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2009年6月29日 (月)

誰のため?:産科医無過失保証制度

産科医無過失保証制度


この問題、もしかして、あまり誰も反対しないのかもしれない。
そして、福祉関係者はあまり気にしてないのかもしれない。


ちょっと前、
産科無過失保証関係のシンポジウムに行ってきた。

実はこの問題、すずめはちょっと疑問を感じていた。

この制度、というか、保険。
産科で分娩する時、3万ほどの掛け金で、もし、赤ちゃんに障害があって生まれてしまっても、保証されるというもの。今まではその障害が医療行為に起因するものであった場合、訴訟になって、それで病院なり、産科医が保証してきた。しかし、この保証金額がものすごく、昨今、産科医がいなくなると日本中が騒いで、結果、この保険ができたわけだ。この時、医療者側に過失があったかどうかは問われない。

保険は、民間ではあるのだが、制度として作られている。

主に、脳性麻痺の赤ちゃんを視点にいれたもので、
生まれて5才までは請求できる。
最初に一時金として600万。その後、20才まで毎年、120万。およそ3000万。

1月に制度が発足したので、そろそろ、例がでてきそうだ。
脳性麻痺を持った赤ちゃんのご両親の負担はいかばかりかと思う。その負担を少しでも減らすことができたら。。というのには、誰も反対しないだろう。。。。。


誰も反対しないのかもしれないと思ってはいたが。。。なるほど、ネットをひくと、結構、反対者はいるっていうか、結構、反対してる人が多い。


http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/mric/200902/509571_2.html

(ざっくばらんに言って、「過失が無くても」ってことは、産科医は過失を問われないということになる。。。一応制度的には、その調査を含んではいるが、この制度の場合、過失があったとしても、患者側の利益と病院側の利益が一致してしまうんで、過失を隠蔽するようなことがあっても不思議じゃない)

でも、すずめの視点はちょっと違う。


このシンポジウム、偶然N新聞の記者さんの隣に座った。

この制度の対象って、どの位いるの?


さっすが記者。その場で、
脳性麻痺はおよそ出生率に対して0.03%
実数で2500〜3000人。っと、即答。
なーるほど。


そこで、質疑応答でこの制度で想定されてる対象人数を聞くと。。。
(どうせ、想定してるんでしょっと突っ込むと。。。。分かってないけどと、言いながら、厚労省系のヒトが)
およそ、500〜800人。

おおっ。おもしろいじゃん。
って問題じゃないけど。


ということは、
脳性麻痺で生まれる赤ちゃんのうち、およそ、3〜4人に1人はこの制度の恩恵を受けられる。3000万をもって。
それそのものはいい。

だけど。。。

これが福祉のマーケットを壊してしまうことになりはしないか。

4人に1人は、毎月、10万の予算を持っている。
3人は持っていない。


いつもロービジョンの問題を見ながら、不思議に思ってることがある。
なぜか、たとえば拡大読書器は198000円が多いのだ。
不思議ってわけじゃない。当然かも。だって、福祉で198000円が補助されるのだ。
だから、この価格がターゲットプライス。
そういう風に、この手のものって、いろんな「事情」を反映した価格設定がされることがある。

もし、
4人に1人の子が10万という予算をターゲットにした価格設定が広まると。。。というか、現実的に存在してしまう中、この価格をターゲットにした福祉の市場ができてくるはずだ。

貰える子は良い。だけど、もらえない子もいる。
同じようなサポートを必要としていても、
脳性麻痺の子だけが予算を貰ってる。
その大きな格差の中で、福祉のマーケットが作られていくとしたら。。


この制度、
結局、「子供たちのため」のものじゃないのだ。
「産科医」のためのものなのだ。

それって、何か歪んでないだろうか?
その歪みが福祉市場まで浸食して、
結局は子供たちの未来を暗くしてしまわなければいいけど。

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