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2010年3月

2010年3月30日 (火)

石膏像 ラブ3

ゲタ

http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-158

彼は有名なカラカラの弟だ。

http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-189

カラカラ帝の像も有名だが、石膏像はゲタの方が親しまれている。カラカラは1度位しか描いた事が無いと思うが、ゲタはいろんな角度でよく描いた。


ゲタ将軍(推定)

カラカラ帝の弟。
212年 大理石
イタリア、ガビィ出土
ルーヴル美術館収蔵
父セウェルス帝は兄弟での共同統治を望んでいたが不仲で父の死後敵対し、ついに兄カラカラに母親の前で殺されてしまう。

大きさ的には難易度Cクラスだと思うが、
これは描きやすい。頭など、ミョーに難しい部分も無く、顔もわずかに左を向いているだけで、骨格としてはシンメトリー。言うまでも無く、石膏も人としての骨格を意識して描かなければならないが、こういう左右均等な力関係を持っていると、筋肉のバランスなどシンプルなので、見えているままを描くだけで説明ができていることになる。

この石膏像、面白いのは、胸板のボリューム感。前から見ると、ものすごく厚い胸板があるように見えるが、しかし、後ろ側はゴッソリ削げている。
横面から見ると、これが斜めに切り取ってあるところが見え、ちょっと魅力的だ。頭から肩への巨大なボリュームに対して、つま先一点で立っているようにも見える。


アグリッパ

ローマ帝国伝説の名宰相のアグリッパ像はローマ人の理想として人気が高い。
B.C.30~B.C.20頃、大理石、イタリアガビイ出土、ルーヴル美術館収蔵。

小中学校のころ習っていた画家さんの所で、初めてデッサンしたのが、この像だ。小さく、そんなに難しく無い。
いろんな神々の神々しい顔と違って、非常に魅力的だ。

http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-186

シーザー 胸像アンティオコス3世

http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-199


多摩美の受験はコレが出て来た。
当時も今も珍しい石膏像だろう。

私は真横の逆光が当たったので、
前からの様子を知らなかった。
小さめの像で骨格的にはシンプルだ。

選べるなら、真横は選ばないなあ。(そりゃもちろん)
逆光は像の真ん中を真っ黒にしていかなくてはならない。像のボリューム感を描くのが難しい。私は薄い色の鉛筆で、石膏の「白」を塗り込めて、存在感を表現することによって、これを出そうとした。

パジャント


http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-155

pagyant
パジャント
ギリシャ・ヘレニスティック期(前3世紀)のローマ時代模刻
ギリシャ女性
作者不詳

ゲタにならんで、ボリューム感はあっても、易しい像だ。
左右はシンメトリー。面白いのは切り取った胸部。
本当はブルータスのように量感があるんだろうが、この切り取った切り口が、私には魅力的だった。
頭部がシンプルなだけに、こういうので面白い構図を選ぶとちょっと良い感じになる。


アマゾン

パジャントにならんで、大きな胸像タイプでは描きやすいもの。シンメトリーの所が物足りないが、角度を変えると美しい。

http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-163


Ariadne
アリアドネ
(アリアス)

http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-165


クレタ島の王女。クレタ王ミノスとパシパシェの娘。妹はパイドラ。人間の体に牛の頭を持つミノタウロスは異父兄弟。テセウスに糸玉を与えて怪物退治を助けた。 酒神ディオニュソスの妻。
ローマのカピトリーノ美術館に石膏像になったものと同じ首像があるが詳細不明。ギリシャ彫刻のローマン・コピーか。


これは難しかった記憶がある。
ゲタやパジャントはまっすぐ向いているので易しい。
これも易しそうで難しい。よくデッサンの作品紹介にあるが、あまり良い作品を見ない。難しい理由は、頭を前に出している所。額を前にしている像というのは難しい。ただし、角度によっては、この額が前にならず、単なる横顔になってくれるので、難しく無いだろう。これが入試に出たら、不公平だろうなあと思うテーマだ。右側からなら易しいが、左側だったら残念。
もうひとつ、顔が影になりやすく、影の形によって、顔立ちの印象が激しく変わる。更にモンクをつけるとしたら、頬のラインがキライだ。
何度か描いて、うまくいかなかった記憶がある。

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2010年3月27日 (土)

石膏像 ラブ2

さて次

モリエール

http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-154


これも、ファンが多いだろう。
我が家の玄関には彼がいる。

モリエールも難易度としてはC
でも、意外に形が取りやすい。
18世紀、ウードン作

いろんな石膏像があるが、この像ほど、角度による表情、描画にバリエーションをもたらしてくれるのも無いだろう。
正面も良いが、右向き、左向き...いろんな表情がある。それだけじゃない。スカーフと首、顎の距離が深い。
見上げた時、その近さによって、顎の表情が変わる。
横顔がまた良い。左向きの横顔では身体も横になるが、右向きだと、身体は正面、顔だけ横になる。この位置関係による微妙さが、大きな魅力だ。
もうひとつ、この彫刻の細部が面白い。ギリシャ彫刻など、どうしても、発掘されたものには、ディテールが無いが、これには繊細な部分がある。これを大胆に無視するか、描ききるか。。。どちらも面白い。
髪の毛など、面倒な像も多いのだが、モリエールはまあ、取り組みやすい。

