見たが。。。しかし、結局、何も変えられなかった。正確にどの時点だったのか分からないが、少なくともすべての図面ができあがっていて、床材の色まで決まっていた。この時点で、何が変えられるというのだろう。こんなタイミングでドクターたちに相談をしていたとしたら、もともと、何も変えるつもりは無いのだと思った。素人目にはまだまだ、何にも取りかかっていない頃であり、何でもできると勘違いする。しかし、建築の仕事は複雑で大量の材料を発注したりしなければならない。よほど前でなければ、何もできないのだ。

かと言って、現場の看護師さんたちや医師の方に、「今度病院を改築しますが、どういうのがいいですか?」と聞いても、答えは出て来ないだろう。一昨日の日記にも書いたが、「聞き方」が問題は大きい。よほど建築の専門家でないかぎり、こんな質問には答えられないだろう。

しかし、私は建築に関しては素人だが、現場の仕事を建築の善し悪しは変える力を持っていると思う。
大胆に、建築家さんに読まれていることを知りながら書いてしまうが。

家の設計。よく「うちは古い家だから、不便なのよ。」という言葉を耳にする。
確かにそうだと思う。どう、不便なのか。段差だけでなく、ダイニングが狭くて食事スペースができない。キッチンからリビングへ行く時、トイレへ向かう息子とかち合う。臭いがこもる。
こういう「不便さ」は、キッチン、ダイニング、リビング、トイレ、居室のレイアウトによって、相当改善できる。ダイニングは冷蔵庫や食器戸棚などの標準サイズ、標準的な家族の人数を考えたテーブルのサイズなどを計算した広さにすれば、ちゃんと使えるダイニングになる。これが考えられていなければ、テーブルも置けない、半端なスペースになってしまう。
トイレのドアの向きを工夫するだけで、解決することもあるだろう。マンションなどの広告を見ると、様々な工夫が見えてくる。流行はあるだろうが、昔よりいろいろ研究されているのが分かる。
おそらく、実際の生活の導線を厳密に考えて、朝、夜、家族のそれぞれの事情にそって、問題を洗い出していったのだろう。

そういう工夫。病院の建築ではどれほど、されているか。
例えば、命の瀬戸際で作業する看護師やドクターの導線を研究した設計者がどれほどいるのだろう。朝と深夜では違うだろう。季節によっても大きく差があるはずだ。また、大規模災害の時に拠点となった場合も計算して欲しい。トリアージのスペースはどこにするのか。重傷者の処置と軽症と分けられるのか。こういう複雑な問題。建築家の目で、追跡すれば、きっと問題点が分かるはずだ。
もちろん、プロの設計者がそんな時間を捻出するのは難しいと思う。だったら、研究者や学生さんはどうだろう。
建築科の研究者が医療現場に入って調べた研究は、人間工学会なんかでも、いくつか見かけたことがある。しかし、ものすごく小さな視点のものばかりだった。専門も違うので、そんなに見つけようもないが、こういう視点の研究、あるのだろうか。

さて、提案。
もし、医療関係の方で、もしかして何年か後に、「立て直し」のウワサがある所があれば、自分たちのニーズ、困っていること。建築に関係なくても、個人的に列挙しておかれるのはどうだろう。ここを通る時、他の患者さんとすれ違ってしまった。この場所を聞かれることが多い。ここを通ると時々、寒い。これを運ぶのに時間がかかる。。。
ひとつひとつは些細でも、もしかして、建築が工夫できることはあるのかもしれない。こういうのを考える、「サークル」なんかができたらもっと良いかもしれない。そこに建築関係者が出入りするようになったら尚更。
そんな活動が始まったら、すずめも見に行きたい。

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