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2011年11月17日 (木)

神奈川県D病院の悩み

どう、匿名にしようと思ったんだけど、
どうしても内容的には「神奈川県」ってのは外せないファクターなので、それは実名。
コレは、どこだろーっとか、ダレダそれ?っと、深追いしないでくださいませ。特定できないように一部ウソ混ぜときますので。


この方すずめが勝手に命名してBou医師、新生児医療の担当。悩みは。。。誰でも想像出来る通り、ベッド数が足りない。医師その他が過重労働。その中で、いかに誠実に、力を振り絞って仕事をされてるか分かる。


だがしかし。。。どうしたらよいのだろう。こうした悩み。
デザイナーがデザイナ的発想で考えてみた。


一時、神奈川はお産のできない県として、評判だった。
今も、年間、108名(2006年)もの妊婦さんが、県外へ運ばれて出産をしている。2006年は103名、2007名は67名だそう。緊急性があって、救急車で運ばれる先が県外っていうことだ。要するに、出産年齢人口の割に、産科、新生児医療が不足しているのだ。

さてさて、そういう現実。どういう風に打開したら良いんだろう。。。。

前に、発達障害の件で、文科省の熱血役人さんと飲んだ時、おっしゃっていた。
乳児の問題に取り組もうと思っても、親たちが力になってくれない。なぜなら、発達障害の乳児の親でいる時間は、せいぜい2年。3歳からは、養護学校がカバーする。だから確実にニーズがあるのに、潮流にならない。2年では市民運動が出来るような親が育たないから。
なので、文科省も、市民のニーズを代弁しているつもりではあっても、肝心の市民がいつも留守で、民意を力にできないのだ。
それに比較して、長い子供時代。幼児、学童の問題は大きな声がたくさん上がり、そっちへばかり、力がかかる。

産科の問題も同様だろう。妊婦でいるのはたった数ヶ月。その数ヶ月を過ぎ、出産をどうにか終えれば、関心は無くなる。


この新生児医療の問題にも同じような事情がありそうだ。

新生児医療がお粗末と言われても、危機感を持つのは、出産予定のあるカップルだけだ。子供を産み終わった世代、結婚前の若者は、全く関心無いだろう。
そして、ある日、突然、直面して気がつく。。。。。

ということで、「民意」を作ることが難しいとなると、どうすれば良いのだろう。

ーーーーーー


Bou医師。とある場で、
他の過激な論客さんも勢揃いしての激論。


いろんなデータを見せてくれた。
いかに、困っているか。
先ず、第一に病床が足りない。
だから、県外に運ばなければならない。昨年度は、神奈川から静岡、長野まで運んだ例もあり、そして、そこで出産で過ごした人もいるという。まさに、たらい回しといっても、たらいの中だけじゃなく、外へこぼさざるをえない状態なのだ。


こういう問題。どうすれば良いのだろう。

これがもし、ビジネスだったら、どう、考えるだろう。まず、現状を明らかにして、その上で、何をどうすれば、どうなるのか。。。具体的に方策のプランを立てていくだろう。

たとえば、足りない足りないと行っても、いくつ足りないのか。
一病院当たり、3床足りないのか、30床足りないのか、100床かによっては、その対応が全く違う。
神奈川の場合、この施設の場合どうなのだろうか。

たとえば、
人口統計から、また、前年度の記録から、今年の出生数は想定できるはず。
その中で、何パーセントの子供が特殊な新生児医療を必要とするか。(平たく言えば、昨年何人いたかということでもあるだろうが)
そして、そういう子供たちの平均入院日数。その地域的なばらつきを出して、それに、新生児医療に対応する病院の位置を重ねると、実際、各々の病院で、何床が月平均、一日平均必要かがてくるはず。これが、「ベースの必要なベッド数」。これに、救急の新生児搬送の一日の件数(のマキシマム)をこれにオンすれば、それに「予期せぬベッド数」を足したことになるのではないだろうか。
要するに、ベースの必要なベッド数は、ほぼ、稼働させるべき数。そして、「予期せぬベッド数」は「もしも」のためのもので、基本的に空けておくもの。
それと、現状との差はどうなのか?
(ここまでの算定の様子、パワーポイントなんかでやったら、さぞ、きれいで分かりやすいスライドができるだろう)


一般的に、病院の上層部には経営的にベッドの稼働率が100%に近ければ近いほど良く、空けておくのはナニゴト!という意識の所も少なく無いという。こういうのを変えるには、イメージで信じ込ませる手も良いのかもしれない。
上で書いた算式は、素人のすずめの浅知恵でも思いつくものだから、専門家にとってはお遊びに違いない。おそらく、その結果的な数値は、頭の中でおおよそ分かっているものではないだろうか。

しかし、ポイントは、すずめのような浅知恵でも思いつく範囲、要するに、素人でも分かるロジックということなのだ。市民でも分かる。そして、市民でも、どれくらい足りないか、分かる。イメージで。

すずめも、こうやって導きだされる数値は、机上の空論であること、重々承知している。しかし、空論でもビジョンになる。おそらく、後足りないベッド数は、50床ではないだろう。県内すべての施設にせいびできたとしたら、1施設あたり、一桁の数ではないだろうか。一桁なら、どうにかなりそうに思えないだろうか?

これが第一歩。

おそらく、これに、このベッド数に相当する人員、その他を掛けると、実はバカにならない大きな数になるんだろうとは思う。だけど、手に届きそうなイメージって、市民には大切だ。もちろん、市民をお客さんにしている、政治家さんにとってもそうだろう。
何よりも、これで算定できる数字は、ビジョンになる。
ちょっと、イメージより大きい数字になってしまったら、5カ年計画とかって、分割払い?の手もある。
テレビショッピングみたいに、なんだ、安いじゃん。
そんなのって、大きい。


ーーーーー
でも、じゃあ、こういう予算。どうやってどこから持ってくるのか?

