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2011年6月17日 (金)

玄海原発 真実の主張とウソ

玄海原発 知事が再開に前向き
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1640851&media_id=2

玄海原発の
一号機は75年に
2号機は81年に建てられている。
現在、2号機は定期点検中だが、1号機は通常運転中。
ともに古く、大した発電能力は無い。
定格電気出力: 55.9万キロワット


http://suzume6.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-70b0.htm


3号機はMOX燃料を使っている。これは定期点検中。

再開ということは、この3号機と2号機のことになる。
3号機はプルサーマル、
事故が起これば、プルトニウムを飛ばすことになる。
是非、再開は止めて欲しい。
そして、75年に建てられた1号機も、停止させるべきだ。

1号機は止めても、たった55万キロワットだ。
節電などの努力で賄えないだろうか?


ところで、
この記事中、「人体への影響」という項目があるが、
おそらく、玄海原発周辺での白血病の増加というウワサを反映しているのだと思う。
原発を止めるベキということには賛同だが、
不適切なデータを論拠にしてはならない。

なので、下に。


玄海原発付近で白血病が増えている?


------


原発に関するいろいろな嘘は随所で散見しますけれど、これも要注意であると思います。

 厚生労働省の「人口動態調査」によると、人口10万人に対し全国は6.0人、佐賀県は9.2人、唐津保健所管内は16.3人、玄海町は61.1人と全国より11倍も多い。

------

そもそも、九州には風土病のように、白血病があったと聞きます。

ATL多発が要因か 03―07年の白血病死亡率 九州54市町、全国比2倍超 本紙集計 感染予防 地域で格差

http://achh-gan.com/?p=3968


ここで、最もトリッキーだと思うのは、数字のマジックです。


人口の4分の1が65歳以上である玄海町ですが、
人口は7000人未満。10万人あたり60.1人ということは患者が4人いればこの比率になります。たまたま2人になれば、半分。
こういう母集団の小さなものを、統計処理してしまうことは詐欺に近いと思います。


このようなデータを原発反対の根拠に使うのは、問題では?

http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-4139


更に細かく調べてみます。

<1998~2002年の5年間平均> <2003~2007年の5年間平均>
全国平均       5~6人            5~6人     
佐賀県全体     8~9人           9~10人
唐津保健所管内 12~13人         15~16人
玄海町       30~31人         38~39人
(人口10万人あたりの白血病による死者数)

佐賀県と唐津保健所管内と玄海町の白血病による死亡の状況
(人口10万人あたりの白血病による死者数)

             佐賀県   唐津保健所管内   玄海町
平成10年(1998年) 8.4      12.5       26.5
平成11年(1999年) 8.2        9.1       26.6
平成12年(2000年) 8.9       16.3       43.0
平成13年(2001年) 8.9       12.1       28.7
平成14年(2002年) 7.2       11.4       29.2
(98~02年の平均) (8.3人)    (12.3人)   (30.8人)

平成15年(2003年) 7.8        13.6       0(※)
平成16年(2004年) 10.0      19.5       88.3
平成17年(2005年) 10.7      15.3       14.9
平成18年(2006年) 8.5       13.9       30.1
平成19年(2007年) 9.2       16.3       61.1
(03~07年の平均) (9.2人)    (15.7人)   (38.8人)

※玄海町の人口は05年現在で約6700人で、03年は白血病の死亡なし
厚生労働省人口動態統計より


------

案の定、60倍を誇る玄海町の白血病者数は
ゼロという年も出て来てしまいます。(2003年)

もう一つ、大きなバイアスの可能性としては、
こういう「白血病の多い町」という場所では、それなりの検査をしようとする人も多いであろうこと。いずれにしても、統計として引用するには、無理がありそう

以前、佐賀県での心肺蘇生率、100%で一位というデータがありました。
母集団は2人でした。母集団が54人の東京はワーストと報道されていました。。。

-----

参考:


全国の白血病死亡率については
厚生労働省の「人口動態統計」に都道府県別が掲載。
(政府統計のHP(政府統計の総合窓口)より

http://www.e-stat.go.jp

平成20年人口動態調査(上巻 表5-19)都道府県別にみた死因簡単分類別死亡率(人口10万対)

平成19年人口動態統計特殊報告(都道府県別)表1-20都道府県別年齢調整死亡率・年齢階級別死亡率(人口10万対),白血病・男女別

佐賀県
平成19年、20年の人口動態統計の第13表、16表

http://www.pref.saga.lg.jp/web/_1375.html

九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開問題で、佐賀県の古川康知事は17日の県議会一般質問で、「中部電力浜岡原発の停止要請問題を除けば、国の説明は一定程度理解できる」と述べ、国に求めていた再開条件が一部を除きクリアされたとの認識を明らかにした。これまで古川知事は一貫して運転再開に慎重姿勢だったが、初めて前向きな考えを示したものだ。

 一方で、古川知事は浜岡原発の停止問題について「海江田万里経産相の説明が必要だが、まだその段階ではない」と述べ、納得できていない再開条件に浜岡問題が残っていることを強調。今後、経産相との会談時期や、経産相がこの問題に関して知事にどう説明するかが焦点となる。

 運転再開問題を巡り、古川知事は国に対し(1)福島原発事故は地震による影響はなかったか(2)なぜ浜岡原発だけに停止要請したか(3)MOX(ウランとプルトニウムの混合酸化物)燃料を使用していたことによる環境への影響の有無--の3点について疑問を呈し、これまで2回にわたって原子力安全・保安院から説明を受けていた。

 (1)について古川知事は「庁内で一定の理解はできたが、専門家の意見も聞いて判断したい」と説明、(3)は「人体への影響が出るレベルにはない」と判断したという。ただ、(2)に関しては「このままでは理解できない。最終的には経産相の説明が必要だ」と述べた。【竹花周】

------

実はミクシーで、ある方へのこの議論に関するコメントで、興味深い記述を見つけた。

ドイツ政府によって実施された『KiKK研究』
5歳以下の子どもが小児白血病を発症する危険性について、居住地と原子力発電所立地地点の距離が近いほど増加することを科学的に立証。
『KiKK-Studie』。報告書
http://www.bfs.de/de/bfs/druck/Ufoplan/4334_KIKK.html


しかし。。。

なぜ、日本の厚労省の人口動態調査では関係が出ていないのに、こんな結果が出るのだろう。

専門家が精査しているものがあった。

http://d.hatena.ne.jp/buvery/20110608

過激な誇張だとしている。

解説にもあるが、原文から推測するに、
論文中では、実は調査結果として、小児がんと原発の明確な相関を示唆していないようだ。

と、思っていたら、
つい最近 Nature News にも原発と白血病とは無関係っていう報告(COMARE)が紹介さ
れているという事。


上のKiKK studyへの反論か。

Nuclear power plants cleared of leukaemia link
http://www.nature.com/news/2011/110506/full/news.2011.275.html

こちらも、同じ研究者からの解説を見つけた。

http://d.hatena.ne.jp/buvery/20110515

(ネイチャーのサマリーより、分かりやすい)