そういういろんな魅力に満ちているのだが、比較的、描くのは易しい。
首が曲がっている像はこの角度を肉体の中で脈絡をつけて、二次元の絵として説明するのが難しい。
しかし、彼は比較的単純に左を向いているだけなので、その辺りが易しい。

ミケランジェロの奴隷
瀕死の奴隷


http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-104

ミケランジェロの奴隷像は全て教皇ユリウス2世の墓廟のために作られた。
計画は30歳(1505年)に依頼されたが変更・縮小され72歳で4体が作られ未完のまま現存。肩と胸にまわされた帯状の布は呪縛を表現。
「瀕死の奴隷」「抵抗する奴隷」の2体は18C末にルーブル美術館収蔵。
1514年頃、大理石、ルーヴル美術館。

高校のころ、行っていたデッサン塾に大石膏があった。

でも、こういう像は難しい。
デッサンをする紙は、B2か木炭紙が多いのだが、紙は四角。
その真ん中に細い棒が一本。よく見れば奴隷。そんな構図になってしまう。


私が描いた時は、切るのも分からず、真横から全身を入れた。
ボリューム感が無く、うまくいかなかった。


膝の辺から切るか、いっそ胸から上にするか。。。
と考えたが、どちらにしても、紙の外で足から下を切るのが、何か安定感が出なくてできなかった。

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石膏像 ラブ1

なんか、ここんとこ、ずっと更新してなかった。
なので、久しぶりに。
趣向を変えて石膏像のハナシ

美大を目指した事があるヒトにはいろんな思い出があるはずの石膏像。
とは言っても、デッサンで考えると、石膏像はとても特殊だ。静物の練習をいくらしても、石膏は描けない。(逆に石膏が描けるぐらいなら、何でも描ける)だから、受験生は、目指す大学に石膏デッサンが無ければ、ほとんど練習しない。昔、私の第一志望は多摩美のグラフィックで、そのころ、石膏だった。今も美大の最高峰はタマグラだけど、石膏じゃ無い。
石膏を課題に出すのは、芸大位かな。

なので...石膏デッサンはめっきり人気が無くなってきた。石膏デッサンの本もほとんど無い。


だけど。。。

石膏にハマった事のある人なら、
その楽しみは分かる。

ってコトで、
自己満足的に石膏像の思い出。

いろいろあるが、自分の描いた事のあるものを中心に。


http://www.yumegazai.com/default.asp?cd=682010300&dp=20


ブルータス

石膏像といえば、先ずコレ。
って感じのブルータス。

http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=product&pc=zk-2531-153

彫像はミケランジェロ60歳の(1539頃)メディチ家依頼による未完作品。 頭部のみミケランジェロの手により、体は弟子カルカーニにより完成。

昔、石膏像の難易度があったが、ABCDと分けると、
ブルータスはC程度だろう。


石膏像の難易度から考えると、比較的フォルムを追うのが易しい方だ。
だから大きくて難しそうな割に、失敗無く描ける。


同じ彫刻作品としても、価値の高いものだと思う。やはり、ミケランジェロ。その腕には誰もが魅かれるだろう。

ブルータス

描いてみるとおもしろいのだが、彼の胸の厚みはすごい。
高校のころ、「抱きついてみなさい」
と言われて、その胸板の厚みに驚いた。
デッサンにあたっては、この厚み、重量感を表現しなければならない。もちろんその「厚み」は写真に撮っても見えないものだ。これを、どう、描き出せるかが、大きな課題だ。
もう一つ、面白い部分がある。上の説明では、「未完成」とあったが、この未完成部分が、描く時に見えてくる。
胸の服の部分が未完成なのだ。形が甘い。
顔はしっかりと描けるが、首の下が甘いので、ここの書き込みが難しい。重量感、大きさを表現するためには、ここの書き込みが最も大きな条件だが、形が甘いので、石膏は描き手にここの部分の描き込みを求めて来ない。そこが、トリッキーで難しい。正面も良いが、横も素敵だ。
逆光でボリューム感を否定した中で描くのも面白い。


そんないろんな描き方の面白さを提案してくれる像だ。

他にも、この像は、昔から、いろんな試みがされてきた。
この服の部分に白い布をかけて出したり。。。
この間もCHAは彼の首に鎖をかけたのを描いていた。
そんないろんな料理にも耐えられる。
さすが、ミケランジェロ。

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