さて、そこからはデザイナ的発想。

東京では台東区だったか、「新婚さんいらっしゃい」キャンペーンをやっていた。その他の自治体でも。
要するに、家賃補助をして、新婚カップルに住み着いて貰おうというのだ。どこかのニュースで見たことがあるが、この経済波及効果は大きい。具体的な数値になっていた。新婚さんは、家具も買ってくれるし、もちろん、マンションだって買ってくれる。地元の商店街で生活用品やおしゃれな服も。財布の紐は高齢者や子育て世代より緩いのだ。新婚カップルが何割増えれば、どれほどの経済波及効果があるか。おそらく、その道の研究者には自明ではないだろうか。

この舞台としての、神奈川。どうだろうか。
すずめには、非常にピンとくるものがある。

若いカップルの人気デートスポットに、横浜みなとみらいがある。おしゃれで、良いイメージだ。デートのついでに、不動産屋さんを回ってもいい。なるほど、よくマンションなどの広告も配っている。
それだけでなく、そこそこ大規模な公団や県営の団地も、便利な所にある。東京の多摩ニュータウンのようなバス便の場所ではなく。もちろん、マンションもたくさんある。
彼等が東京で仕事をしていたとしても、アクセスは悪く無い。東海道線を使えば、30分で東京駅だ。
渋谷も近い。それだけでなく、みなとみらい以外にもIT産業などを誘致しようとした大規模開発を行った地区がある。そういう所で働いてもいい。
実のところ、みなとみらいの広大な土地、その他、持て余しているんだろう。彼等も焦っているはず。


神奈川には、いろんなバリエーションがそろっていて、
そのイメージも周知されている。
セレブ好みには、山手や横浜、みなとみらい。
下町で、逞しくというイメージの地域もある。
大学城下町で知的な街もある。
こういう各地域が持つイメージを戦略的に、そして、総合的に、組み合わせて、若いカップルを誘う。

イマドキの若者に「かっこいい」と思わせる土地柄。
他の土地は、そういう好感度イメージを作り出すことからはじめなくてはならない。しかし、横浜や多くの街にはすでにそれがある。
これは、神奈川ならではの財産だろう。


ーーーーーーー
しつこく昨日の続きですけど、
でも、これでラスト。

「出生地 神奈川」ブランドの戦略


では、「新婚さんいらっしゃい」の目玉は何か。
ずばり、子育て。

産科、小児科医療、保育園、小学校。
そういうものの整備。
今、女性の結婚、出産年齢は上がっている。企業でキャリアを積み重ねた女性はたやすく仕事をあきらめられない。お金の問題じゃない。補助なんてもらうより、働き続けられる方を取るのは当たり前だ。しかし、それがなかなか難しいのだ。月齢によってはなかなか保育園が見つけられない。預かってくれる時間も限られていて、残業、出張はできない。風邪でもひけば、1週間やそこら、休まなければならない。しかも、突然、職場に呼び出しがかかる。。。。これ、行政がサポート可能な範囲だ。
そしてその最初の入り口としての、産科、新生児医療の整備。
実際、他のものの拡充に比べたら、小さな金額じゃないだろうか。
地価を安定させるための予算や、道路、その他、ナントカ経済を活性化させたいと思って作るいろんな予算。
すっごく大きな数字だ。3000円以上は計算できないすずめには、見た事も無いようなゼロがいっぱい。
だけど、たとえば、現在、県内には33のICUを擁する施設があるという。そこにちょっとずつ、ベッドを賄う予算をあげるだけじゃん。(っと、簡単に言いのけてみる♪)

「神奈川ではお産はできない」
というようなウワサは払拭し、
「神奈川生まれの赤ちゃん」が欲しいと思わせる戦略。


いろんな地域が行ったキャンペーンは主に家賃補助などだが、この効果、どうなのだろう。
若いカップルには、そんなのより、イメージが大切なのだ。そんなの、不動産の動向を見れば明らかだ。イメージの良い街は、どんなに住みづらくても、地価も、賃貸価格も高い。
お役所が、神奈川の医療は高度。と宣伝しても若者は魅了されない。
だが、ランドマークタワーで休日を過ごす新婚カップル、赤煉瓦倉庫でお茶を飲む妊婦、そして、「湘南生まれの赤ちゃん」そういうイメージの力ははるかに大きい。


そして、このプランで来るカップルの数。彼等の行う経済活動。住民税。
きっと専門家なら、計算はお手のモノに違いない。
その中の一こまとしての、産科、小児科医療の整備。
上記のベッド数の拡充、いくらかかるか、計算出来るはず。
収支計算、ちゃんとおつりがくるだろう。


手に届きそうな範囲。
そんなに遠いものじゃない。
やればやれそうかも。
そういう、イメージって大切だ。

昨今、お役所は悪いというイメージにみんなが取り付かれている中、
「良いイメージ」に取り憑いてもらってもいいんじゃないだろうか。

実はこのBow医師。
すずめに見せてくださったのは、
どこかに出す論文。
じゃ、こんなビジョン。そのベースデータ。
次の論文にして、出すっての、どうだろう。
ペーパーになってれば、
引用してもらえやすい。


っというデザイナ的発想。
表に見えているものは、イメージ。
だけど、本当の中身は、そういう数値。
夢みたいなモノに輪郭線を描き、それを形にする。
それが意匠/デザイン。

即後日談

すずめの口先も捨てたモンじゃない。
この働きかけが本当にされそうだ。

震源地は、ネットじゃすぐそばにあるから、
伝わるのも早いなあ、

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