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2011年1月 4日 (火)

サンデル先生の魅力

前に書いたマイケル サンデルのハーバード白熱教室。
お正月、ずっと通しでやってた。

やっぱり、まだ、人気は衰えないんだろう。

ちょっと前、彼の方法を真似た授業を Y市立大でやった番組をちらりと見た。
チラリと。。。というのは、見るに耐えなかったから。
途中からちょっとだけ見て、飽きた。


学生たちに、
自分たちで選ばせたテーマで研究させ、
それを発表させ、
討論しようというもの。

教室の後ろには大人たちが立ち、討論に参加してる。


「環境を大切に」
「例えば、制服をペットボトルで作るなどという方法もあります。」

みたいな。。。

そのまんま、小学生だ。

環境を守るような産業を育てるべき。。。。みたいな。
そんなの、誰でも、小学校低学年でも知ってるハナシだ。
オトナが考えるべきは、それが現実的に、どうしてきちんと回っていかないか。
そこから少しでも良くする道を見つけるべきって言うことじゃないのか。

制服をペットボトルで作る際に、どれだけの環境負荷があるのか、
その負荷を計算したら、本当にそれは正しいのか、
他の方法を考えるべきではないか。。。
その他の方法はうまくいくのか。。。?
そういう議論、すべきじゃないの?
環境を守ろうなんて、いろんな方面からいろんな人たちがイロイロやってて、その成果が現在の日本。
その成果がどれだけあったか(実は、成果的には日本は世界に冠たるエコ産業立国でもある)、どの部分にまだ努力の余地があるか。。。っということのはずでしょ。

なのに。。。
「ペットボトルの制服」に、
誰も反論しない。
まさに小学生の総合学習の発表会並み。


で、思った。

この子たち、
どういう専攻か知らないけど、
考えてみると、上のような反論はある意味で、理系の範疇なのかもしれない。
そこには限界があるかもしれない。


そこから、
ハーバードでの議論を思い出してみる。
議論のレベルの差は歴然だけど、
それは、本当に、学生個人の知的レベルの差なんだろうか?
もしかすると、
ハーバードの子たちにも、こういう方式でやらせてしまえば、
同じようなマヌケさを持ってしまうんじゃないだろうか。
なぜなら、大統領選のディベートでも同じようなマヌケさがあるのだから。

環境問題に対する政治的、科学的なバックボーンをすべての学生が持つべき。。。とは思わない。というか、そういうのがあるかどうかは、本来問題じゃない。彼らの専攻とは関係無いんだし。


ハーバードのクラスと
Y市立大のクラスの差。

これは、
導く教授の差に他ならないんじゃないだろうか。
サンデルは、バックボーン的な知識の差が出るようなものは回避させる。
唯一、哲学の授業であるから、ジョンロック、ロールズなど、哲学系の理解をベースにしているだけだ。
他は、全く問わない。だからこそ、国籍を問わず老若ニャンニャン、あらゆる知的レベルの人たちに楽しめるのだ。
具体的な例として用いるのは、
かなり普遍化させたのみ。

イチローの年収
100年前の船の事故の裁判
親切過ぎる車の修理工。。。


そして、
学生たちの誰もが、
マイケル サンデルの個人的な哲学者としての方向性が、
コミュニタリズムにあり、それはリバタリアニズム VS 社会という軸の上に乗ったものであり、
その軸のベクトルをはずさない「マナー」を持っている。
だから、どのディベートも、サンデル自身の誘導もあるが、
同じ方向に帰結していく。
誰も、例えば芸術論とか言い出したりしない。
もし、そういうのを誰かが出してきたら、きっとそれさえ、「社会との関わり」っぽくまとめられて行くんだろう。
ディベート的能力のトレーニングっていうのは別。
だって、実際、彼らはその議論のゴールがどこか知っていて、(しかも結果的には結論/勝敗を言い切らないのがサンデル先生ってのも知ってて)
反論してる。反論者も、最後は切られると知ってるから、節度を守って(イコール八百長的に)突っ込んでる。
ホントに討論して勝ち負けを決しようと思ったら、大統領候補者対決みたく、機関銃の打ち合いみたいになっちゃうんだろう。


これって、
考えてみると,
たとえば、算数の鶴亀算とかを学生たちに理解させるための、「仕掛け」と同じだったのかもしれない。
ただ、その仕掛けの大きさが壮大だったけで。


ってコトは、
きっと多くのセンセイたちが思ってると思うけど、
同じような哲学や政治学みたいなテーマでやる必要は無い。
全く別のでも良いかも。
例えば、絵とかでも?

あ、そういえば、
学生時代の講評会(作品を提出した後の講評はいつも公開で行われ、ホントはそれが一番勉強になると誰もが知ってる)
ってそういう形に近かったかも。
ただ。。。センセイに突っ込まれて、延々と口先で弁明する度胸があるヤツはいないだけで。
そうそう、
サンデルの次は、ビダイの講評会ってのを公開したらおもしろいかも?

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http://suzume6.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-4071.html


すずめ、サンデル先生が東大でやった講義に参加しちゃいました。
そのレポートを上の日記から何日か書いてました。
(カテゴリー サンデルサンデルにもいくつか書いてあります)

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