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2009年5月 1日 (金)

長崎への旅 被爆マリア 5

長崎のシンボル

誰でも思い浮かべるのは、
平和祈念公園だ。

ここに,非常に面白い記述がある。
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/0208/genbaku/rensai/dansou/03.html

西日本新聞の記事からの引用


そもそも祈念像の基本的な理念はどんなものだったのか。五〇年、長崎市の関係者を前に西望は、ぜひ自分につくらせてほしいと次のように熱弁をふるう。
「奈良時代に朝廷の下に全国を統一して日本を仏教国家にするために奈良の大仏がつくられた。同じように平和運動を進めるためにも奈良の大仏にならって出来るだけ大きな男神像をつくるべきだ。女神ではダメ、絶対男神だ。大きさは力である」。平和祈念像の下敷きは、奈良の大仏だった。そして像の内面的意味よりも外観(大きいこと)が絶対的価値だったのである。

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Naga0411d

すずめがこの像を見たのはいつだったか。
中学の修学旅行だったはずだが、記憶に無い。
じっくりと見たのは、井の頭公園にある北村西望の記念館。

確かに、彫刻家としての彼は魅力的だ。個人的にはこの作風は好きだとも言える。
この大きさもインパクトがある。井の頭公園では屋内に仕舞われているが、空の下で見るべきもの。
屋内には収まりきれないスケールの大きさがある。

しかし、それと、祈念公園の意義とはまた別。


建築家さんもご覧になってる日記だけど、
ヘタなコト書いちゃう。


http://www.arch-hiroshima.net/a-map/hiroshima/p-museum.html

広島の平和記念公園のシンボルは、この丹下氏の手になる、モダニズムのハーモニカだ。

彼の言葉を引用する。

平和は訪れて来るものではなく、闘いとらなければならないものである。平和は自然からも神からも与えられるものではなく、人々が実践的に創り出してゆくものである。この広島の平和を記念するための施設も与えられ平和を観念的に記念するためのものではなく平和を創り出すという建設的な意味をもつものでなければならない。
わたし達はこれについて、まずはじめに、いま、建設しようとする施設は、平和を創り出すための工場でありたいと考えた。
(雑誌「建築雑誌(新建築)」1949年10月号より引用|一部仮名遣いなど修正)

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一つ前の日記でも書いた。
誰か、特定の国を敵にするのではなく、核の廃絶を訴えること。

その心が、ここからも分かる気がする。
上記のURLでは、広島のプランが、
原爆ドーム
慰霊碑
記念館
そして、広島の街、
ヒューマンスケールを総合的に考えてできたプランであることが分かる。
(別の話だけど、そうやって創ったこの景観を後ろのマンションが壊しちゃって、それに自治体が気づかず、建築許可降ろしちゃったのが、残念でしょうないねえ)


それにしてもこの彫刻家としての北村氏と、
建築家、丹下氏との対比が面白い。

彫刻家は「神」を創ろうとし、
建築家は「工場」を創ろうとした。


さて、その力強き「神」が住む長崎。

真新しい浦上天主堂。
祈念公園の像
爆心地公園のモニュメント
原爆資料館

一つ一つのものには感銘を受ける。
どれも貴重だ。

しかし、景観という観点から考えると、なぜかバラバラなのだ。
別にお金をかけること云々じゃない。
こうしたクリエーターたちの作品群が整合していない。

「神」の力を持ってしても、統合することができていない。


一発の原爆が舐めたものは、
同じであり、悲劇の根源も同じ。
そして、人の想い、願い、祈りも同じ。
それなのに、整合していない。

はっきり言うと、
整合させなかった力さえ、あったかのように思える。

広島における丹下氏のような、才能のある人が不在だったのか、
それを生かす政治的な力を持つ人がいなかったのか。


平和を創るものは、
力を持つ「神」なのだろうか
それとも、
平たく低い「工場」なのだろうか。


長崎の形、
何か、咀嚼できない印象を持ってしまった。
今からでは、遅いのだろうか。

爆心地のモニュメント

あの空、
あのあたりで、
閃光があった。
その時の空は
もっと青かったろう。

Naga0413g


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