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2010年4月13日 (火)

石膏像 ラブ6

ボルゲーゼのマルス

http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-160

これは好きだ。石膏デッサンが「分かった!」と思った作品。
まず、顔が美しい。これも本当は顔が下を向いていて、本当は難しいのだが、胴体との位置関係、胴体の量感との差があるので、解決策が見えて来やすいのではないだろうか。ギリシャ婦人のような作品が、その顔と骨格の位置関係を説明するのが難しいのに比較して、このように首の角度を説明してくれる体が見えている方が、論理性を持たせられる。
それに顔の繊細さ、胴体の量感。。。そういうコントラストも挑戦したい魅力を備えている。
ヘルメスの髪の毛ようなイヤラシイ要素も無い。繊細に描いてもよし、大胆に量感を出してもよし。いろんなアプローチもできる。

この像、ギリシャ彫刻ではなく、ローマ時代の模刻。原作はブロンズ像でギリシャ神話の軍神ゼウスとヘラの子オリュムポス12神の中の 一人、ボルゲーゼというのはローマ枢機卿シピオーネが造った別荘。


青年マルス(面)

もうひとつのマルスが有名なので、こっちは「青マル」と呼ばれたりする。

http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-226

石膏像中、一番のイケメン。
あまり有名ではないかもしれないが、シンメトリーで最も描きやすい像だろう。特に、頭像ではなく面は組みしやすい。ということで、Me~ちゃんの入学祝いにしたことがある。


ボルゲーゼのマルス (面)
その後、やはり練習用に、我が家でも、ボルゲーゼのマルスの面を買った。
こっちもイケメン。


メジチ(面/頭像)

中学のころ、卒業祝いに美術の先生が下さった。これも、CHAはよく練習した。
言うまでもなく、ミケランジェロのこの像、美しい。
あまりに美しすぎて、好きになれない位だ。マルスなら神様だからしかたが無いけれど。

http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-254

メジチの頭像もまた、よく描かれる。頭像なので、難しくないのだが、えがきなれていた割に、難しかった記憶がある。やはり顔が前に出てるからだ。


20070210203300.jpg 197×236 ピクセル

これが全身。
有名なメジチ家のお墓
ジュリアーノの下
その下は昼と夜のメジチ。
http://drab.at.webry.info/200808/article_4.html

ホントはロレンツォとピエタも一緒に出てるのもあったと思うんだけど、
見当たらない。


ギリシャ婦人

http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-166

これも「負けた」と思った。今も、一番難しいのはコレだと思っている。
昔、負ける以前に、敗退して、以来、挑戦していない。
なので、一度も描いた事が無い。
自分の技量がそこまでになったら、もう一度描こうと思ってやめて、とうとう、その日は来なかった。右からの横顔以外は難しい。
難しいが、美しい。
これだけ美しいのだから、負けてもしょうがないかな。ヘタには描きたく無いし。。。
ヘルメスはイヤラシい髪の毛とか、いかにも面倒なだけのどうでも良い要素がたくさんあるが、彼女は髪の毛もそこそこ難しそうではない。
それなのに、難しいのは、この骨格の複雑さにある。
本当なら、この角度でこの構造、重量的に自立できないはずだ。
おそらく見えていない部分の肩から下の骨格が、この複雑な角度を作り出しているのだが、そこまで説明しなければ、像として成り立たない。見えない骨格を、更には切り取られている力学的構造を首と肩の角度によって描くむずかしさ。そしてその複雑な要素を、さらりと美しい表情に隠している。

うーん。
憎い。

ということで、CHAは今夜はコレを描いている。
2枚目。最初の1枚は私が負けたのと同じ角度で、負けている。
次は、最も易しいはずの右からの横顔。この角度だけは首が横に斜めになってくれて、説明しやすい。

浪人したら、一年かけて挑戦すると良い。


ジョルジョ


http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-157

ファンが多い像だろう。大きい割に描きやすい。顔がイケメンだというのも大きい。これも美大に入って、大きな全身を見て、描きたいと思った。
本当は全身像

http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-114


胸板が厚い。量感と繊細な顔。
首の下の結び目、衣装、意外に描きやすい。このラインは量感をフォルムにして表現する良い素材になる。位置関係も表現しやすい。顔も繊細でメリハリがしっかりしているので、描きやすい。髪の毛もそこそこ。

難しそうに見えて、成功しやすい像だろう。
私も、良い作品が描けた記憶がある。

ロレンツォ作。

こんなに魅力的な石膏デッサン.
普通の人には難しい。だから、ちょっとやってみても、全然うまく描けないので、粘って描いても、最終まで描けない。
達成感が持てない。実力が無いと、いくら練習しても結果は悲惨。
うまいかへたか、残酷なまでに露呈させてしまう。


本当は、楽しい。
技量の少なさに対してはとことん厳しいが、
それだけに、うまくなりつつある自分もちゃんと感じさせてくれる。


夕暮れの美術室で、
いろんな事を1人で考えながら、
黙々と描いた時間を思い出す。
石膏は、その像と対峙しながら、
いろんな事を考える時間も作ってくれる。

本当は、これほど良い練習は無い。

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