結論として、両方の論文、それからこれまでのいくつかの研究から、
原発と小児がんの関連性を証明するデータは今の所無い、ということのようだ。


うーん。
こういう記事の周りには、
いろんな引っかけがあって、油断にならない。
統計は「科学」の服を着てても、用心すべしってコトかな。

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コメント

2009年4月に玄海1号機圧力容器の金属の脆性遷移温度が98度と
東大の井野教授は日本一危険な原発と発表。
その後,現在2011年7月まで1号原子炉内の金属の脆性遷移温度のテストデーターを
九州電力は開示しません(2011年7月1日の新聞では
安全だから掲示の必要無しとの九電の回答でした)しかし
それはおかしい!!,
実は2009年以降のテストピースがなくなりましたと
当時の九電が発表してます。テストピースが無い為に2010年2011年ともに
データーが有りません,開示拒否継続中,
すなわち開示しないのでは無くデーターを採らないで稼動継続中が真実です
(原発1機で1億円/月の収益と玄海町へ毎年20億円/年の交付金)
*福島事故以来 玄海町へ保安委員が訪れ"それはいささか乱暴です"と言い
帰りました・・津波対策の防波堤が必要ではとの回答は"乱暴"の言葉で却下されました
前回の知事選では例年通り九州電力が全面的にスポンサーとなり古川知事は圧勝されました,
また古川知事さんのお父さんは現役の九州電力社員ですが
とにかく九電と仲がいい。
7月1日の新聞では 県議の質問で"安全との根拠はなんですか"の質問で
古川知事は"安全を保障すると海江田経済産業省から聞きましたので
政治的に安全と判断しました"との答弁でした
津波対策の防波堤作ってから言うので無く
・政治的に立場上判断しました・・で有る
・・海江田氏発言で大規模事故が起きても知事の責任を逃れられるので
やっと安心されたのでしょう
癒着を怪しむ県民にうまく慎重配慮されました
今後は既成事実 お決まりの説明会の規制事実を経て原発爆破・・でなかった
 強行再稼動が待ってます 正々堂々と政治献金もいただき
 大口応援電力団が待ってます。 
//cnic.jp/files/Genkai3MOX_20060421.pdf
あとはシナリオ通りになっても"未曾有 想定外 予期せぬ”の単語を並べられるでしょう
シナリオその例:1号機震度5地震時に緊急冷却停止時98度以下の冷却水により
圧力隔壁爆発で
大部分の核ペレットが飛散/原発作業員一斉退避/数日後プルトニューム入り
3号機爆発/九州北部山口四国大阪、放射能管理区域 死者数百万人以上
 被災者数千万人 海外受け入れ拒否問題発生 政治家高級官僚国民見捨てて国外逃亡
2020年前後日本経済破綻でなくそれ以前に放射能汚染による破綻でした
後世・・”無関心ほど怖いものは無かった" ワイドショー 関連本大ヒット
・・2030年以降の核融合発電普及に間に合いますように がんばるしかない
今は子供でも将来を担う人々の為には絶対に諦めないぞ知事!!!!
・佐賀県玄海町 TEL:0955-52-2111
・佐賀県知事あてメールフォーム:https://www.saga-chiji.jp/teian/top.html
・秘書課 FAX:0952-25-7288
     TEL:0952-25-7007

投稿: 想定害 | 2011年7月 2日 (土) 02時48分

想定害さん、コメントありがとうございます。

ご案内いただいた知事室に
早速意見として送らせていただきました。

投稿: すずめ | 2011年7月 8日 (金) 17時13分

玄海原発の最新ニュース

http://ggtms.com/p/gpgenkai.html

活用いただければ幸いです。

投稿: ガイガータイムズ | 2011年7月31日 (日) 23時35分

ガイガータイムズさま

!!

すごいですね。情報のひと財産。

また、訪問させていただきます。
ありがとうございました。

投稿: すずめ | 2011年8月 1日 (月) 13時12分

すずめさん、ありがとうございます!
現在、博多に住んでいるのですが(玄海原発から50Kmの距離)、もし玄海が爆発した場合、とても住み心地のよい博多の街はゴーストタウンになる可能性があります。
そう考えたら、いてもたってもいられずに、ガイガータイムズを作ってしまいました。
今後、力を合わせて、日本の全原発の息の根を止めていきましょう!
今後、よろしくお願いします!

投稿: ガイガータイムズ | 2011年8月 1日 (月) 17時49分

ガイガータイムズさん

>そう考えたら、いてもたってもいられずに、ガイガータイムズを作ってしまいました。

共感します!

私はこういうの、作りました。

http://www.geocities.jp/bosai2011
http://www.geocities.jp/saigai2011

投稿: すずめ | 2011年8月11日 (木) 18時14分

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